購入価格: ¥4,968 (税込)
標準価格: ¥4,968 (税込)
『Blinder 4シリーズの明るさはそのままに、主に取り付け方法が改良されたモデル』
■ Blinder 4 Circleの代わりに手に入れたライト
私はシングルスピードのリアライトに「Knog Blinder 4 Circle」を使っていたのだが、ある日突然シリコンバンドが切れて、シートポストから部屋の床に落ちてしまった。フロントもKnogのライトを使っていたため、見た目の相性を優先して、今度もKnogの他のリアライトを使おうとしたが、どのモデルも取り付け方法が全て同じなので断念した。
その後、しばらくしてKnogの2016年モデルの情報を入手。リアライトは大きさの異なる3つのシリコンバンドが付属すると知り、リリースとほぼ同時に購入した。私が手に入れた「Blinder MOB KID GRID」は、Blinder 4 Cirlceの明るさをそのままに、取り付け方法がしっかりと改良されたモデルだ。
Knog Blinder MOB KID GRID
■ 照射角度に特化し、取り付け方法も進化
Knog Blinder MOBシリーズは、デザインによって照射角度が異なる。私が手に入れた「KID GRID」は照射角度が90度だが、「MR CHIPS」という照射角度が120度のモデルもある。Blinder 4シリーズのようにフェイスカバーがアルミで覆われなくなった代わりに、盤面がリフレクターになり、ライトがオフでも安全に貢献するようになった。
Blinder 4シリーズとの大きな違いは、シリコンバンドによる取り付け方法が改良されたことで、これが私の購入の動機になっている。大きさの異なる3種類のシリコンバンドが付属し、本体からシリコンバンドを着脱・交換可能。また、エアロシートポストなど、丸断面以外の形状にも取り付けられる。
大きさの異なる3種類のシリコンバンドが付属 (左)
モデルによって照射角度が異なる。KID GRIDの照射角度は90度 (右)
■ シンプルだが、Knogにしては地味なデザイン
Blinder MOBにおいても、Knogらしい優れたデザインは健在だ。Blinder 4シリーズと同様に、アルミ、ポリカーボネート、シリコン、ステンレスなどの異素材の組み合わせで、ライトの質感を高めている。だが、前述のようにフェイスカバーで覆う部分が少なく、カラーバリエーションも少ないので、地味になった印象は否めない。
また、クリップの材質はステンレスから樹脂製に変更されたため、Blinder 4シリーズよりも若干質感が劣る。シリコンバンドがライト本体から着脱可能になったことに伴うデザインの劣化はなく、Knogらしいすっきりした取り付けを実現している。私が選んだKID GRIDのブラックは、どんな自転車でも無難に合うライトといった感じだが、私のシングルスピードやロードバイクのルックスには大きく貢献している。
異素材の組み合わせによって質感を高める。地味だが盤面のリフレクターが安全を高める (左)
シングルスピードやロードバイクとの外見の相性は良好 (右)
■ 後方の広範囲にアピールできる明るさ
ライト出力の44ルーメンは、Blinder 4 Circleと同様。照射角度の90度もおそらく同じだ。実際に使ってみると期待通りの明るさで、自転車の後方を真っ赤に照らしてくれる。最も明るく点灯する「Steady Highモード」となら、後続の自動車にも強いアピールになるし、真っ暗な場所でもかなり目立つ。時間帯や走行時間によっては、弱めに点灯する「Steafy Lowモード」を使用するが、これでも十分に明るい。他には3種類の点滅モードがあるが、私は基本的に点灯でしか使わない。
後方に存在を強くアピールする”Steady” Highモード” (左)
”Steady Lowモード”は街灯のある市街地では十分な明るさ (右)
※川の土手で撮影
■ フルパワーでは長持ちしない
連続点灯時間は、Steady Highモードで2.5時間、Steady Lowモードで5.6時間、Eco Flashモードという点滅モードで58時間だ。ロードバイクで調子に乗って遠くまで行った際にも、これらのメーカー公称値を頭に入れていたおかげで、フル充電からバッテリー切れになったことはない。時間帯や走行時間、残りの走行距離によってモードを使い分ければ、バッテリーに関しては心配ないと思う。Steady Highモードは短距離・短時間に限られるが、未だに走行距離が短めの私には十分使いやすい。
少し離れた位置から撮影した”Steady” Highモード”。連続点灯時間に余裕があれば、このモードを優先して使っている
■ USB端子は折りたたみ式ではなくなった
Blinder MOBは、Blinder 4シリーズのようにUSB端子が折りたたみ式ではなくなった。USB端子は剥き出しだが、シリコンバンドのクリップを支える板としても機能しており、部品点数を減らすことにも貢献する合理的なデザインだ。
私はライトの充電はiMacのUSB端子やiPhoneの充電器から行っているが、USB端子が剥き出しになっても全く使いにくくはない。充電中はインジケーターが赤に点灯し、緑に点灯すると充電完了。私はいつも寝る前に充電しており、具体的な充電完了時間は分からないが、メーカーいわく4〜5時間で終わるとのことだ。
剥き出しのUSB端子は、ステンレスクリップを支える台としても機能 (左)
充電は4〜5時間を見ておけばいい (右)
■ 改良された取り付け方法
【サイズに迷ったら小さい方のシリコンバンドを使う】
シリコンバンドはS(22-27mm)、M(27-32mm)、L(32mm以上)の3つが付属し、取り付ける部分の大きさに応じてシリコンバンドが選べるようになった。私は27.2mmのシートポストにはMサイズを使用している。Sサイズでも取り付け可能だが、シリコンバンドが強く伸びる。シリコンバンドが切れないようにするために、サイズに迷ったら伸びが小さいサイズを使ったほうが無難。これでも固定力は強い。
外径27.2mmのシートポストにはMサイズを使用
【GIANTの独自規格”D-FUSE シートポスト”にも装着可能】
シリコンバンドはライト本体とクリップの両方から着脱可能で、複数台の自転車でひとつのライトを使い回すこともできる。しかも、シートポスト径に合わせて、無理のないサイズを選べる。ライト本体にはくぼみがあり、エアロシートポストにも対応。GIANTの独自規格のD型断面形状の「D-FUSE シートポスト」にも装着できた。ライトとシートポストの間には隙間があるが、意外にしっかり固定できている。
GIANTの独自規格”D-FUSE シートポスト”にも装着可能。これにもMサイズのシリコンバンドを用いた
【その他の変更点】
尚、Blinder 4シリーズのリアライトでは、視認性をアップするために上向きに角度がついていたが、Blinder MOBでは廃止された。これはライト本体をフロントと兼用してコストダウンを狙ったためと思われるが、私はシリコンバンドの伸びの不均一を招く原因にもなったと考えている。また、樹脂製のクリップもコストダウンに貢献していると思うが、Blinder 4 Circleのシリコンバンドが切れた感じでは、ステンレス製のクリップがゴムに食い込んで切れる原因になった可能性もありうる。
Blinder 4シリーズのように上向きに角度はつかない。ステンレスクリップも廃止された
■ シリコンの部分は相変わらず汚れやすい
Blinder MOBのシリコンの汚れやすさは他のKnog製品と同様だが、シリコンの部分が少ないおかげで目立ちにくくはなっている。ただ、砂埃が付着してくすんだ感じになるのはみっともないので、私はマイクロファイバータオルで水拭きしている。このライトは100%防水とのことなので、軽く洗うくらいなら大丈夫だろう。
■ 取り付け方法の改良を実感
Knog Blinder MOB KID GRIDは、デザイン面とカラーバリエーションの少なさではちょっと残念だが、取り付け方法の改良をちゃんと実感することができた。現在は2台の自転車で使い回しているが、シリコンバンドが切れることもなく使えている。Blinder 4 Circleで悲しい思いをしただけに、今回は満足感が高い。Blinder MOB KID GRIDは、デザインと明るさを両立するライトとしてはよい選択だと思う。
価格評価→★★★☆☆ (細かい部分でコストダウンされ、以前のモデルより安くなった)
評 価→★★★★☆ (十分な明るさと改良された取り付け方法を評価。デザインとカラバリで減点。星4.5個)
<オプション>
年 式→2016年
カタログ重量→35g