購入価格: ¥420 (税込) ※ナイロンオックスは10cmで140円
『色あせたGIRO REVERBのバイザーをリメイク』
■ ヘルメットに合わせて、バイザーもリメイク
私は「GIRO REVERB」という、クラシックなデザインが特徴の街乗り向けヘルメットを愛用している。一時は使用感が目立つようになったが、塗装やスコッチカルによる装飾でリフレッシュし、今もサイクリングで大活躍している。
ただ、ヘルメットはきれいになったが、付属のバイザーもまた使用感が目立つようになった。度重なる洗濯や直射日光の影響で、色落ちしてしまったためだ。そこで、リフレッシュしたヘルメットに合わせて、バイザーもリメイクすることにした。
GIRO REVERB。黒い生地のバイザーをリメイクする (左)
リメイクしたREVERB。バイザーもこれに合わせてリメイクする (右)
■ リメイクの作業の流れ
生地はナイロンオックスを使用する。これは以前投稿した「自作 サドルカバー」で使った生地と同じものだ。実はREVERBのバイザーのリメイクを思いついたのは、生地が余ったからだ。糸も太めのナイロンを使用する。生地は全てミシンで縫い合わせ、バイザーの芯は再利用することにした。具体的な方法は以下のとおりだ。
ナイロンオックスはユザワヤで手に入れた
① つばの部分をパッドから外す
REVERBのバイザーは、額のパッドの部分につばが縫い付けられている。リッパーで糸を切りながら取り除けば、パッドからつばを外すことができる。
リッパーを使えばスムーズに外せる
② 芯から生地をはがす
つばの生地は2枚の生地を縫い合わせたものになっており、そこに硬い芯が入っている。芯は接着剤で貼り付けられているので、手で生地をはがして取り除く。
手で生地を芯からベリベリと剥がす
③ 芯の接着剤を除去する
今回のリメイクでは、バイザーの芯を再利用することにした。そのために、接着剤をパーツクリーナーできれいに除去する。芯の材質は不明だが、何らかの樹脂だ。素材への攻撃性の低いパーツクリーナーを使えば、芯を溶かすことなく接着剤を取り除くことができる。ただし、パーツクリーナーのかけすぎは禁物だ。
接着剤をパーツクリーナーできれいに取り除く
④ 型紙を取る
芯まで取り除いた段階で、バイザーは2枚の生地を縫い合わせ、その中に芯を入れて作ることに決定した。縫い代は外側に7mm程度に設定した。
REVERBのバイザーのリメイクにおいて、重要になるのがパッドに縫い付ける方法だ。元のバイザーは、業務用の強力なミシンで、硬い芯ごと生地を縫い付けてある。私の家にあるミシンにはそんなパワーはないので、芯を縫うのではなく、縫い代の根元をパッドに縫い付けることにした。もちろん、芯の穴に手縫いで糸を通してもいいだろう。
芯から型紙をとった状態。まだ縫い代は書いていない (左)
元の生地の縫い代の大きさを参考にした (右)
⑤ 生地を裁断する
型紙を生地に当て、チャコペンで形を書き写した後に生地を裁断する。縫い代の部分をフリーハンドで書いておくと、縫い付ける際に楽になる。生地は同じ大きさのものを2枚裁断する。
縫い代と書いた型紙と、裁断する前の生地
⑥ つばの部分を縫い合わせる
チャコペンで書いた方を表にして、2枚の生地のつばにあたる部分を縫い合わせる。コツは芯の厚みを考慮して、少し外側を縫うことだ。こうすることで、後で芯をすっぽり入れることが可能になる。
縫い合わせる前の生地。ミシンをかける前にしつけ糸で縫い合わせておく
⑦ 縫い合わせた生地をひっくり返し、アイロンをかける
縫い合わせた生地をひっくり返すことで、縫い代と縫い目が中に隠れて目立たなくなる。さらにアイロンをかければ、塗った部分にしっかりと折り目をつけることができる。アイロンは低温に設定し、当て布をしながらかけること。
アイロンで折り目をつける
⑧ 芯を入れて、生地を縫い合わせる
縫い合わせた生地の中に芯を入れ、芯が中で動かないように、芯のギリギリ外側を縫い合わせる。このときも、事前にしつけ糸で縫っておいた方が楽だ。尚、今回は芯を接着剤で貼り付けるのはやめている。ナイロン生地の繊維の隙間から接着剤がはみ出す可能性が高いからだ。
しつけ糸で縫った状態。芯のギリギリ外側を縫う
⑨ つばをパッドに縫い付ける
最後に、つばをパッドに縫い合わせれば完成だ。尚、強度を確保するために、縫い代の根元は三重に縫っておいた。
リメイクが完了したバイザー
■ 反省点はあるが満足感は高い
約5ヶ月使っているが、使用頻度が高いにもかかわらず、パッドから生地が外れることもないし、つばが下に垂れ下がることもない。真夏の直射日光で色落ちすることもなく、ネットに入れて洗濯することもできた。ヘルメットの差し色に合わせた好みのカラーで、耐久性も高いバイザーが作れたので、とても満足している。これでREVERBのリメイクは全て終了だ。
ただ、接着しなかったためか、裏側に少しシワが寄ったのはちょっと残念だった。帽子用の「接着芯」を使ってリメイクしてもよかったかもしれない。REVERBにはバイザーの付いていないパッドも付属しているので、いつかこれを使って、より完成度の高いバイザーを作ってみたい。同様の方法でバイザーのないヘルメットにも、バイザーを自作して取り付けることにも、機会があればチャレンジしてみたいと思う。
ヘルメット本体とバイザーのリメイクが完了したREVERB
価格評価→★★★★★ (生地は安く手に入る)
評 価→★★★★☆ (粗い部分もあるが、満足感の高いリメイクができた)