購入価格: ¥3,412 (税込)
標準価格: ¥3,412 (税込)
『グリップ力が高い。快適性の高さは巻き方次第。フォームパッドは柔らかすぎないので、薄く巻けばダイレクト感も残せる』
■ 快適性を重視して” PERFORMANCE Tacky”を選択
私が所有する「GIANT DEFY1 DISC」には、2.5mm厚でゲル入りのバーテープが巻かれている。フカフカの握り心地で快適性が高く、上半身の疲労軽減に貢献してくれた。だが、デザイン面では何の特徴もないし、汚れが目立ちやすいので、他のバーテープに交換することにした。
私はエンデュランスバイクであるDEFY1 DISCに合わせて快適性を重視し、3mm厚の「FIZIK BAR:TAPE PERFORMANCE Tacky」を選択。「Tacky」のブラックを選んだのは、性能面での特徴に魅かれたわけではなく、単に半光沢のブラックがきれいだと感じたからだ。
FIZIK BAR:TAPE PERFORMANCE Tacky ブラック
■ 3mm厚とハイグリップが特徴
FIZIK BAR:TAPE PERFORMANCEシリーズは、裏面にフォームパッドを配置することで、従来の2mm厚のバーテープよりも振動吸収性を高めたものだ。表面仕上げの異なる「Classic」「Soft Touch」「Tacky」の3種類がラインナップされている。Tackyはグリップ力を重視した仕様で、ClassicやSoft Touchよりも高価である。4色のカラーバリエーションが存在するが、ブラックとホワイトよりもさらに高い。
化粧テープ、バーエンドキャップ、説明書が付属する
■ 柔軟性・伸縮性があって巻きやすい
PERFORMANCE Tackyは、とても巻きやすいバーテープだ。素材に柔軟性と伸縮性(少し伸びる程度)があるので、ドロップハンドルの大きく曲がった部分に巻いてもシワが寄りにくい。強く引っ張っても切れにくいし、伸びきってバーテープにシワができることもない。
同ブランドの「SUPER LIGHT Classic」や「SUPER LIGHT Glossy」に比べると、伸縮性・柔軟性で勝るPERFORMANCE Tackyの方がシワが寄りにくく断然巻きやすい。
久しぶりにバーテープを巻くと巻く向きやブラケット周辺の処理などを忘れてがちだが、付属の説明書にはバーテープの巻き方が載っており、今回はスムーズに作業することができた。また、ロゴのエンボス加工や穴あき加工、縫い目は、バーテープをほぼ等間隔の幅できれいに巻くことに利用できる。
説明書にバーテープの巻き方が載っている
■ ブラックはゴムのような質感
このバーテープの厚みは3mmだが、強く引っ張りながら1/3ずつ重ねて巻いたところ、ハンドルバーが太く見えないように仕上げることができた。GIANTの2.5mm厚のバーテープを1/2ずつ重ねて巻いた方がよっぽど太い。3mm厚のPERFORMANCE Tackyは、巻き方次第でハンドルバーを太くも細くもできる。
バーエンドキャップや化粧テープに加え、バーテープ自体にもロゴがあり、フィジークのサドルと合わせて使うと満足感が高まる。縫い目のラインは離れた位置から見ても目立ちやすく、ハンドルバーの良いアクセントにもなる。
だが、パッケージから露出したバーテープで質感を確認してから購入にもかかわらず、実際に巻いてみると自分のイメージとは異なるものだった。PERFORMANCE Tackyのブラックはゴムのような質感をしており、悪く言えば自転車のチューブを直接巻いたかのようだ。
目が慣れてきて「これもありかな」と思うようになり、とりあえずはこれでも満足している。ただ、「ALIANTE R3 k:ium 」のスエード調の素材に合わせて、「PERFORMANCE Soft Touch」を選んだ方がよかったかもしれない。
1/3ずつ重ねて巻いたPERFORMANCE Tacky (左)、ハンドルバーが太く見えないように巻くことができた (中央)
バーエンドキャップのロゴにはスコッチカルを貼り付けた (右)
■ まさに”吸い付くようなハイグリップ”
PERFORMANCE Tackyは、グリップ力が高くて滑りにくいバーテープだ。まさにメーカーがうたっているとおり「吸い付くようなハイグリップ」であり、SUPER LIGHT Classicよりもはるかに滑りにくい。このグリップ力には、ロゴのエンボス加工や穴あき加工もさることながら、ゴムのような質感の素材が大きく影響している。
素手で握っても高いグリップ力を得ることができ、下ハンを持って強く踏み込むような場合でも確実にハンドルバーを保持できる。最初はグリップ力が強すぎると感じたのだが、使っているうちにハンドルバーの握る場所を変えるのに十分なスムーズさも出てくる。
ゴムっぽい質感が高いグリップ力を生み出す
■ 思ったほど柔らかくはないが、快適性は十分に高い
このバーテープに性能面で最も期待したことは、柔らかい握り心地と振動吸収性による快適性の高さだ。だが、実際に使ってみるとフカフカの握り心地というわけではなく、ハンドルバーの硬さやダイレクト感を残しつつ、わずかに柔らかいという程度だった。
これはバーテープを1/3ずつ重ねて巻いたことが大きく影響しており、バーテープを巻いたハンドルバーの太さが、そのまま握り心地につながってしまった。ダイレクト感と柔らかさを両立するならこれでもいいが、快適性を重視するなら1/2ずつ重ねて巻くべきだった。もしかしたら、強く引っ張ったことも影響しているかもしれない。
また、フォームパッドは水泳のビート板に使われるようなスポンジでできており、ゲル入りのバーテープほど柔らかくはない。1/2ずつ巻けば快適性は高まると思うが、おそらくフカフカな握り心地にはならないと思う。柔らかい握り心地にするには、同じくフィジークの「BAR GEL 2」を併用する必要がありそうだ。
幸いなことにDEFY1 DISCのわずかにベントしたカーボンフォークなら、この巻き方でも細かい振動をカットすることができ、十分に高い快適性を得られる。だが、ロングライドでの快適性を求める場合は、もっと柔らかいバーテープを厚めに巻いた方がいいかもしれない。
フォームパッドは硬めのスポンジのような材質 (左)、上の部分だけでも1/2ずつ巻けばよかったかもしれない (右)
■ 洗車できれいになるが、乾くのが遅い
PERFORMANCE Tackyのブラックは、ホワイトのバーテープほど汚れは目立ちにくい。グリップ力は高くても、粘度が高いわけではないので、砂埃などを引き寄せる心配はない。使っているうちに白くくすんだ色になってくるが、洗車や水拭きをすればきれいにできる。
このバーテープは吸水性が非常に高く、洗車してから乾燥するまでに長い時間がかかる。吸水クロスでぬれたバーテープを握っても、すぐに乾燥するわけではない。だから、走行前の洗車はあまりオススメできない。走行中にグローブがビショビショにぬれてしまうからだ。なお、吸水した状態でもグリップ力の高さは保たれているようで、雨天走行で手を滑らせる心配はなさそうだ。
■ グリップ力が高く、ダイレクト感を損なわない柔らかさ ※1/3重ねて巻いた場合
FIZIK BAR:TAPE PERFORMANCE Tackyは、グリップ力の高さが際立っている。適度に硬さも感じられるフォームパッドのおかげで、ダイレクト感を損なわずに、柔らかい握り心地と振動吸収性を備えている。このバーテープでさらに快適性を高めたいなら、1/2程度重ねて厚めに巻いたり、同ブランドの「BAR GEL 2」のような緩衝材を併用する必要があると思う。
個人的には、ブラックのゴムのような質感がちょっと残念だが、PERFORMANCE Tackyが優れたバーテープであることには間違いなく、それなりに高い満足感を得ることができた。当分はこのバーテープを楽しむつもりだが、ロードバイクで遠くに行く機会が増えたら、さらに快適性を重視して巻き方やバーテープを変えてみるつもりだ。
PERFORMANCE Tackyを巻いたGIANT DEFY1 DISC
価格評価→★★★☆☆ (fi’zi:kのバーテープの中では高価だが、握ってみると納得できる性能)
評 価→★★★★☆ (私が想像したような柔らかさではないが満足。ゴムっぽい質感がちょっと残念)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー