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『前傾姿勢が極端に低くなければ、Radiusでも一応ロードバイクに対応できる』
■ 以前よりも低い乗車姿勢でのポジション出し
fabric Scoop Radius Eliteは、私にとってポジションを出すのが難しいサドルだったが、ようやくコツをつかめてきた。私はDEFY1 DISCにややアップライトな姿勢で乗車し、骨盤を極端に立てたり寝かせたりすることはない。私の乗車姿勢や骨盤の角度では、全体的にサドルが前下がり、サドルの中央から先端が水平くらいにすると、ポジションを合わせやすい。
以前よりもハンドルが低くなり、デュアルコントロールレバーのブラケットの角度も寝かし気味になったが、サドルの角度を微調整するだけでポジションを出すことができた。違和感なく乗車するには数回の走行で微調整する必要はあるものの、痛みやしびれが生じない程度にポジションを合わせることはすぐにできるようになった。本来、ロードバイクの前傾姿勢に対応するのはShallowとFlatだが、前傾姿勢が極端に低くなければ、Radiusでも一応対応はできると現在では感じている。
角度の調整はやはりシビアで、ほんの少し角度を変えただけでも、痛みは出ないまでも大なり小なり違和感は出る。ハンドルのどこを握っても違和感のない座り心地を出すのは特に難しく、無段階に角度調整できるシートポストがこのサドルのポジション出しには必須だ。私の場合、これ以上ハンドルの位置が低くなると角度調整では対処しきれないような気がする。今でもギリギリでポジションを出せたという感じなので、いずれはShallowかFlatに交換することも検討している。
不思議なことに、このサドルのポジションが出ると、S字の座面にもかかわらず、着座するとサドルの凹凸をほとんど感じなくなる。まるで座面がフラットであるかのようだ。ハンドルの高さなどの変更に伴って、サドルのポジションを変更する際には、座面の”フラットな感覚”が出ているかどうかがひとつの目安になる。感覚的な話ではあるが、ポジションが出たときの座り心地は、出ていないときとは全く別物だ。
ハンドルを低くした際にサドルも微調整(左)、サドルの中心から先端が水平になるようにして後で微調整する(右)
このサドルはクッションが多いので、ポジションさえ出ていれば、あまりペダルに体重を分散させないでも尻の痛みが出にくい。ポタリングのような比較的ゆっくりとした走行でも快適で、ふんわりとした優しい座り心地を実感できる。速度や用途を限定せず、幅広いサイクリングに対応できるのがこのサドルの良さだ。
だが、サドルのしなりはあまり大きいとはいえず、チタンレールを採用した上位グレードのScoop Radius Raceの快適性には及ばない。ベースが同じ素材なのにEliteの方がしなりが少ないのは、クロモリレールでは十分にしなることができず、その結果ベースのしなりを誘発できないからだろう。しなりによる快適性も求めるならRace以上のグレードが良さそうだが、カラーバリエーションが豊富なEliteも捨てがたい。
fabric Scoop Radius Eliteは、しなりがあまり大きくないが、クッションのおかげで座り心地がやさしく快適。カラーコーディネートもしやすいので、個人的には満足している。ただ、クッションの量が多いからといって、かんたんに快適なポジションが出せるとはかぎらないので、できればレンタルサドルを試してから購入を判断するのがオススメだ。
形状は全く同じだが、快適なのはScoop Radius Raceの方 ※右がScoop Radius Race
価格評価→★★★★☆ (コストパフォーマンスに優れる)
評 価→★★★★☆ (デザインと快適性に満足。乗車姿勢にもよるが、一応前傾姿勢にも対応できる)
<オプション>
年 式→2015年
カタログ重量→256g