¥1300@近所のドラッグストア
クッソ寒いときにお世話になる。たぶん4年くらいのお付き合い。原稿を書いただけで放置していて、実に季節外れのレビューになってしまった。失礼。
いわゆるハクキンカイロ。のコピーなのかOEMなのか。
液体燃料を緩やかに燃焼させて発熱させる、古式ゆかしい?カイロである。
古式ゆかしいとは言いつつ、鉄粉式、電気式をはるかに凌駕する性能を誇る。
発熱量、持続時間、経済性どれをとってもトップレベル。
一方で燃料の扱いが少々ややこしいことと、厚みがあることが欠点である。
極寒のなか自転車に乗るときも、ビブタイツの下のお腹あるいは腰に入れておくとたっぷりと温かくて、停車中にも凍えることがない。指先を温めよう、として取り出してすりすりしていると、さすがに発熱が足りなくて、やっぱり冷えてきちゃうのだが。
ちなみに、お腹に入れた状態でジャケットの前を全開にして走ったりすると、酸素の供給が良すぎて「あっちっち」となることには注意が必要。腰に入れておくのが良さそうだ。
ピカピカにクロムメッキされた本体は10cm×7cmの大きさ。ハガキ半分サイズである。
厚みは2cm弱のエアロ形状(笑)。ぴったりとした服の上からでは目立ってしまうか。
ぱかっとふたを外すと、こうなっている。
中央に突き出したキャップ状のところが火口、液体燃料式カイロの心臓部である。火口の奥に白金触媒をしみこませたグラスウールが組み込まれていて、この表面で燃料が穏やかに「燃える」ことによる発熱を金属の筐体全体に拡散させることで、暖を取りつつ中に仕込んだ液体燃料が気化されて火口に供給されるわけ。
ちなみにこの時点で装着されているのは、ハクキンカイロ・ピーコック用のスペア火口(昨秋Amazonで調達、当時¥702)。本品の火口は品質があまりよくなく、耐久性に欠くとの評判があるようだが、私は使用頻度が高くなく、何だかんだ3シーズン持たせた。
燃料は火口を外して、本体に組み込まれた綿に染み込ませる。付属の計量カップを使うなど使用説明書の手順を守っている限り、使用中に燃料が漏れてくるようなことはありません。本体も握ったりするくらいでは変形しないくらい丈夫なものである。
火口を軽くあぶってやると燃焼がスタート。炎も出ず、赤熱するでもないので、火口の上に手をかざして温度をみるなどして点火確認をしたら、熱供給のためすぐに蓋をしてケースに収めて使用開始。
手順通りであれば、1回に10cc弱を使い16時間の燃焼が可能、となっているが、これは燃料の質、使用状況によって違ってくる。かなり攻めた燃料の入れ方をしたうえで、布団の中に入れたり、衣服の下であまり動かないような使い方をした場合、24時間持ってしまったこともある。もちろん、少なめに入れれば持続時間を短くすることも可能だし、ポリ袋なんかに入れて密閉して酸素を遮断してしまえば、発熱を止めることも可能。
ちなみに燃料としては、専用のベンジン(揮発油系)のほか、ライター用のオイルやホワイトガソリンが使える。ライター用でもZippoのものは高品質なようで、石油臭さが皆無。ホワイトガソリンは石油臭さが気になるものの、少々高い温度になったような記憶がある。
安さと入手性に負けて、染み抜き用のベンジン(成分が違うとかで、これは推奨されてない)を使った時はあまり暖かくないわ燃焼中も匂うわで、散々な目に遭った。
いずれにせよ揮発性の燃料を使うという点が最大の注意点。正しく注入させているぶんには危険は最小限だが、こぼしたりしたら大変に危ないし、オイル臭さもある。もっとも、先に記したように広く推奨されている燃料であれば、使用中の臭さはないと言ってよい。揮発性の燃料を使用する危険物ということで、燃料もカイロ自体も航空機への持ち込み不可(機内持ち込みも預け手荷物も不可。参考
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr2_000007.html)。未使用のものはOKとの情報もあるが、過信は禁物か。
・・・というわけで少々手がかかるものだが、レトロなものながら長期に渡り生きながらえて来ただけあって、他のカイロには得がたいものがある。
価格評価→★★★★★(抜群のコスパ)
評 価→★★★★☆(揮発油使用に伴う宿命的なアレコレだけがね・・・あと貼るカイロの軽快さには負ける)