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SHIMANO BR-RS785


 
LZPT2IB  2016-5-17 1:07
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SHIMANO BR-RS785
購入価格: ¥5,298 (税込)
標準価格: ¥5,887 (税込)

『小さな握力で大きな制動力を発揮でき、操作感は意外にマイルド。油圧化によるデメリットもほとんどない』



■ BR-RS785とは
「SHIMANO BR-RS785」は、ロード用の油圧式ディスクブレーキキャリパーだ。GIANT DEFY1 DISCを105グレードで油圧化するために購入した。BR-RS785はULTEGRAグレードであるが、105グレードの油圧用デュアルコントロールレバー ST-RS505とも互換性を持つ。

DEFY1 DISCはポストマウントタイプだが、105グレードにはフラットマウントしかないため、キャリパーはBR-RS785かBR-R785のどちらかを選ぶことになる。両者の主な違いはホースジョイントタイプだ。BR-RS785を選んだのは、リアのブレーキホースを内側にすっきりと取り回すことを考えてのことだが、外装式のフレームなら正直どちらでもかまわないと思う。

対応ローターサイズは140mmと160mmで、160mmローターを用いるにはアダプターを介して取り付ける。MTB用の上位グレードと同様に、レジンパッドとピストンにアイステクノロジーが採用されており、レジンパッドには放熱フィンが付き、ピストンの材質にはセラミックが使われている。表面仕上げはアルテグラのシリーズカラー。ロゴは小さめだ。

 
SHIMANO BR-RS785(左)、105グレードのST-RS505と組み合わせて使用(右)





■ 購入のきっかけ
私は最終的にはロード用油圧式ディスクブレーキにすることを考えていたが、導入は当初の予定よりもかなり早まった。きっかけはDEFY1 DISCに搭載される、TRP SPYRE-Cのレバーの引きがやや重たいと感じたからだ。それでも、性能面には概ね満足していたが、引きが軽いといわれる油圧式に対する憧れは日に日に増すばかり。我慢できずに導入したというわけだ。

BR-RS785を使用した感想は以下のとおり。使用期間は約3ヶ月半。操作感やメンテナンス性に関する内容は、主に機械式のSPYRE-Cとの比較になる。取り付けは自分で行ったので、作業中の注意点やちょっとしたコツも書いてみた。


TRP SPYRE-Cは制動力・コントロール性・メンテナンス性に優れる。ただ、レバーの引きの重さがちょっと残念





■ ブリーディングの作業
ブリーディングを行うためには、「TL-BT03 ディスクブレーキ ブリーディングキット」を用意する必要がある。本格的なメンテナンススタンドがなくても、リアホイールを挟むタイプのディスプレイスタンドがあれば作業できる。作業は大がかりだが、決して難しくはない。

ミネラルオイルを注入・排出するためのチューブは、BR-RS785のブリードボスに取り付ける。だが、内部のニップルが短いのでチューブのかかりが浅く、チューブは柔軟性がないのでニップルへの食いつきが悪い。そのため、作業中にチューブがポロリと外れやすい。特に注射器でミネラルオイルを注入する際にチューブが外れると、気泡が混入してやり直しになるので注意が必要だ。

 
ブレーキホースからエアが抜けやすいように、スタンドを高い位置で固定している(左)
ブリードボスからチューブが抜けやすいので注意(右)





■ キャリパーの取り付けとセンター出し
BR-RS785はパッドクリアランスが小さいので、パッドとローターが接触して音鳴りしないように、確実にキャリパーのセンター出しを行うことが重要だ。キャリパーのセンター出しは、ブレーキレバーを握ったまま固定ボルトを締め付ければできる。

だが、固定ボルトを本締めすると、キャリパーが外側に動いてセンターがずれることがある。これを防ぐには、ブレーキレバーを結束バンド等で固定し、キャリパーを手で押さえて締め付ければいい。ディスクローターセンタリングツールは、油圧式のパッドクリアランスの小ささでは挿入できない場合がある。

センターが出ていなければ、ローターがパッドに押されて歪むのですぐにわかる。ただ、見かけ上はセンターが出ていても、実際にはわずかに傾いていて、ブレーキレバーを握るとクニュッとしたブレーキタッチになることがある。きっちりとセンターが出ていれば、ローターが左右に歪まないだけでなく、カチッとしたブレーキタッチが出る。BR-RS785を快適に使うためには、このことがかなり重要になる。

 
取り付け直後のBR-RS785。フロント(左)、リア(右)





■ BR-RS785の操作感
BR-RS785はロードバイク向けに調整されており、高い制動力とコントロール性を両立したクセのない操作感を実現している。これならキャリパーブレーキから移行しても違和感がない。操作感の詳細は以下のとおりだが、レバーのST-RS505やローターのSM-RT81も性能に大きく関係している。なお、ローターサイズは160mmであり、雨天走行での評価はしていない。


●制動力
意外にマイルドな制動力というのが第一印象で、ゆっくり走行する分にはキャリパーブレーキと大差はないが、急制動や下り坂では油圧式の圧勝。高いスピードから一気に短い距離で減速・停止が可能であり、下り坂ではブラケットからでもブレーキが効く。

機械式のTRP SPYRE-Cも制動力自体は高いが、BR-RS785の方が小さな握力で大きな制動力が発揮できる点が大きく異なる。メーカー推奨は140mmローターだが、160mmローターでも効きすぎだとは思わなかった。むしろ、制動力や握力に余裕を持ってブレーキ操作ができる。


BR-5800で大きな制動力を出すには、下ハンへの持ち代えが必要だった


●コントロール性
レバー操作の途中で大きな制動力が立ち上がるようなピーキーなブレーキではなく、ブレーキレバーを握った分だけリニアに制動力が大きくなるのでコントロールしやすい。また、よほど強くレバーを握らないかぎりは、ジャックナイフやロックすることもないだろう。

指先のかすかな動きに追従するので、繊細なスピードコントロールも可能。SPYRE-Cやリムブレーキを上回るコントロール性の高さを感じた。ただし、これはブラケットポジションの話。160mmローターの場合は、下ハンでブレーキをかけると、レバーのテコ比の関係でややスピードが落ちやすい。下ハンで微妙なスピードコントロールを行うには、さらに繊細なレバーの操作が必要になると感じた。

下ハンを使う頻度が高い場合は、コントロール性を重視して140mmローターを選んだ方がいいかもしれない。ブラケットポジションでの制動力とコントロール性を中心に考えるなら、160mmローターでも全くかまわないと思う。


制動力重視なら160mmといったところ


●静粛性
SPYRE-CにシマノのレジンパッドとアイステクノロジーローターSM-RT81を組み合わせると、音鳴りが非常に小さくなる。BR-RS785ならさらに静かになり、ほぼ無音といえる状態がSPYRE-Cよりも断然多くなる。また、長い坂でブレーキをかけ続けてもあまり音が大きくならない。静粛性の高さにはキャリパーの放熱効果も効いているようで、シマノのパーツ同士はやはり相性がいいと感じた。


放熱フィン付きレジンパッド (アイステクノロジーパッド)


●レバーの引き、ブレーキタッチ
機械式のSPYRE-Cで感じていたような、リターンスプリングのバネ力やケーブルのフリクションは、油圧式のBR-RS785には当然存在しない。滑らかなレバーの動きはケーブル引きのブレーキでは味わえないものだし、レバーの引きの軽さは快適な操作に貢献する。ピストンの剛性や精度も高く、カチッとパッドが面でローターをとらえる感覚が伝わってくる。


油圧式のブレーキタッチは極上で、機械式とは大きく異なる





■ パッドの摩耗
SPYRE-Cと比べると、BR-RS785の方がキャリパー周りに付着するブレーキダストの量が少ない。パッドを外してピストン周りを確認しても同様だ。シマノのカタログのアイステクノロジーの解説から、放熱効果がパッドの摩耗量にも影響することがわかるが、これは実感としても理解できる。


ピストン周辺は意外に汚れていなかった





■ メンテナンス
SPYRE-Cは、パッドの摩耗やケーブルの伸びに伴い、レバーの引きしろやタッチを微調整する必要があった。油圧式のBR-RS785は、パッドクリアランスの間隔を一定に保つ「セルフセンタリング機構」を備えており、パッドが摩耗しても引きしろやタッチは変わらない。SPYRE-Cもメンテナンス性に優れていると感じるが、油圧式はさらにメンテの頻度が低い。ただし、パッドクリアランスを大きくすることはできない。

日頃のメンテは、キャリパーやローターのクリーニングくらいだ。中性洗剤やイソプロピルアルコールで洗浄したり、ウエスで乾拭きしたりしているが、前述のとおりパッドの摩耗量が少ないので頻繁に行うわけではない。

何らかの原因でローターが曲がった場合には、ローターレンチという工具で修正する。キャリパーのセンターをきっちりと出せるようになってからは、強くブレーキをかけ続けてもローターが曲がることがなくなった。メンテの頻度を減らす意味でもセンター出しは重要だ。

いまのところ、気泡の混入も感じられず、当分の間はブリーディングする必要はなさそうだ。劣化したミネラルオイルの交換もまだ先の話だが、ブリーディングを経験していればかんたんにできそうな作業だ。ちなみに、私は出先でキャリパーに気泡が入らないように、ロードバイクを倒立させたり横にさせたりしないようにしている。実際には大丈夫だと思うが、トラブルが生じないように念のためだ。


普段行うのはキャリパーやローターのクリーニングぐらいだ





■ クイックリリースとの関係
DEFY1 DISCのホイールの固定方法はクイックリリースだ。BR-RS785はパッドクリアランスが小さいので、ホイールが斜めになった状態で固定したり、クイックリリースレバーの締め付けが弱かったりすると、ローターとパッドが接触することがある。特にキャリパーが斜めになって取り付けられていると、何度ホイールを装着してもうまくいかないことが多い。

自転車を垂直に立てたまま、クイックリリースレバーを持ち上げれば、ホイールをまっすぐに固定しやすい。この状態でキャリパーのセンター出しを行えば、ほぼ一発でスムーズにホイールが装着できるようになる。パッドクリアランスが小さい分、ホイールの着脱がシビアになると思ったが、実際にはホイールの着脱にストレスをあまり感じていない。ちなみにホイールを外す方は、リムブレーキよりもかんたんだ。

また、強くブレーキレバーを握っても、クイックリリースレバーが緩んだことは一度もない。DEFY1 DISCのフロントフォークは、エンドの切り欠きが斜め前方を向いており、ディスクブレーキの制動力を受け止めるように作られている。少なくともDEFY1 DISCは、ディスクブレーキを機械式から油圧式に変えたからといって、制動力に対して剛性不足を感じることはない。

 
リアホイールは壁際等でハンドルが曲がらないようにすると装着しやすい(左)
DEFY1 DISCのフロントフォークはエンドが斜め前方に向いている(右)





■ ピストンからのオイル漏れ ※初期不良
実はリアのキャリパーをブリーディングした直後に、ピストンの隙間からミネラルオイルが漏れた。すぐにホイールとパッドを外したが、パッドはオイルが染み込んでダメになった。ブリーディング後にピストンの隙間からオイル漏れが生じた場合、初期不良品としてシマノの保証の対象になる。結局、BR-RS785は箱ごとすべて交換することになった。


ブリーディング直後にオイル漏れが発生。作業後は各部のオイル漏れのチェックが重要だ





■ 総評
BR-RS785はブレーキとしての完成度が高く、大きな制動力と繊細なコントロールの両立を実現している。ロード用に調整されているので、ブレーキ操作による挙動は意外にもマイルド。キャリパーブレーキのような感覚で扱うことができ、油圧は効きすぎて危ないのではないかといった心配は無用だ。もちろん、強く握ればしっかりと効くので、確実に減速・停止するためのブレーキとしても心強い。

アイステクノロジーローターと組み合わせれば、ほとんど音鳴りもせず快適。パッドクリアランスの小ささによるトラブルも特に生じていない。導入の大きなハードルになるのがブリーディングだが、やってみると意外にかんたんだ。機械式よりもデリケートに扱う必要があると思っていたが、実際には油圧の方がトラブルやメンテに煩わされることが少なく、デメリットよりもメリットの方がはるかに多い。

DEFY1 DISCに油圧式ディスクブレーキを導入したのは大当たりだった。機械式のTRP SPYRE-Cの弱点であるレバーの引きの重さから解放され、滑らかなレバー操作やローメンテナンス等、油圧ならではのさまざまなメリットを享受することができた。機械式ディスクブレーキが搭載されている完成車なら、ブレーキの究極のアップグレード。価格以上の満足感が得られるはずだ。


油圧式なら楽にブレーキ操作ができるし、いつでも安全に止まれる



価格評価→★★★★☆ (キャリパーならリーズナブル。同時購入の油圧用デュアルコントロールレバーが高価)
評  価→★★★★★ (軽い操作感がお気に入り。油圧化に伴うデメリットはあまり感じられない)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→284g
 
LZPT2IB  2016-10-29 22:10
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SHIMANO BR-RS785
購入価格: ¥5,298 (税込)
標準価格: ¥5,887 (税込)

『クイックリリースレバーの締め付けが弱いと、ローターとパッドが接触してたまにカツン!と音鳴りすることがある』



■ リアから金属板を弾くような音が発生 ※追記
ある日、GIANT DEFY1 DISCで走行すると、後方から「カツン!」と薄い金属の板を弾くような音がするようになった。音鳴りが生じるのは、主にこぎ出しやダンシングでの踏み込みで、シッティングでは強めに踏み込んでも全く音鳴りしない。頻繁に生じるわけではないが、少し気になった。

音鳴りの原因は、ローターとパッドの接触。DEFY1 DISCを玄関に運ぶ際に、リアホイールが壁にぶつかって同じ音が生じたことで原因を特定できた。パッドを爪で弾いても、ローターに当たって同じような音がする。さらに、リアのキャリパーとローターをチェックするためにリアのホイールを外してみたところ、クイックリリースレバーの締め付けが相当弱かった。これは前回のホイールの着脱の際のミスだ。

レバーの締め付けが弱い状態でリムを指で強めに押してみると、ローターがパッドの方に近づくことがわかる。断言はできないが、ローター自体がたわむというよりも、ハブとフレームの間、もしくは、ハブ自体のガタが影響しているような気がした。結局、クイックリリースレバーを強めに(いつもどおりに)締め付けたところ、カツン!という音鳴りが全く生じず、以前のように快適に走れるようになった。

油圧式ディスクブレーキはパッドクリアランスが小さいため、ホイールの固定方法がクイックリリース式の場合は、キャリパーやホイールの取り付け角度次第で、ローターとパッドが接触して音鳴りが生じることがある。ただ、クイックリリースレバーの締め付け力にも影響されるとは盲点だった。DEFY1 DISCならこれまでどおり締め付ければ全く問題ないが、今後は締め付け力のチェックを怠らないように気をつけたい。


前後のクイックリリースレバーをしっかり締め付ければ全く問題ない



価格評価→★★★★☆ (リーズナブルな価格)
評  価→★★★★★ (セッティングがちゃんとしていれば問題なく使える)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→284g
 
LZPT2IB  2017-1-16 23:44
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SHIMANO BR-RS785
購入価格: ¥5,298 (税込)
標準価格: ¥5,887 (税込)

『センターが出ているかどうかをキャリパーの奥までチェックすることで、パッドとローターの接触による音鳴りを防ぎやすくなる』



■ キャリパーの取り付けとセンター出し ※追記
前々回の投稿で、「見かけ上はセンターが出ていても、実際にはわずかに傾いていて、ブレーキレバーを握るとクニュッとしたブレーキタッチになることがある」と書いた。しばらく使っているうちに、なぜこんなことが起こるのかをようやく理解できた。

キャリパーのセンターが出ているかどうか、つまり、パッドクリアランスが左右均等になっているかどうかは、キャリパーとローターを目視でチェックすることになるのだが、これまで私はローターがキャリパーに最初に入る部分(以後、入り口)しかチェックしていなかった。確実にセンターを出すためには、ローターの”入り口”だけでなく、キャリパーの奥も目視でチェックする必要がある。このことは私にとって盲点だった。

ローターの入り口でセンターが出ていても、キャリパーの奥でセンターが出ているとはかぎらない。キャリパーの奥でセンターが出ていなければ、レバーを握ると入り口ではローターが歪まないが、キャリパーの奥では左右のどちらかに歪んでしまう。もちろん、奥のパッドクリアランスも左右均等ではない。キャリパーの奥はパッドの影になって見にくいが、ライトを当てたり蛍光灯の下で作業したりすればチェックできる。

私がこのことに気づいたのは、キャリパーのセンターは出ていて、なおかつ、ローターも歪んでいないはずなのに、パッドとローターが接触してシャリシャリと音鳴りが生じたからだった。キャリパーの奥までチェックしていれば防げる音鳴りだ。このことに気づいてからは、以前よりも音鳴りしにくくなり、良好なブレーキタッチを維持している。

 
まずはローターの入り口でセンターが出ているかをチェック(左)、次にキャリパーの奥もチェックする(右)



レバーを握ってローターをパッドで挟んだ状態にしたまま取り付けボルトを締め付ければ、キャリパーのセンター出しができるが、取り付けボルトを締め付ける向きにキャリパーがズレやすい。このとき、結束バンドなどでレバーを握った状態にしておけば、空いた方の手でキャリパーがズレないように押さえながら、取り付けボルトを締め付けることができる。ディスクローターセンタリングツールがあれば、さらにキャリパーのセンターを出しやすくなる。これも前々回に触れたことだが、今回はもう少し具体的に話をしてみた。

  
ブレーキレバーを握らなくて済むので、キャリパーを押さえたまま取り付けボルトを締め付けることができる(左、中央)
さらにディスクローターセンタリングツールがあると便利(右)



以上のことは、BR-RS785にかぎったことではないはずだ。キャリパーの取り付け向きに関する話なので、ホイールの固定方法は関係なく、フラットマウントタイプでも同様だと思う。油圧式ディスクブレーキはパッドクリアランスが小さく調整もできないので、パッドとローターの接触によるシャリシャリとした音鳴りを防ぐためにセンター出しは重要。キャリパーのセンターが出ていれば、ローターの歪みによるブレーキタッチの悪化もなく、ローターの歪みを修正する必要も少なくなる。



価格評価→★★★★☆ (リーズナブルな価格)
評  価→★★★★★ (キャリパーの取り付け次第でさらに快適に使える)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→284g
 
LZPT2IB  2017-2-24 19:58
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SHIMANO BR-RS785
購入価格: ¥5,298 (税込)
標準価格: ¥5,887 (税込)

『140mmローターと組み合わせることで、コントロール性が非常に高くなる』



■ リアのローターを140mmにサイズダウン
SHIMANO BR-RS785は、固定方法がポストマウントタイプのロード用油圧式ディスクブレーキキャリパーだ。標準では140mmローターを使うが、オプションで160mmローターを選べる。私は制動力を重視して前後に160mmローターを選択。絶対的な制動力の高さは交通安全に貢献し、高い制動力に至るまでのコントロール性も高い。

ただ、前後のどちらかのブレーキだけでも短い距離でかんたん止まれるので、リアのブレーキにはもう少しコントロール性が欲しくなってきた。サーボウェーブを搭載したST-RS505なら、繊細なレバーの入力でスピードのコントロールができるが、力加減を間違えると大きく減速することがあった。そこで、リアは制動力よりもコントロール性を重視して、140mmローターにサイズダウンすることにした。

 
SHIMANO BR-RS785(左)、リアのSM-RT81を160mmから140mmにサイズダウン(右)





■ キャリパーの取り付け
ローターサイズを160mmから140mmにする際には、ディスクブレーキマウントアダプターを外し、BR-RS785をディスクブレーキ台座に直接取り付ければ良い。ただ、140mmと160mmではマウントアダプターの厚みの分、固定ボルトの長さが異なる。140mm用の固定ボルトはBR-RS785に付属しているが、完成車のローターサイズが160mmの場合は別途用意する必要がある。140mm用の固定ボルトには球面状のワッシャーを使わない仕様だが、キャリパーのセンター出しには特に影響はなかった。

 
140mm用の固定ボルトと回り止めは、160mm用よりも短い





■ ローターの交換と挿入
パッドはまだ厚みがあるので交換せずそのまま使用。交換前後でローターの厚みが変わるため、新品のローターを挿入するとパッドクリアランスが小さくなると判断し、BR-RS785のピストンを押し戻してからローターを挿入した。このままではパッドクリアランスが大きいので、レバーを数回握って適正なパッドクリアランスにする必要がある。

ピストンの押し戻しはマイナスドライバーやアレンキーでも行えるようだが、セラミックピストンが傷ついたり欠けたりしないように、ピストンプレスという専用工具を使った。この工具ならピストンの全面に均等に力をかけることができ、徐々に力を加えればかんたんにピストンを押し戻せる。


ピストンプレスという工具でセラミックピストンを押し戻す





■ 制動力とコントロール性 ※フロント160mm、リア140mmの組み合わせ
使用開始直後はローターに当たりが出ていないこともあり、ローターのサイズダウンも相まって、制動力が大幅に低下した。レバーを握り込んでもなかなか止まれないので正直戸惑ったが、当たりが出てからはしっかりと効くようになる。160mmローターなら当たりが出なくてもそこそこの制動力を発揮できるが、140mmローターでは本来の性能を発揮するのにある程度の距離が必要だと感じた。

ローターのサイズダウンで最も大きく変化したのはコントロール性だ。160mmローターのようにレバーをそっと握らなくても大きく減速せず、レバーを握り込んでからの力加減で思いのままにスピードのコントロールができる。140mmローターにすることでますますキャリパーブレーキに似たフィーリングになったが、BR-RS785の方がレバーの入力の感覚と制動力が一致しやすく、スピードのコントロールがたやすい。

レバーをさらに強く握り込めば、140mmローターでもしっかりとブレーキを効かせることが可能。もちろん、高い制動力を発揮するのに大きな握力は必要ない。キャリパーブレーキやVブレーキでは、同じ握力で同等の制動力を発揮するのは難しく、あらためて油圧式ディスクブレーキの素晴らしさを感じることができた。140mmローターは制動力とコントロール性を非常に高いレベルで両立しており、これならシマノが標準のローターサイズとして採用するのも理解できる。

フロントを160mm、リアを140mmにすると、前後のブレーキの役割分担がより明確になる。具体的には、フロントは大きな減速や停止に、リアは走行中にわりと小さな減速に使用。を140mmにすることでコントロール性が向上し、フロントを160mmのままにすることで絶対的な制動力の高さも確保。前後160mmローターの組み合わせと比べても極端な制動力の低下は感じられず、ブレーキのフィーリングの変化も違和感なく受け入れられた。また、リアの方が制動力が弱いので、キャリパーブレーキやVブレーキにも通じる自然なブレーキフィーリングになった。

 
フロントは制動力を重視して160mmローターのまま(左)
リアはコントロール性を重視して140mmローターに交換(右)





■ 総評
SHIMANO BR-RS785のメリットは、軽く握れば繊細なスピードコントロールができ、しっかりと握れば高い制動力が発揮できることだ。160mmローターでも、キャリパーブレーキに比べて効き過ぎて危ないとか、ブレーキの挙動が大きく異なるといった心配は一切なく、大きな制動力を安全に扱える。140mmローターなら制動力が少し低下する代わりにコントロール性が高くなり、よりキャリパーブレーキに近いフィーリングが得られる。これならキャリパーブレーキから移行しても違和感なく使えるはずだ。

制動力を重視するなら160mmローター、コントロール性を重視するなら140mmローターを選ぶことになるが、どちらのローターサイズが最適かは用途や好みにもよる。どちらを選んでもブレーキの味付けの範囲内に収まるので扱いやすいが、両者の差は決して小さなものではなく、他のブレーキならキャリパーごと買い替えたくらいの変化の大きさは感じられる。ローターの交換でブレーキ性能が変わるのもディスクブレーキの大きなメリット。ポストマウントタイプのキャリパーならBR-RS785は間違いなくオススメできる。



価格評価→★★★★☆ (リーズナブルな価格)
評  価→★★★★★ (ローターサイズで制動力やコントロール性を変えられる)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→284g
 
LZPT2IB  2017-5-16 21:35
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SHIMANO BR-RS785
購入価格: ¥5,298(税込)
標準価格: ¥5,887(税込)

『ブリードスクリューからアーレンキーを落とさないように注意』



■ ミネラルオイルの交換
SHIMANO BR-RS785は、ロード用の油圧式ディスクブレーキキャリパーだ。マウントタイプはポストマウント、ホースジョイントタイプはストレートホースという仕様だ。ディスクロードのマウントタイプの主流はフラットマウントであり、ポストマウントのBR-RS785は一世代前のタイプだ。なお、ポストマウントはフラットマウントのディスクブレーキ台座に取り付け可能だが、逆は不可能だ。

さて、先日、私はBR-RS785とBR-RS785のミネラルオイルの交換を行った。シマノのマニュアルを見ると、ミネラルオイルの交換は、古いミネラルオイルをキャリパーの外に排出した後に、ブリーディングを行うとある。だが、ブリーディングを最初からやり直すとエアを抜くのに時間がかかると考え、古いミネラルオイルを排出しないで注射器で新しいミネラルオイルを注入し、その後の作業はシマノのマニュアルどおりに行った。

その結果、キャリパー側から注射器でミネラルオイルを注入しても、じょうごにエアはまったく上がってこなかった。だから、じょうごからキャリパーにミネラルオイルを流すところから作業を始めてもよかったかもしれない。フロントのミネラルオイルの交換は問題なく終了。リアは2回もトラブルが生じたが、これはBR-RS785の構造にも関係していると感じた。

1回目のミスが生じたのは、レバーを握った状態で、瞬間的にブリードスクリューを開け閉めする作業。BR-RS785はブリードスクリューを開け閉めする際に3mmアーレンキーを使うのだが、ブリードスクリューを開けた際にアーレンキーを落としてしまい、開けっ放しになったブリードボス(ブリードボス)からエアが大量に入り、レバーがスッカスカになってしまった。こうなると最初からブリーディングをやり直しだ。

2回目のミスは前回と同様で、注射器でミネラルオイルを注入する際に、キャリパーから注射器のチューブが外れてしまった。BR-RS785のブリードボスは奥まった位置にあり、チューブのかかりが浅くて外れやすい。しかも、シマノの注射器のチューブもブリードボスへの食いつきが悪い材質なので、ますます外れやすくなっている。

シマノのマニュアルを見るかぎりでは、BR-RS505のようなフラットマウントタイプの方が作業しやすそうだ。メガネレンチならブリードニップルから落下しにくく、引っかけておくこともできそう。外部に露出したブリードニップルなら、チューブの接続部に結束バンドで抜けないようにしておくことも可能かもしれない。

BR-RS785は、ブリードスクリューやブリードボスを内臓することですっきりした外観を実現しているが、ブリーディングでの作業性をやや損なっていると感じた。ただ、ブリードスクリューを開け閉めする際の工具の落下と、ブリードボスからチューブが外れることに注意しさえすれば、ブリーディングの作業自体はシンプルで難しくはない。

 
ブリードボスはチューブのかかりが浅い(左) ※前回のブリーディングの画像
ブリードスクリューからアーレンキーを落とさないように注意(右)



価格評価→★★★★☆ (リーズナブルな価格)
評  価→★★★★☆ (概ね満足だが、ブリーディングでは作業しにくい点もあった。星4.5)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→284g


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