購入価格 ¥2,193(税込)
冬のライドで、何が一番嫌だなあと思うかと言うと、「寒い」より「冷たく」なることです。
汗をかける部位は運動強度を上げてやれば無理矢理暖かくすることも一応は可能です。ただ、末端は。末端だけはどうしようもないのです。
末端を冷やさないために、いわゆる「身体の”首”と名のつくところを温めなさい」という話になるのでしょう。そのために以前レビューした巻きポカ(
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=13822&forum=66 )的なものも導入しました。が、それなりに手袋を厚くしないと、東北の冬に立ち向かうにはちょっと心もとないのも事実。そして、末端は冷えたら最後、なかなか回復しません。
ライド用手袋として、バイク・スキー・自転車用と言った専用品を使用することはもちろん、軍手 2 枚重ねや貼るホッカイロを握りしめる等々の奇策も試してはみるものの、安全面コスト面から常用するのは難しく、増え続ける手袋たちを見ながら冬は過ぎ去って行ったのでした。
と、言う話を引退した某自転車店主にしたところ、バーミッツはいいぞ、とのお答えが返ってきました。あれかあ…高いのは良いにしてもかっちょ悪いのがなあ…などと逡巡しているときにこちらの記事を見つけました。
わくわくサイクリングさん 「ロードバイクのドロップハンドル防寒対策 ハンドルカバー」
http://strikedog01.blog121.fc2.com/blog-entry-143.html おお…なんかカッコいいじゃん。KOMINE っていえばバイク界隈では有名なメーカーだし、ドロップハンドルもフラットバーハンドルでも使えるとなれば一挙両得じゃないの、と奥様の微妙な反対(要らないでしょー?こんなに手袋ばっかりあってどーすんの!)を押し切ってポチッとな。
取り付けは無加工。直感的に「ああ、ここにハンドル通せばいいのね」とわかると思いますよ。紐は適当に括り付けておいても置かなくてもきっちり固定できています。
早速、これを付けて 200km の平地ブルベに参加してきました。
手には、コストコで買った TYROLIA のランニングGLOVEという、風通しがかなり良いものを使用し、かなり緩いペースで走りました。以下、機能別に切り分けて書いていきます。
■ 防寒性能
今回のブルベで、手が冷たいと感じたことは一切ありませんでした。暑いと感じることもしばしば。防寒性能はこれまでのどんなグローブ・ソリューションより優秀です。暑いと感じた場合にはフラットポジションに手を出せばものの数分で手のほうが冷えてくれます。そのあとまたハンドルウォーマー内に入れればほんのり暖か。ちょうどいい塩梅の暖かさを維持できます。
また、コンビニ休憩などで停止した後でもほんのり暖かいのは持続します。トイレの手洗いで指先が冷えたくらいはものともしません。ピタッとなる手袋と違って
空気の層が存在している
というのはこんなに偉大なことなのか、と感動すら覚えました。
■ 安全性能
やや難があります。開口部に「ジャンパーの袖のような」部位があるのですが、そこに手を入れるときに抵抗があるため、慣れていないともたつきます。コツとしては「外側に向けてずぼっと奥まで手を入れてからブラケットの位置まで手を引き出す」という感じでしょうか。慣れればすぐできます。
ただ、出し入れをすることで時間のラグが発生してしまい、ハンドサインが遅れそうになり、声で対応するシーンは増えてしまいました。これは慣れというか、修行をきちんとしておくべきだと思います。
出し入れに時間がかかるので、いざと言うときにブレーキをかけることが遅れてしまう、というのは大問題ですが、その点についてはあまり問題ありません。ハンドルウォーマーの上からブレーキをかけることが容易にできます。ネオプレーン素材なので簡単に潰れるのです。
■ 操作性能
最高です。厚手のもこもこ手袋だとどうしても手が圧迫されたり、シフトがやりづらかったりブレーキが握りづらかったりするのですが、これを使っている限り厚手の手袋は必要ありません。中は結構な空間があるため、操作に支障をきたすことは全くないのも強みです。
■ 耐久性能
まだ使い始めですが、最初に壊れるとすれば、開口部にある「ジャンパーの袖のような」部位でしょうね。いっそコレを切り取ってもいいのかもしれません。9割以上ネオプレーン素材なので、かなりの耐久性があるとは踏んでいます。後程レポートしますね。
■ 注意点他
1) 透湿素材ではないため、蒸れすぎると結露して冷える可能性はあります。
→ ライド中はそんなことありませんでした。
が、ライドを終えて車の中に一晩おいておいたら内部がちょっとしっとり。
使用後はちゃんと乾かしておかないと不衛生かもしれませんね
2) アホ毛がある STI には使用できません
→ 旧Tiagra など、シフトケーブルがハンドルバーを沿うタイプでないモノには
(無加工では)取り付けできません。
3) バーミッツとどっちがいいの?
→ この製品を使ってみて、俄然バーミッツに興味を持ちました。自分は使ったことがないので
何とも答えられませんが、買うんだったら一気にバーミッツ買ったほうが良い気がします。
(私がこの製品を選んだのは、「フラットバーでも使えるから」が大きな決め手です。)
4) 他に良い点は?
→ 結構空間あいているので、ちょっとだけならものが入れられます。今回は、補給食の
飴の包装ビニールとか入れてました。バックポケットにしまおうと思うと、億劫なうえに、
下手するとゴミが飛んで行ってしまったりしますしね。
その空間を利用して、ホッカイロを入れて空気自体を暖かくするなんてこともできそう。
あと、個人的に、バーミッツよりはカッコいいじゃなーいと思ってます。
長々と書きましたが、これは良いモノです。ですが、バーミッツを買ったほうが幸せになれる人も多そうな気がします。専用品には専用品の良さがあり、価格だけで飛びつくもんではない…とはいえ、安いのは魅力的。
価格評価→★★★★★(← バーミッツの 1/3 だもの)
評 価→★★★★☆(← ポジションによっては合う合わないがありそう。)
<オプション>
年 式→ 2016年
カタログ重量→ 322g