購入価格: ¥32,737 (税込)
標準価格: ¥44,194 (税込)
『ST-RS505はリザーバータンクが後方にあるため、バーテープにミネラルオイルがからないように注意』
■ エア噛みの対処法
SHIMANO ST-RS505は、105グレードのロード用油圧式ディスクブレーキに対応したデュアルコントロールレバーだ。1年半くらい前にGIANT DEFY1 DISCに取り付け、3000kmくらい走った。さて、今回は油圧式ディスクブレーキのエア噛みの話から。1カ月くらい前に、自分の部屋でレバーを握ってみたところ、左レバーのストロークが右レバーよりもやや大きくなっていることに気がついた。
シマノのマニュアルには、「自転車を倒立させたり、横にした場合は、リザーバータンク内にはブリードスクリューを取付ける際に残留したり、長時間の使用でブレーキシステム各部から集まってきた微少な気泡が存在することがあります」とある。私は自転車を倒立も横にもしていないが、微少な気泡(エア)が集まってきたことが原因であることに間違いはないようだ。リアのブレーキホースがフロントよりも長いことも影響していると思う。
エア噛みの対処法はシマノのマニュアルに記載されており、「 ブレーキレバーを握って反応がない(動きがスカスカ)場合、ブレーキレバーのブリード部分を地面と水平にセットして、ゆっくりブレーキレバー操作を繰り返し気泡がリザーバータンクに戻るのを待ちます」とある。確かにこの手順を行うことで、レバーのカッチリしたタッチが戻ってくる。念のため、ブリード部分(リザーバータンク)を地面に平行にし、レバーを握りっぱなしでしばらく放置したところ、さらにカッチリしたタッチになった。
私は自分でブリーディングを行ったので、エアを抜く過程でレバーの動きがスカスカになった状態も経験しているが、相当な量のエアを噛んでいないかぎり、レバーの動きがスカスカになることはない。上記の手順でレバーのタッチがある程度戻るし、ブレーキの効きにも影響しないのであれば、特にブリーディングを行う必要はないと感じた。
リザーバータンクと地面を平行にし、レバーを握りっぱなしにすることでレバーのタッチが戻る
■ ミネラルオイルの交換
ミネラルオイルの交換はもう少し先でもかまわないと思ったが、やはり今後のエア噛みが少し気になるし、自分の経験を増やすためにも行うことにした。
ST-RS505はリザーバータンクが後方にあるため、じょうごやリザーバータンクのフタを着脱する際に、ミネラルオイルがバーテープにかからないように注意する必要がある。リザーバータンクのフタやじょうごの着脱に際に、ミネラルオイルがこぼれないようにウエスで覆い、念のためバーテープもサランラップなどで保護しておけば、バーテープを巻いたままで作業することは可能だ。これ以外のST-RS505に関する注意点は、じょうごのミネラルオイルの液面を保って、エアが混入しないように気をつけることくらいだ。
また、シマノのマニュアルでは、最初に古いミネラルオイルを排出するが、しなくてもミネラルオイルの交換は可能。ただ、キャリパーから新しいミネラルオイルを注入しても、じょうごにエアがまったく上がってこないので、じょうごに新しいミネラルオイルを流すところから始めてもよかったかもしれない。ちなみに、リアは注射器のチューブやアーレンキーが外れ、ブリーディングを最初からやり直したので、結果的にシマノのマニュアルどおりの作業になった。
フロントはリザーバータンク側に小さなエアが3つほど出ただけ。リアはブリーディングをやり直したので、混入したエアの量はわからない。フロントとリアでやり方が異なるが、どちらもうまくいった。フロントのタッチは作業前とあまり変わらないが、リアの変化はわりと大きかった。その後の実走では、油圧式ディスクブレーキの性能とタッチのよさにあらためて感動。実用上は問題なくても、早めにミネラルオイルを交換するに越したことはないと感じた。
ミネラルオイルがバーテープにかからないように注意して作業する
■ 総評
ST-RS505はよくできたデュアルコントロールレバーだと思う。油圧式のレバーの引きの軽さやタッチの滑らかさ、短いストロークでの変速操作、ブラケットの握りやすさもさることながら、ブリーディングにおける作業性が非常に高い。じょうごのミネラルオイルの液面を保ち、バーテープにミネラルオイルがかからないように気をつければ、ブリーディングで難しい点は特にない。
いずれエア噛みが生じるものだと覚悟していたが、思っていたほどではなく、リザーバータンクを地面と平行にしてレバーを握ることで対処できた。油圧式が長期間メンテナンスフリーであることは確かで、今回は約1年半でミネラルオイルを交換したが、たぶん2年くらいは大丈夫だと思う。105グレードのわりには高価だが、変速とブレーキの両方でグレードを超えた性能だという評価はいまでも変わらない。
レバーの重さが欠点だが、最初の投稿からハンドルを13.3mm下げたら、だいぶダンシングしやすくなった
価格評価→★★☆☆☆ (高価だけあって変速性能もブレーキ性能も高い)
評 価→★★★★★ (よくできたデュアルコントロールレバー)
<オプション>
年 式→2016年
カタログ重量→655.3g (1ペア)