購入価格: ¥0 ※完成車付属品
標準価格: ¥2,002(2100mm)、¥2,111(2500mm)
『変速性能の高さに大きく貢献するが、ポリマーコーティングが剥がれやすく、抜き取ると再利用はほぼ不可能』
■ ロードバイクに付属していたインナーケーブル
私が乗っているGIANT DEFY1 DISCのメインコンポーメントには105 5800シリーズが採用されている。アウターケーブルこそJagwire製だが、インナーケーブルには「SHIMANO ポリマーコーティングシフトインナーケーブル」が使われていた。私は2月の上旬にデュアルコントロールレバーと同時にインナーケーブルも交換した。使用期間は約5カ月と短いが、レビューしてみたい。
SHIMANO ポリマーコーティングシフトインナーケーブル
■ 摩擦を低減するポリマーコーティング
ポリマーコーティングシフトケーブルは、1本2,000円以上もする高価なケーブルだ。当然、シマノの純正パーツのグレードは「アルティメイト」にあたる。2015-2016モデルでは、DURA-ACE、ULTEGRA、XTRに採用されており、105には採用されなくなった。
インナーケーブルに施されたポリマーコーティングの表面には微細な凹凸があり、摺動面積を少なくすると同時にグリスを保持し、ケーブルの摩擦の低減を目的としている。また、ロングノーズ付きアウターキャップとRD用ノーズが付属することが、他のケーブルとは異なる。
薄い皮膜で覆われたケーブル(左)、ローングノーズ付きアウターキャップ(中央)、RD用ノーズ(右)
■ アウターケーブルが純正でなくても軽い変速操作
ST-5800、FD-5800-F、RD-5800-GSの組み合わせにおいて、私は非常に軽い変速を味わうことができた。特にフロントのシフトアップは感激するほどの軽さだ。変速の軽さにはさまざまな要素が関係しているが、このインナーケーブルも大きく貢献しているのは間違いない。
Jagwireのアウターケーブルには、潤滑剤にシリコングリスが使われておらず、シリコンオイルのスプレーを内部に薄く吹いただけのようだった。もし、シマノ純正のシリコングリス入りアウターケーブル「OT-SP41」が使われていたら、もっと操作が軽くなったかもしれない。
引っかかりのないスムーズな変速。特にフロントのシフトアップが軽い
■ 短期間の使用であっても、再利用はほぼ不可能
デュアルコントロールレバーを交換した際に取り除いたケーブルは、使用期間が短かったので再利用する予定だった。ところが、インナーケーブルを引き抜くと、ポリマーコーティングがズルッとむけたり、ささくれ立ったり、デュアルコントロールレバーの内部に詰まったりした。
いくらなんでもこれでは再利用する気になれない。もし、再利用すれば、ポリマーコーティングがさらにむけたり詰まったりして、シフトレバーの引きが重くなるかもしれない。それ以前に、インナーケーブルを挿入する際に、アウターケーブルの入り口でポリマーコーティングがはがれると思う。何らかの理由でインナーケーブルを引き抜く際には、ケーブルは再利用できないと考えたほうがいいだろう。
なお、ポリマーコーティングインナーケーブルは、使っているうちにアウターケーブルの入り口等でささくれ立ってくるが、約5カ月の使用では変速性能に影響は出なかった。ロングノーズ付きアウターキャップとRD用ノーズは、できるだけポリマーコーティングが擦れてはがれないようにし、スムーズな変速を導いているのだろう。
引き抜いたケーブルの最も傷んだ部分。皮膜は爪でも簡単にはがれるほど弱い
■ オプティスリックシフトインナーケーブルも選択肢のひとつ
105で変速性能と耐久性を両立させたいなら、「オプティスリックシフトインナーケーブル」も選べる。現行の105以下のグレードに付属し、ポリマーコーティングに遜色のない非常に軽い変速を体験することができた。しかも、コーティングが固いので、耐久性も期待できる。
ポリマーコーティングシフトインナーケーブルは、105以下のグレードに使うには高価。しかも、ポリマーコーティングケーブルが剥がれやすく、長期間の耐久性は期待できそうにない。このケーブルはまさに勝負のためのパーツという位置付けであると感じた。
ST-RS505に付属する「オプティスリックシフトインナーケーブル」
価格評価→★★★★★ (完成車に付属するならお得。自分で買うなら星ひとつ)
評 価→★★★★☆ (高性能だが、ポリマーコーティングが剥がれやすい)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー