購入価格: ¥862 (税込)
標準価格: ¥1,404 (税込)
『ケーブルの潤滑に最適。極細ノズルのおかげで、アウターケーブル内に直接スプレーできる』
■ TRP SPYRE-Cの引きの重さの改善のために入手
私が乗っているGIANT DEFY1 DISCには、TRP SPYRE-Cという機械式ディスクブレーキが標準で搭載されている。非常に優れたブレーキだが、引きの重さがちょっと気になったので、ケーブルのフリクションの低減を試みた。
今回、ケーブルの潤滑材には「KURE シリコングリースメイト」を使うことにした。今まではオイルを使っていたのだが、引きは軽くできても、ケーブルのざらつきがブレーキタッチに出やすいような気がしていた。シリコングリースメイトには、ケーブルの繊維の隙間をグリスで埋め、引きの軽さだけでなく、長期間の潤滑や滑らかなタッチを期待した。
KURE シリコングリースメイト (左)、引きの重さが若干きになるTRP SPYRE-C (右)
■ PTFE配合のシリコングリス
KURE シリコングリースメイトは、フッ素樹脂(PTFE)を配合したシリコングリスのスプレーだ。外径約0.8mmの極細ノズルが付属し、指が入らないような箇所にもグリスを充填できる。容量はたっぷり180mlも入っている。
KUREのホームページによると、自転車に関連しそうな用途として「ブレーキ周り、ブレーキ可動部、各種ケーブルやワイヤーの潤滑」とある。大まかには、低負荷〜中負荷の箇所、プラスチック・ゴム製パーツ、温度範囲の広い部位などに向いているようだ。
シリコングリースメイトをスプレーすると、ノズルの先端から白いグリスが出てくる。指で触ってみると、ベタつきが少なくスベスベしており、潤滑性の高さを期待させる。私が以前レビューした「AZ シリコーングリース」と比べると、粘度はほぼ同等かやや低い。
作業性を高める極細ノズル (左)、スプレーすると白いグリスが出てくる (右)
■ 滑らかなブレーキタッチ
インナーケーブルの交換の際には、アウターケーブル内にはシリコングリースメイトをほんのひと吹き。アウターケーブルの内径に対して、ノズルが非常に細いので作業しやすい。インナーケーブルにはシリコングリースメイトを指で薄く伸ばして塗りつけた。なお、グリスが多すぎてもかえって抵抗になると考えて、グリスは少なめに使った。
ブレーキレバーを引いてみると、明らかにケーブルの繊維のザラつきが少なくなり、とても滑らかなタッチになった。引きもわずかに軽くなったが、劇的な改善には至らなかった。というのは、SPYRE-Cの引きの重さは、主にリターンスプリングによるものだったからだ。
SPYRE-Cを使ったのは数カ月だが、その間に引きの滑らかさは持続した。少なくとも、オイルのように早い段階でケーブルの下部に流れて、ケーブルのザラつきを感じるようなことはなさそうだ。
白い色がなくなるまで薄く塗りつけた (左)、アウターケーブルに直接ノズルを入れることが可能 (右)
■ ケーブルガイドやプーリーにも使用
ケーブルの潤滑で好印象だったので、現在はクロスバイクのケーブルガイド、リアディレイラーのプーリーのブッシュの裏側にも薄く塗っている。特にプーリーはシャリシャリとした音が少なくなり、ペダリングが滑らかになった。オイルと比べても回転が重くなった感じはしない。
プーリーに薄く塗ると滑らかに回る ※画像は塗布前
■ 自転車のメンテに便利
KURE シリコングリースメイトは、自転車のさまざまな用途や素材に使えると実感した。シマノのケーブルにもシリコングリス(SP41)が使われていることを考えると、やはり適しているのはケーブルの潤滑だろう。しかも、極細ノズルはアウターケーブル内にグリスを入れるのに便利だ。ただ、このノズルは細すぎて詰まりやすい。もし詰まったら、パーツクリーナー等でグリスを溶かした方がいいかもしれない。
価格評価→★★★★☆ (コストパフォーマンスが高い)
評 価→★★★★★ (ケーブルの潤滑に最適。作業性も良い)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→205g