購入価格 ¥50000くらい
パーツ構成や価格帯、そして購入時の自転車屋の店員の説明から判断するに
『GIANTのESCAPE R3同様、「はじめてのスポーツ自転車」として設計された機体』という印象。
私も、初めてのスポーツ自転車としてMISTRALを購入。以後、(おそらくはメーカーが想定した通りの)日常の足としての短距離走行から(多分メーカーの想定の外の)50~200kmの日帰りライドまでの幅広い用途に同機を酷使している。
私が今までに乗ったことのあるスポーツ自転車は(試乗車を除くと)このモデルだけなので、他の機種との具体的な比較には欠けるレビューになってしまうがご了承願いたい。
●操作性・乗り心地
それまで私が乗っていたママチャリや安物の折りたたみ自転車とは比べ物にならないほど、「非常に良い」。
ハンドルを軽く動かすだけで思い通りの方向に向かって機体が進む。ペダルについても同じことが言え、こげばこいだ分だけの力が推進力に変わるのが分かる。とにもかくにも、ひたすらに素直な機体だという印象だ。
一方で、路面からの振動も「素直に」伝わって来る点には注意が必要(笑)。自分がデフォルトのサドルとグリップで私服で15㎞くらい走ることを考えた場合、尻は大丈夫だが手が振動で大変なことになる。「手が震えてブレーキ操作ができませんでした」なんてことになってはシャレにならないので、安全のためにグローブ装着を強くお勧めしたい(ヘルメットは言うにや及ばず)。
●変速性能
カタログによると、SHIMANOのALTUSを中心に組まれている模様。こちらも総じて非常に素直な変速性能で、ほんの少しギアを変えるだけで即座に反応が帰ってくると快感すら覚える。
ただ私の場合、何かのはずみで突然変速が重くなったり、チェーンが移動しなくなりかけたりした経験がそれなりにある。まあ「使い方が悪い」と言われればそれまでだが…。いずれにせよ、確かな腕を持った自転車屋の手でセッティングや整備をしてもらえるのであれば特に問題はない。気軽に調子を見てもらえるかかりつけの自転車屋を早い段階で見つけて置けると気が楽だ。
●ブレーキ
2014年モデルからMISTRALはSHIMANO製ブレーキを採用。他社の入門クロスバイクの殆どがテクトロ製ブレーキを採用している中で、これは目立つ。
私はMISTRALに乗ってゴーストップの多い都内の道や、裏ヤビツや三陸海岸(釜石~仙台)と言ったアップダウンのある道を走ったことがあるが、その間一度もこのブレーキに不安を感じたことはない。よほど過酷な環境での走行をしないかぎり、命を預けて走るに足るのではないかと思う。
ただし、自分はブレーキを後にDEOREグレードのものに変えてしまった(笑)。これは、デフォルトでついていたブレーキシューが舟型と一体化したタイプで交換が面倒くさかったため。一応整備性と操作性はこの交換で向上したが、決してデフォルトのブレーキの安全性に不満があったわけではないことを強調しておく。
●その他
「敢えて」気になる点に言及すると、ボトルケージ用の穴が一組しかないことがまずある。
あとは(これはMISTRAL以外のクロスバイクにも割と言えることだが)「デフォルトのタイヤが重い」ことだろうか。舗装路しか走らないはずのクロスバイクに、ママチャリのようなスリック付き28Cタイヤを履かせる意味はあるのだろうか…?
ただし上記の点が問題となるのは、いずれも基本的にはロングライド時に限られる。ママチャリからステップアップしてMISTRALに乗リ始めたばかりの乗り手にとっては全く無問題だろうし、仮にそれが問題となる距離を走りたくなってしまったとしてもケージ増設用アダプタの装着やより細いノンスリックタイヤへの換装によって解決を図ることは出来る。
●総評
ママチャリに比べると高いのは事実だが、それだけの価値は間違いなくある素直な機体。
「スポーツバイクに乗ってみたい、買ってみたい」と考えている方に、自信を持っておすすめできる完成車である。
価格評価→★★★★★ (この値段でこの性能。文句のつけようがない)
評 価→★★★★★ (初めて買ったスポーツバイクがこれでよかった)
<オプション>
年 式→ 2014
カタログ重量→ 11.0kg