購入価格 ¥1,100位 / 120mℓ
海外での評価がすこぶる高いルブです。私は海外から入手しましたが、国内流通も始まったようなので投下します。
チェーンルブを大別すると、Wet系、Dry系、Wax系に分けられますが、SquirtはWax系です。Wax系で使用したことがあるのはFINISH LINE Kry Tech Wax Lubeだけですが、潤滑性保持の悪さからWax系はチェーンルブの選択肢から外していました。ではなぜSquirtに手を出したかというと、抵抗がかなり少ないというテスト結果があったからです。
そのテスト結果は、こちら、Hunting for speed – Velo news February 2104 (
http://www.squirtlube.com/professionals/VeloNews2014-01.pdf) 。詳細は本文を参照してください。ググれば日本語に要約しているブログもあります。
このテストでは、抵抗(パワーロス)がもっとも少ないのはどれか測定しています。25種類のチェーン・ルブ(以外もあり)でテストを実施。チェーンは入念に洗浄、乾燥。チェーンテンションは60ポンド、ルブをぬって、250Wで1分間負荷をかけ、その後再度ルブをぬって測定。メーカーの指示があるものは、再度ルブをぬってから再測定した。テストは約1分、抵抗レベルが一定するまで実施。
このテスト結果で2番目に良い結果を出したのが、Squirtなのです。えっ、1番じゃないの?と思われるでしょう。1番良い結果だったのはMolten Speed Waxなのですが、これは固形なのです。つまり、加熱溶解してから塗布するという、面倒なことになっていいます。一応、直販から買えそうな雰囲気はあります。使いやすさを考慮すると、本文中にも記載されていますが、このテストの真のヒーローはSquirtなのです。ちなみに、第6位はオリーブオイルがランクインしています。
Squirtの特徴としては、すでに述べた通りWax系です。ですが、ほかのWax系ルブが有機溶剤の溶液であるのに対し、Squirtは水溶液です。そして他製品の濃度が17%程度であるのに対し、36%と高濃度になっています。前述した通り水溶液なので有機溶剤より揮発に時間をかかり、塗布後は一晩おく必要があります。もちをん、最初に塗布する前には完全脱脂も必要です。
チェーンルブを替える際、チェーンとスプロケはやっていたのですが、今回は水溶液ということもあり、チェーンリングとプーリーまで完全脱脂しました。そこまで必要かは分かりません。脱脂後、組み付けた後、チェーンのコマに一滴づつ塗布します。外観/色調は白色の液体でドロドロというほどではなく、しばらくするとチェーンのリンク内に浸透していきます。メーカーの用法としては、拭き取らないとなっているため、拭き取らず全周に塗布後放置します。数時間経つと、あらかた乾燥していそうですが、用法通り一晩放置しました。
そして実走ですが、潤滑性はすばらしいと思います。チェーンの音鳴りもなく、変速も問題ありません。プラシーボ効果とは思いますが、何となく軽いような気がします。1回の塗布で最長は300km程度までしか走っていませんが、潤滑の耐久性に問題はありません。メーカーとしては約480-640km持つと言っているので、それ位は大丈夫じゃないかと思います。走った後のチェーンの状態ですが、Wet系でよくある真っ黒になる、黒い汁が飛び散るなんてことはありません。しかし、チェーンについているWax(蝋)がうっすら黒くなり、カスがたまった状態です。ウェスで拭き取ろうとしても、蝋状なので取りきれません。チェーンが汚いとは言えませんが、ピカピカにしておきたい人には向いてないかもしれません。そのまま再塗布すると、ちゃんとリンクの中に染み込んでくれます。しかし、Wax分がどんどん溜まっていくので、何となく嫌な気分です。まだやっていませんが、ある程度のところでデグリーザー+ブラシで綺麗にしたいところです。
総評としては、結構良品といったところでしょうか。
値段は高くなく、潤滑性能は素晴らしく、致命的な汚れは発生しませんから。ただWax特有のカスだけが嫌なところです。このルブは、ケミカルマニアにはおすすめします。用法など一般的ではないので、素人にはおすすめできないかな。
価格評価→★★★★☆
評 価→★★★★☆