SHIMANO FC-RS500

購入価格 完成車付属(標準価格￥11129)

SHIMANOのウェブページでも日本語のページだと見つけることの出来ない11s対応クランクセットである。
EUページだと一番下の方にあるこれだが、幾つもの「オンリーワン」を備えている。
例えば、
11sロードで唯一の5アーム
11sロードで唯一のツーピース
11sロードで唯一のノーネーム
と、なかなか特徴的なのだ。
特に特徴といえるのが「110PCD５アーム」だと思う。
105以上はおろか、TIAGRAですら4アーム化された現在、このクランクは「様々な遊び方」ができそうだ。
例えば、気軽に「ストロングライト」を試してみたりとか、逆にROTORのクランクを試してみたりとか…
他にも、チェーンリングボルトでカラーコーデとかも今までの5アーム同様に可能だ。
しかも、なにげに4600系TIAGRAよりも安かったりするので、お手軽11sクランクとして魅力は十分だ。



ノーネームなので「SHIMANO」ロゴが入るシンプルなデザインだが、奇抜なデザインよりむしろ好感が持てる。
ブラック以外にも見たことすら無いがシルバーもあるらしい。

しかし、クランクがクランクであるかぎり重要なのはデザイン云々よりも
剛性と変速性能
だと思う。

剛性については私の貧脚では柔いイメージは全く無かった。
まぁ、シマノだし、そこは大丈夫だろう。
そして変速性能もかっちり、リニアに決まってくれる。さすがシマノ。
十分な性能だと思う。

…いい子なんじゃないのか？もしかして…
軽いクランクセットを望む場合以外は、それほど悪い選択肢ではないイメージだ。
とはいえ、重さはカタログに乗ってなかったり、基本完成車付属パーツという立ち位置なのだろう。
気になるところは後は耐久性だと思うが、歯の塗装が大分落ちてきている。
ただ山が削れているわけではないので、何も問題はない。

安くて遊べて機能は十分。値段以上の価値はありそうだ。

価格評価→★★★★☆(標準価格での評価。11sで最安値）
評　　　価→★★★★☆(非レース派なら色々遊べて面白い）
＜オプション＞
年　　　式→2014
カタログ重量→不明

購入価格: 完成車付属品
標準価格: ￥11,129 (税込)

『主に完成車に付属する11速用クランク。FC-5800には及ばないが十分な性能』



■ デザインが好みではないので早々に交換
私の3台目の自転車「GIANT DEFY1 DISC」は、メインコンポーネントに「SHIMANO 105 5800シリーズ」が採用されているが、完成車の販売価格を下げつつメーカーのコストダウンを果たすために、「FC-RS500」というグループ外コンポーネントのクランクセットが使われている。デザインが好みではなかったので、早々にFC-5800に交換したが、FC-RS500の印象についても触れておきたい。


SHIMANO FC-RS-500 50-34T 172.5mm





■ 主に完成車に付属する11速対応クランク
FC-RS500は、シマノのリア11速に対応した2ピースクランクセットで、クランク中央付近のSHIMANOロゴが、グループ外コンポーネントであることを感じさせる。シマノラインアップチャートによると、このクランクは105 5800シリーズと組み合わせることが想定されている。

主にメーカーの完成車向けに作られたと考えられるクランクセットで、GIANTの2015年や2016年モデルのロードバイクにも多く採用されている。GIANTの完成車にはFSAなどのクランクが採用されていたことが多かったようだが、シマノが他社に対抗して、低価格で互換性と十分な性能を持つクランクを出したというところだろう。

もちろん、単体で購入することもでき、FC-5800のように上位グレードを踏襲したテクノロジーが採用されていない代わりに、リーズナブブな価格になっている。歯数は52-36T、50-34T、46-36Tの3つから選択可能で、46-36TはFC-5800には存在しないコンビネーションだ。

外見上の大きな特徴は、前世代的な5アームクランクのデザインで、ロード用クランクとしての目新しさは全く感じられない。Qファクターは150.3mmとFC-5800よりも4.3mmも広い。P.C.Dは110mm。ブラックとシルバーの2色から選べる。

　　
FC-RS500は完成車に付属することが多い (左)
グループ外コンポーネントらしくSHIMANOロゴ (中央)
裏側が肉抜きされた2ピースクランクセット (右)





■ 最新のフレームやコンポのデザインにはマッチしない
個人的には、FC-RS500のデザインが少々残念だ。105 5800シリーズにマッチした外見とはいいがたく、最新のロードバイクのデザインとの組み合わせではもっさりした雰囲気になってしまう。ただ、クラシックな雰囲気のフレームには、シルバーのFC-RS500を選べば、外見を損なうことなく最新の11速を楽しめそうな気がする。

　
FC-RS500も悪くはないと思うが、FC-5800のデザインのほうが洗練された印象 (左)
同じ2ピースクランクセット、キャップレスデザインでもFC-T611とはずいぶん雰囲気が異なる (右)





■ FC-5800には若干及ばないが十分な性能
105 5800シリーズとの組み合わせでは、剛性感や変速性能は十分に満足できるレベルだ。変速はチェーンがKMC X11Lであっても問題ない。DEFY1 DISCのクランク周りの剛性感は、主にプレスフィットBBのフレーム構造が効いているが、このクランクも十分な剛性感に関係しているはず。これならロードバイクを始めたばかりの人が、少なくとも物足りなさを感じることはないだろう。

FC-5800と比べると、強い踏み込みでの剛性感ではやや劣る。変速性能もFC-5800の方がスムーズかつ正確で安定している。これらはホローテッククランクだけでなく、裏側が肉抜きされたアウターギアが相当影響しているようだ。重量ではFC-5800の圧勝。FC-RS500が801g(172.5mm)であるのに対し、FC-5800(170mm)は732gと69gも軽い。尚、クランク長の違いによる使用感の差はあまり感じなかった。


DEFY1 DISCとの組み合わせなら、このクランクでも十分な剛性感





■ 低価格の割によくできたクランク
FC-RS500は、ロードバイクを楽しむのに十分な性能を持っているクランクだ。このクランクが付属する完成車を選ぶ際に、剛性感やフロントの変速などの性能面については、特に心配する必要はない。FC-5800のようなクランクの最新のデザインとテクノロジーを楽しむことはできないが、性能の大幅な低下を伴わずに完成車の販売価格を下げるという意味ではとても優秀。見た目が気になるならFC-5800を選べばいいし、気にならないならFC-RS500でも満足できる性能だと思う。


FC-RS500がFC-5800に大きく劣るというわけではない



価格評価→★★★★★ (完成車付属品としての評価。単体購入なら星3〜4つ)
評　　価→★★★★☆ (見た目は少々残念だが、性能は悪くない)
<オプション>
年　　　　式→2015年
重 量→807g (50-34T、172.5mm)