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[ROAD] GIANT DEFY1 DISC


 
LZPT2IB  2015-10-31 15:47
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[ROAD] GIANT DEFY1 DISC (2016)

購入価格: ¥167,400 (税込)
標準価格: ¥167,400 (税込)

『快適性と走行性能のバランスを高いレベルで実現。特に振動吸収性の高さは驚異的』



■ 3台目はディスクロード「GIANT DEFY1 DISC」
私はクロスバイクとシングルスピードに乗り続けてきたが、カスタムもほぼやり尽くし、ウェアやバッグなど必要なものもひととおり揃った。それでも新車を手にいれるつもりはなかったのだが、GIANTの2016年モデルの発表で一気に気持ちが動いた。私が3台目に選んだ自転車は、「GIANT DEFY1 DISC」というエンデュランス系ロードバイク、いわゆる「ディスクロード」と呼ばれる種類の自転車だ。

DEFY1 DISCは、2016年のニューモデルで、アップライトな姿勢と振動吸収性の高さによる快適性を目的とした新型フレームに、制動力に定評があるデュアルピストン式メカニカルディスクブレーキ「TRP SPYRE-C」を搭載する。メインコンポーネントは「シマノ 105」だ。

DEFY1 DISCの購入の動機は以下のとおりで、今までより自転車の楽しみ方を広げたいという気持ちが形になった。そして、今回は前回の2台と同じ価格帯の自転車は避けた。パーツに満足できず、下手をするとフレーム以外が総取り替えになりかねないからだ。

・ロードバイクとディスクブレーキの両方を試したい
・平地の舗装路を中心に走るが、路面・天候・距離・傾斜を幅広く楽しみたい
・長距離、長時間の走行が苦痛にならない
・GIANTの数々の新機軸や高性能なフレーム・パーツを体験したい
・鮮やかなカラーリングと洗練されたデザイン
・アルミフレーム ※カーボンフレームの扱いが怖い

今月納車したばかりのDEFY1 DISCだが、いつものサイクリングコースで繰り返し走ることにより、クロスバイクとシングルスピードの違いをはっきりと実感した。久々に100kmを超えるロングライドにも挑戦。ロードバイクの新鮮さもあって、多くのインプレッションを得ることができた。いつもより長いレビューになってしまったが、DEFY1 DISCやディスクロードを検討している方の助けになれば幸いだ。


GIANT DEFY1 DISC Mサイズ(500mm)






■ フレームの仕上げが美しい
GIANT DEFY1 DISCのルックスは私の好みだ。前三角とフロントフォークにボリュームがあり、快適性を重視したとは思えないような力強さを醸し出している。ホイールのリムハイトは30mmだが、リムにブレーキ面がないので、黒いタイヤと相まってリムハイトがさらに高く見える。ディスクブレーキのメカメカしさもクールな外見に貢献している。


DEFY1 DISCは意外にボリューム感のあるルックス

スポーツカーを彷彿とさせる近未来的・都会的なデザインは、私の購入の決め手になった要素のひとつだ。特に塗装の質感が素晴らしく、パールがかったブルーが光の加減で変わって美しい。目立つ部分の溶接も十分きれいで、見た目の満足感は非常に高い。一方、4アームではないクランクやチープ感のあるサドルやステムは、外見上のマイナスポイント。これらは機を見て交換したいところだ。

 
パールがかったブルー (左)、十分なめらかな溶接 (右)






■ 最大の特長は快適性の高さ
DEFY1 DISCの最大の特長は、圧倒的な快適性の高さだ。これは乗り出した瞬間からすぐにわかる。アスファルトの細かい凹凸による振動すらなくなり、非常にラグジュアリーな乗り心地を実現する。タイヤを低圧にした乗り心地とはまるで別物。空気圧MAXでも非常に快適で、アルミが硬いといった素材の先入観を良い意味で裏切ってくれる。

この自転車が最もエキサイティングになるのが、荒れた路面での高速巡航だ。これまでは身構える必要があった荒れた路面でも、DEFY1 DISCならスピードを緩めずに走破できる。大きなくぼみや段差でもないかぎり、尻を浮かす必要もないし、ハンドルを取られることもない。荒れた路面を走りたくなるのは、私にとって新しい自転車の楽しみ方だ。

久しぶりの100kmを超えるロングライドでは、不快な振動が体力の消耗を抑え、終盤の手や尻の痺れを軽減してくれることを実感。このあたりはさすがエンデュランスバイクといったところだ。


千葉県野田市にある「関宿城」までロングライド

快適性の恩恵は、短い距離を比較的高いスピードで走るときにも受けることができる。汗をびっしょりかくほどスピードを出しているはずなのに、不思議と息は切れないし、心拍数もいつもより低く抑えられている。路面の不快な振動による体力の消耗を防ぎつつ、体力をスピードを出すことに集中できると感じた。

DEFY1 DISCの驚異的な快適性の高さは、主に振動吸収性によってもたらされる。フレーム形状では、平たいトップチューブと極薄のシートチューブが特徴的で、これらがリアの突き上げの軽減に一役買っている。これに加えて、GIANTの独自規格の「D-FUSE シートポスト」が振動吸収性に大きく貢献する。D型の断面によって、前後にしなって振動をさらに減衰。荒れた路面でリアが跳ねているのに、それがサドルまで届かないといった印象を受けた。

  
扁平なトップチューブ形状(左)、極薄のシートチューブ(中央)、GIANTの独自規格「D-FUSE シートポスト(右)

フロントフォークはAdvancedグレードのカーボンフォークで、太めのストレートフォークのように見えるが、わずかにベントしている。このフォークの振動吸収性もまた素晴らしく、手の痺れをかなり軽減してくれる。これはアルミフォークでは味わえなかった感覚だ。


Advancedグレードのカーボンフォーク(アルミコラム)

他にもアップライトな姿勢を実現するトップチューブの長さ、700×25Cのタイヤ、2.5mm厚のバーテープ、クッション性の高いサドルなど、徹底的に快適性を重視した構成になっている。






■ エンデュランスバイクの先入観を払拭する高い剛性感
いくら快適性が高いといっても、フレームが柔らかければ踏んでも進まないし、ロードバイクの面白さを損なってしまうはずだ。その点、DEFY1 DISCにはもっさり感は全然なく、踏んだだけ進んでくれる。快適性と剛性を両立させた性能は、まさに私の期待どおりだった。

特に際立つのがBB周辺の剛性の高さだ。これはフレーム内にボトムブラケットを圧入する「POWERCORE(BB86)」が大きく貢献している。踏み込むとクランク周りが、私のクロスバイクやシングルスピードよりも明らかに硬い。2台とも2ピース構造のクランクを取り付けているが、クランクの交換だけでは実現できない剛性の高さを感じた。ちなみにDEFY1 DISC付属の「FC-RS500」も2ピースクランクセットである。

剛性の高さは強い踏み込みではっきりと感じられ、伝えたエネルギーがロスなく推進力になっているのがわかる。同じ労力ならクロスバイクやシングルスピードよりも速く走れるし、同じスピードなら体力を温存できる。

高いスピードを出しても、走行後は路面の不快な振動によるダメージはないが、踏み込みの反力で外側広筋に疲労が出やすい。スピード次第では、脚にハードになるという印象。スピードにもしっかり対応していることを考えると、これは決してマイナス要素ではない。

  
ペダリング剛性の高さに貢献する「POWERCORE(BB86)」

また、加速や坂道でのダンシングは、意外にかっちりしたフィーリングで、自転車を横に振りながら強く踏み込んでもフレームがよれない。千葉県の坂道が延々と続く道で、シングルスピードとDEFY1 DISCを走り比べたところ、シングルスピードでは、ダンシングでフレームが横に柔らかいことがわかる。シングルスピードの剛性の高い手組みホイールでも、フレームの変形のロスまでは補ってくれないようだった。

四角断面の太いダウンチューブ、横に広いトップチューブとシートチューブなどは横方向に硬さを与え、縦方向では振動吸収に関わる部分以外の部分は硬さを残しているフレームだと感じた。踏み込んだときの反応のよさや上り坂での後ろから押されるような感覚は、フレーム剛性があってこそのものだと思う。もちろん、アルミ特有の素材の硬さも効いているはずだ。


四角断面の太いダウンチューブ

DEFY1 DISCには上側1-1/8インチ径、下側1-1/4径の「OVERDRIVE」というステアリングチューブ規格が採用されている。ダンシングなどの強く踏み込む局面では、ヘッド周りやフロントフォークにかっちりしたフィーリングがあるし、いつもより高いスピードでコーナーに突っ込んでも安定してハンドルを切れる。また、フレームやフロントフォークが、ディスクブレーキに制動力に負けて振動するようなこともない。


「OVERDRIVE」を採用。ヘッドチューブ下側が太いのが特徴的だ






■ 直進安定性が非常に高く、加速での反応も良好
DEFY1 DISCは直進安定性が大変優れており、高速巡航しやすい自転車だ。荒れた路面を走破できる振動吸収性と相まって、「とにかくまっすぐ突き進む」ことがとても面白く感じられる。走行中に体軸やペダリングが乱れて、車体が横にぶれても、DEFY1 DISCなら即座に修正可能。高いスピードを出したときの高い安定感は、ロードバイク初心者でも安心できるはずだ。

直進安定性の高さは、私のシングルスピードと比べると顕著に現れる。私のシングルスピード「GIANT FIXER R」は、ホイールベースとリアセンターがかなり短く、BBドロップも小さめ。左右にふらつきやすく、直進安定性がDEFY1 DISCよりもはるかに劣る。ひとことでいえば、不安定なバイク。高速巡航時には、車体がぶれないように、体軸のバランスに気をつけて走る必要がある。

私のクロスバイクは、DEFY1 DISCよりもホイールベースとリアセンターが長く、直進安定性はそれなりに高い。だが、この自転車もBBドロップが小さめで、DEFY1 DISCに乗った後では、アップライトな姿勢と相まって、やけに腰が高く感じてしまう。やはり、高速巡航はDEFY1 DISCのように低重心の方が向いていると感じた。

直進安定性が高い一方で、加速などで踏み込んだ際の車体がグンと前に出る反応のよさは、シングルスピードにはわずかに及ばない。これはDEFY1 DISCの快適性や直進安定性を重視したジオメトリが影響しているようだ。それでも、高いフレーム剛性は踏み込んだ力をロスなく伝え、物足りなさを全く感じさせないシャキシャキした走りを実現する。また、高速巡航しやすいDEFY1 DISCの方が結果的に速い。


直進安定性は低いが、踏み込みの反応が面白いシングルスピード「GIANT FIXER R」

また、DEFY1 DISCを乗った後では、クロスバイクはもっさりした加速感といわざるを得ない。DEFY1 DISCよりもリアセンターが長く、フレーム剛性も及ばないことが影響していると思う。これはコンポーネントの換装などでは埋められない差だと感じた。






■ ディスクブレーキが車重に影響するが走りは軽い
DEFY1 DISCのカタログ重量は、Sサイズ(465mm)で9.4kgだ。私のDEFY1 DISCはMサイズ(500mm)で、実測した重量は9.5kgだった。これはキャリパーブレーキのDEFY1のMサイズより500g重いことになる。これはディスクブレーキによるフレームの補強やブレーキキャリパー自体の重さなどが影響しているようだ。

また、車重に大きく影響しているのが、一部では鉄下駄と呼ばれるホイールのディスクブレーキバージョン「GIANT PR-2 DISC 28H」だ。このホイールは、おそらく前後で2kgを超えるはず。DEFY1 DISCを軽量化したいなら、このあたりがポイントになるだろう。


ディスクブレーキの搭載や付属のホイールが車重に影響している

私のシングルスピードの車重が9.0kgということもあって、DEFY1 DISCを持ち上げてみても、特に軽いという印象はない。ただ、フレーム剛性のおかげか、実際の走りはとても軽い。ゼロ発進の加速はもちろんのこと、上り坂でも途中でバテることなく、後ろからグイグイ押されるような感じで楽に進める。



高い重量剛性比を特徴とする「ALUXX SL」

DEFY1 DISCに乗った後では、クロスバイクの車重が走りに大きく影響するのがよくわかる。私のクロスバイクでは、ゼロ発進がものすごく重たく感じるようになった。巡航中に加速するために踏み込んでも、車重も影響してもっさりした反応だ。特に上り坂での減速は顕著で、DEFY1 DISCで楽々走破できる陸橋も、クロスバイクでは登りきった頃にはかなりスピードが落ちている。


クロスバイク「GIANT SEEK R3」Mサイズ(450mm) 11.8kg(カタログ重量) → 10.8kg(カスタム後の重量)






■ 高い制動力を発揮する「TRP SPYRE-C」
DEFY1 DISCには「TRP SPYRE-C」というメカニカルディスクブレーキが搭載されている。SPYRE-Cはロードバイクのブレーキレバーに対応し、デュアルピストン式を採用することによる制動力とメンテナンス性の高さが特徴だという。「SPYRE」や「SPYRE-SL」のOEM版であり、外観上の差は表面仕上げ以外には見られない。尚、マニュアルはSPYREとSPYRE-SLと同じものが付属する。

このブレーキが実に素晴らしい。フィーリングはロード用のキャリパーブレーキとほぼ同様で、パッドがローターに当たってもドカンと急激にブレーキ力が立ち上がることなく、ブレーキレバーを引いた分だけリニアに反応する。高いスピードからの急制動でもジャックナイフするような感じも全くしない。もちろん、フロントフォークやフレームが、SPYRE-Cの制動力でビビりが生じるようなこともない。

SPYRE-Cが最も真価を発揮するのが下り坂だ。長く続く急な下り坂において、上ハンでリアブレーキを軽く握るだけでも、しっかり減速してくれるから驚きだ。もちろんSPYRE-Cは、平地でも存分に発揮してくれる。今後は雨天走行でも高い制動力を期待したいところだ。

 
制動力とメンテナンス性に優れる「TRP SPYRE-C」

ただ、フルアウターのせいで、ケーブルのフリクションが大きく、ブレーキレバーの引きが特別軽いというわけではない。それでも、軽く握ればブレーキが効くので、結果的に小さな握力で済む。ケーブルのフリクションは、クロスバイクやシングルスピードでも経験済みで、潤滑剤やケーブルの変更でなんとかなりそうだ。

また、DEFY1 DISCに乗り始めた頃は、パッドとローターが擦れる音が大きく、フロント側はキュルキュルと音鳴りすることがあった。パッドとローターにあたりが出ると急に静かになり、タッチの素晴らしさも感じるようになった。あたりが出た後もわずかにパッドとローターが擦れる音はするが、耳からキャリパーまでの距離が大きいのでほとんど気にならない。

シングルピストン式のメカニカルディスクブレーキは調整やメンテナンスが難しいと聞くが、デュアルピストン式のSPYRE-Cなら簡単。ケーブルアジャスターでパッドのクリアランスを調整でき、さらに3mmアーレンキーで左右のパッドの位置を微調整できる。

DEFY1 DISCにおいて、SPYRE-Cが大きなアピールポイントになることは間違いない。あたりが出れば、すぐにSPYRE-Cの素晴らしさを実感できるはずだ。DEFY1 DISCとキャリパーブレーキのDEFY1との価格差は1万円。DEFY1ならBR-5800に交換したくなると思うが、DEFY1 DISCのSPYRE-Cの制動力なら無理に交換する必要はない。






■ メインコンポーネントは「105」
DEFY1 DISCは、メインコンポーネントに「SHIMANO 105 5800シリーズ」を採用している。クランクとチェーンは105ではないし、ブレーキもシマノ製ではないが、それぞれの相性は抜群。前述の通りブレーキの制動力は高く、変速も軽くスムーズで、ストレスを一切感じさせない操作感を実現している。ブレーキとドライブトレインには全く不満はなく、このままの構成でも使い続けることができる内容だ。

クランクはちょっと長めの172.5mm。クロスバイクのクランクは170mmだが、意外に違和感なく使えた。11-32Tのワイドレシオのスプロケは意外に使いやすいが、高速巡航時はトップ側がもう少しクロスしていた方がいいかも。また、私の行動範囲で最も急な上り坂でも、ロー側は2枚余る。スプロケの構成は今後の検討課題だ。

GIANTの完成車は、低価格を実現するために、クランクやブレーキなどがグレードダウンされていることがある。これには賛否が分かれるところだが、ユーザーがフレーム性能の高い自転車を手に入れやすくなるという点では喜ばしいことだと思う。DEFY1 DISCはブレーキにも手を抜いていないし、グループ外コンポだがクランクはシマノ11速用。コストパフォーマンスが非常に高い内容になっている。

  
メインコンポーネントは105 5800シリーズ (左)、SHIMANO FC-RS500 (中央)、KMC X11L (右)






■ その他のパーツ
【ホイール】
「GIANT PR-2 DISC 28H」の重量はマイナス要素だが、私はメリットも多数あると考えている。Advancedグレードにも採用されているだけあって、剛性、回転性能に優れ、耐久性が期待出来るホイールだと感じた。30mmのリムハイトはルックスだけでなく、ホイールの剛性感にも貢献。SAPIM RACEは、2.0/1.8のダブルバテッドスポーク。ハブのシールドベアリングは、軽く滑らかな回転を実現している。また、ダストキャップは二重になっており、水や異物の混入を防ぐ。現時点ではホイールに不満を感じていない。

 
GIANT PR-2 DISC 28H。リアは11速用


【サドル】
「GIANT PERFORMANCE LITE D2」は、見た目がチープなのであまり期待していなかったが、思いの外いいサドルだった。クッション性と反発性を両立し、尻への荷重を分散させつつ、ペダリングの邪魔にはならない。見た目が気にならないなら、無理に変える必要のないサドル。Advancedグレードにも採用されているのもうなずける。実は「VELO VL-1184」と同一のサドルだ。


GIANT PERFORMANCE LITE D2


【ハンドル】
「GIANT CONNECT 31.8mm」というドロップハンドルがついている。形状はアナトミックシャロー。ブレーキレバーの位置が近くなり、ロードバイクを始めたばかりの私にはとても使いやすい。下ハンも前傾姿勢が苦にならない浅いドロップ。肩幅に対してやや広めに感じるが、胸が開いて呼吸しやすく、安定感のあるハンドル操作にも貢献している。ハンドルにも特に不満は感じない。


GIANT CONNECT 31.8mm。バーテープはGIANT CONNECT GEL BAR TAPE


【ペダル】
「GIANT GR-01」というフラットペダルが付属している。踏面が片面のみにあり、以前は「ビンディングペダルへのステップアップをサポートするペダル」として販売されていた。ピンのスニーカーへの食いつきはよく、高いスピードでも滑るようなことはない。ただ、回転は渋く、剛性にも特別なものを感じない。謳い文句どおり、慣れたら他のペダルに変えたほうがいい。尚、交換にはペダルレンチではなく「6mmアーレンキー」を使うので注意。


GIANT GR-01


【タイヤ】
「GIANT P-SL1 TIRE 700×25C」のタイヤは、DEFY Advanced PRO2にも装着されている。このタイヤの700×23Cは、1本3,300円するもので、それなりに高性能のようだ。実際にグリップや転がりのよさを感じるし、荒れた路面を走っても異物が突き刺さらない耐パンク性の高さを備えていると思う。


GIANT P-SL1 TIRE 700×25C






■ 初めてのロードバイクがDEFY1 DISCで大満足
以上をまとめると、GIANT DEFY1 DISCの特徴は次のような感じになる。

・高い振動吸収性により、快適な乗り心地を実現
・走行性能に必要な部分には高いフレーム剛性を確保
・直進安定性に優れ、踏み込みでの反応も良好
・重量は特に軽くはないが、実際の走りは軽い
・ディスクブレーキの高い制動力、コントロール性、メンテナンス性
・メインコンポーネントの105は、軽くスムーズな操作性に貢献
・快適性と使いやすさを高めるパーツの数々

つまり、DEFY1 DISCは、快適性・剛性・直進安定性、加速性などの要素のバランスがよく、それぞれのレベルが非常に高いロードバイクに仕上がっている。中でも突出しているのが振動吸収性の高さだ。DEFY1 DISCはクセのない乗り味だと思うが、振動吸収性がある種のクセというか個性であり、驚愕すべき性能といっても過言ではない。全体的には硬いフレームに振動吸収性が備わっているという印象だ。

コンポーネントやパーツはリーズナブルな価格に貢献しているが、性能の低下を伴っていないのが素晴らしい。メインコンポーネントの105の操作感は軽くスムーズだし、TRP SPYRE-Cのブレーキ性能は特筆に値する。クロスバイクからの乗り換えはもちろん、初めてのスポーツバイクでも納得できる構成だ。性能面では特に交換する必要のパーツはなく、非常に完成度の高いパッケージなっている。ペダルも付属するので、ライトなどを揃えれば、すぐに走り出せるのがうれしいところだ。


完成度が高く、このままでも楽しめる

DEFY1 DISCはキャリアやフェンダーのダボ穴もあるし、タイヤは700×28Cにまで対応。路面・天候・用途を問わずに幅広く楽しめるロードバイクだ。快適性も高いので、初めてのスポーツバイクにはよい選択。無理なく体力を作るにも最適な一台だ。クロスバイクから乗り換えても十分満足できる構成だし、用途が異なるなら2台目のロードバイクにもDEFY系はよさそうだ。

 
700×25Cのタイヤとフォークのクリアランス(左)、様々な用途に対応するダボ穴 (右)

ありきたりな言葉でいえば、「ロードバイクって凄い!」ということだ。ロードバイクが遠くまで楽に行ける夢の自転車というのは、決して大げさな表現ではないと思う。数あるロードバイクの中でも、GIANT DEFY1 DISCを選んだのは大当たり。驚きの高性能を満喫することができた。これからもクロスバイクやシングルスピードとともに、自転車の楽しみを広げていきたい。


 
価格評価→★★★★☆ (コストパフォーマンスに優れた1台)
評  価→★★★★★ (各要素のバランスがよく、それぞれのレベルが高い。特に振動吸収性が秀逸)
<オプション>
年    式→2016年
カタログ重量→9.4kg (Sサイズ,465mm) 実測による重量→9.5kg(Mサイズ、500mm)
 
LZPT2IB  2017-5-22 0:41
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[ROAD] GIANT DEFY1 DISC (2016)

購入価格: ¥167,400 (税込)
標準価格: ¥167,400 (税込)

『快適性と直進安定性を重視し、走行中の疲労軽減に特化。過渡期のディスクロードだが完成度は高い』



■ GIANT DEFY1 DISCとは
GIANT DEFY1 DISCは、2016年モデルにラインアップされたディスクロードだ。上位グレードの設計思想を踏襲したディスクブレーキ専用の新型フレームが採用されている。フレームのグレードはALUXX SL(6011アルミ合金)だ。フレームの特徴はアップライトな姿勢と振動吸収性。独自規格のD-FUSEシートポストを採用することで、振動吸収性をさらに高めている。

ディスクブレーキは対向ピストン式のTRP SPYRE-C、メインコンポーネントは105 5800シリーズを採用している。ディスクブレーキキャリパーの取り付けタイプはポストマウント、ホイールの取り付けタイプはクイックリリースだ。現在はフラットマウント、前後12mmスルーアクスルにディスクロードの規格がほぼ定まっており、DEFY1 DISCは過渡期のモデルということになる。そのためか、DEFY1 DISCは2016年モデルのたった1代で終了し、現在はCONTEND SL1 DISCが後継モデルとして販売されている。

前回のレビュー当時はディスクロードの情報がまだ少なかったため、これからディスクロードを購入する人の参考になればと考えて、DEFY1 DISCを手に入れてから早めに投稿した。その後、乗り込むにつれて細かい部分で評価が変わってきたので、再レビューすることにした。


入手直後のGIANT DEFY1 DISC (Mサイズ、500mm)




■ 購入のきっかけ
私はクロスバイクとシングルスピードにずっと乗り続けていた。実は3台目の自転車として小径車を考えていたのだが、ショップに展示されていたDEFY1 DISCに一目惚れしたというのが正直な購入のきっかけだ。DEFYがディスクブレーキを搭載するとこんなにかっこよくなるのかというのが第一印象。カラーリングも購入の決め手になった。前回の投稿で述べたディスクブレーキやロングライドへの興味は後付けというわけではなく、偶然にも自分の目的に合致していた。また、上位グレードを踏襲した性能の高さにも期待した。

 
1台目のGIANT SEEK R3(左)、2台目のGIANT FIXER R




■ 外観
スローピングフレーム、太いヘッドチューブとダウンチューブ、小さめのリア三角、135mmのエンド幅を採用したフレーム形状に、コンパクトクランクと大きなローギア、ディスクブレーキを搭載したDEFY1 DISCは、まさに次世代のロードバイクといった印象。従来のロードバイクとは異なる外観だからこそ魅力を感じた。スポーツカーのようなパールがかったライトブルーやシンプルなグラフィックパターンも私の好みだ。自転車のかっこよさは自分自身が決めるもの。DEFY1 DISCがかっこいいと私は自信を持っていえる。

 
ST-RS505を取り付けることで、ひと目でディスクロードだとわかる外観になった




■ 剛性
DEFY1 DISCは縦に柔らかく横に硬いという印象。ヘッドチューブからBBにかけて太く作られており、フレームの横剛性が高いので、ペダリングでのロスやもっさり感はなく、ダンシンングでもパリッとした硬さを感じる。コーナリングやブレーキ時においても、フレームやフロントフォークのたわみはない。

縦に柔らかい部分は主に振動吸収性に関係するものであり、ペダリングやコーナリングのロスにはあまり影響していないと感じた。主に縦にしなるのは、扁平形状のトップチューブとシートステー、独自規格であるD型断面のD-FUSEシートポスト。特にシートステーとD-FUSEシートポストは、積極的にしなっていることが実感できる。これらの部分は横に硬いので、ペダリングやコーナリングのロスにはあまりつながらない。


赤丸の部分は剛性が高く、青丸の部分が縦によくしなる部分




■ 加速性・反応性
DEFY1 DISCは、ペダルを強く踏み込み際の車体がグンと前に出る感覚がやや希薄だ。これはエンデュランス系ロードバイクのジオメトリ(長めのチェーンステーややや大きめのBBハイトなど)に由来するものだ。ただ、フレームの横剛性やBB周りの剛性は高いので、踏み込みでのもっさり感(沈み込みやタメ)がなく、加速性・反応性の高さにもある程度配慮されていると感じた。これはアルムフレームであることも関係しているはずだ。ただ、低速かつシッティングで強くトルクをかけると、D-FUSEシートポストのしなりでパワーのロスを感じることがある。




■ 直進安定性・高速巡行性
DEFY1 DISCは直進安定性に大変優れている。ホイールベースやBBハイトの大きさに加えて、ディスクブレーキ化による低重心も影響していると思う。走行中のバランスを保つのにあまり気を使わずに済むので、交通量の多い道路やロングライドでも精神的な疲労が少ない。また、体幹の筋肉でふらつきを抑えないでいい分だけ疲労しにくくい。また、ふらつきによる怖さが少ないので初心者にも向いている。

高いスピードでの巡行は、DEFY1 DISCの得意とするところだ。私のクロスバイクやシングルスピードよりも速いのはもちろんのこと、いったんスピードに乗せてしまえば維持はたやすく、後述する快適性と相まって、疲労を抑えつつ早く目的地に到着できる。


多摩川CRでも1枚。DEFY1 DISCなら早く楽に目的地に到着できる




■ 快適性
DEFY1 DISCの最大の長所は快適性の高さだ。快適性に大きく貢献しているのが、独自規格のD-FUSEシートポスト。前後のしなりが大きくなるようにD型断面が採用され、尻に伝わる振動を小さくしてくれる。シートステーとシートチューブの接合部を下方にオフセットすることでさらにしなりを大きくし、扁平形状かつ極薄のシートステーが板バネのようにしなるので、リアからの突き上げがほとんどなくて快適。これまでのクロスバイクやシングルスピードのアルミフレームとはまるで別物だ。

リアほどの驚きはないが、フロントも十分に快適。わずかにベントしたフロントフォークにはカーボンブレードが採用され、地面からの突き上げや振動をマイルドにしてくれる。私は現在もDEFY1 DISCに付属するハンドルバーを使っているが、フロントの快適性に不満はない。DEFY1 DISCなら700×25Cでも高い快適性が得られるので、基本的に太いタイヤに交換しなくても大丈夫だ。また、アップライトな乗車姿勢のおかげで、ロングライドでも首や背筋の疲労を抑えることもできる。距離を問わずいつも快適であり、初心者や体力のない人にも最適だ。


独自規格のD-FUSEシートポストは快適性に大きく貢献する




■ 走破性
DEFY1 DISCは振動吸収性が高く、少々荒れた路面でも尻を浮かすことなく走り抜けることができる。しかも、DEFY1 DISCの安定感なら、舗装路で地面のくぼみにハンドルを取られることはほとんどない。むしろ、積極的に荒れた路面を走るのが楽しく、グラベルキングのような未舗装路にも対応したタイヤを装着することで、路面を選ばずに走り回れる。


DEFY1 DISCは振動吸収性が高く、舗装路以外も走りたくなる




■ コーナリング
高いスピードで急カーブに侵入しても、ハンドルを切ったぶんだけ素直に曲がってくれる。直進時と同様にコーナリングでも安定感しており、アンダーステアやオーバーステアが出にくい。また、フロントフォークの剛性が高いので、カーブでもたわむことはなく、ローターとパッドが接触することもない。ディスクブレーキの制動力に対応するために、フロントフォークの左側がわずかに太くなっているが、コーナリングでの左右差は感じられない。




■ ダンシング
フレームとフロントフォークの剛性が高いので、ダンシングでもしっかりと力が伝わる。このときもローターとパッドが接触することはないし、ディスクブレーキの補強による左右も感じない。だが、デュアルコントロールレバーを油圧式に交換すると、ハンドルバーの両端が重くなるため、ダンシングでの反応が非常に悪くなる。この点を解決するには、ハンドルバーの位置をできるだけ下げ、広めのハンドルバーを使う必要がある。


ST-RS505でスムーズにダンシングするには、幅の広いハンドルバーを低い位置に取り付ける必要がある




■ ヒルクライム性能・ダウンヒル性能
私が所有するクロスバイクやシングルスピードよりはずっと坂を登りやすいが、シッティングでの踏み込みではD-FUSEシートポストがしなりやすく、キャリパーブレーキモデルのDEFYよりも重量面で不利なため、登りにはあまり向いていない。だが、逆に下り坂での走行は大変優れており、コーナリングでの安定した挙動に加えて、ディスクブレーキならではの高い制動力のおかげで、安心して坂を下ることができる。




■ ブレーキ性能
DEFY1 DISCのホイールの取り付けタイプがクイックリリース式だが、油圧式ディスクブレーキの高い制動力をフレームとフォークがしっかりと受け止めてくれる。ブレーキ時のフレームやフォークのねじれによるパッドとローターの接触はないし、ホイールのズレやフォークの振動も一切ない。

制動力を受け止めるという点ではスルーアクスルの方が有利なことは明らかだが、GIANTのディスクロードはクイックリリースを採用している時点で、すでにディスクブレーキの高い制動力への対応が完了していると感じた。ただし、クイックリリースは、キャリパーのセンター出しを念入りに行わないと、ホイールの装着の際にパッドとローターが接触したり、ブレーキ時にローターがたわむことがある。おそらく、この点ではクイックリリースはスルーアクスルよりも不利だと思う。

 
ディスクブレーキに対応するために、斜め前方に向いたフォークエンド(左)
ディスクブレーキ台座周辺はボリュームがあり、リア三角の形状は左右非対称(右)




■ 乗車姿勢・ポジション
DEFY1 DISCは短めのトップチューブと長めのヘッドチューブを採用しており、アップライトな乗車姿勢をとることができる。だが、ハンドルを最も下げてもまだアップライトな姿勢であり、サドルとハンドルの落差をあまり大きくとることができない。

落差を大きくしてサドルとハンドルにうまく体重を分散できれば、長時間の走行でも手や尻は痛くならないが、終盤で首や背筋の疲労を感じることがある(シングルスピードで確認済み)。DEFY1 DISCのアップライトな姿勢は首や背筋の疲労を軽減し、ハンドルを最も下げればペダリングもしやすくなる。ちなみに、私は現在のポジションがベストであり、最も快適かつ進みやすいと感じている。


ハンドルを最も下げた状態でもややアップライトな姿勢になる。




■ メンテナンス性・拡張性
ケーブルが外装式のフレームなのでメンテナンス性が高い。油圧式ディスクブレーキを取り付ける場合は、ブリーディングでブレーキホースをまっすぐに伸ばせるので、エアをスムーズに抜くことも可能だ。DEFY1 DISCはトップチューブにケーブルがないのが救い。今後のトップチューブバッグやフレームバッグの導入の際に、ケーブルの干渉を考える必要がなくなる。

前後にダボ穴があるので、キャリアやフェンダーの取り付けも可能。ただし、リアキャリアを取り付ける際には、シートクランプを専用品に交換する必要がある。カタログでは700×28Cまでのタイヤ幅に対応が可能とあるが、実際にはタイヤクリアランスにはだいぶ余裕があり、もっと太いタイヤやフェンダーを取り付けることができるはずだ。前述の走破性とも相まって、DEFY1 DISCは多用途に使用可能だ。

 
ケーブルが外装式なので、油圧式ディスクブレーキの換装やメンテがたやすい(左)
700×28Cのタイヤを装着しても、タイヤクリアランスに余裕がある(右)




■ シートクランプ
DEFY1 DISCの最大の弱点は、シートクランプの出来の悪さだ。ボルトの締め込みが強いと、ボルトの横方向に力がかかって破断する場合がある。シートクランプの最大締め付けトルクは5Nmだが、実際の締め付けトルクは3.5〜4Nmくらい。カーボン用の摩擦増強剤も併用し、できればシートクランプのねじのタップを立て直した方がいい。現在はシートクランプを新品に交換して問題なく使えているが、できればシートクランプは臼式にして欲しかった。


ESCAPE RXにも同じシートクランプが使われている




■ コンポーネント
○駆動系
メインコンポーネントに105 5800シリーズが採用されており、ストレスのない操作やペダリングが可能だ。クランクはFC-RS500、チェーンはKMC X11Lのままでも問題ないが、FC-RS500はクランク長が172.5mmと長めなので170mmに変更している。また、私の行動範囲では、11-30Tのカセットスプロケットを使うような坂はないので、現在は12-28Tに交換している。

 
クランクとチェーンを105 5800シリーズに統一(左)、現在のスプロケはFC-9000 12-28T(右)


○ブレーキ
DEFY1 DISCはTRP SPYRE-Cという機械式ディスクブレーキが搭載されている。対向ピストン式なのでメンテナンス性が高く、調整の幅も広いが、レバーの引きが重くなりがちだ。制動力の高さは長所だが、同時にレバーの引きの重さが弱点にもなり、調整次第ではディスクブレーキはこりごりだと感じる人もいるかもしれない。SPYRE-Cを使い続けるなら、付属のローターとパッドは音鳴りしやすいので、シマノに交換したほうがいい。また、費用はかかるが、油圧式ディスクブレーキに換装すれば、ブレーキ性能は大幅に向上する。


油圧式ディスクブレーキは、DEFY1 DISCにとって最も効果的なカスタム


○ホイール
リムハイトのわりに剛性感はそこそこだが乗り心地はいい。3カ月くらい経つと振れが出てくるが、防水性には優れているのでしばらくは使うのも悪くはない。ただ、ローターの取り付けタイプが6ボルトであり、140mmローターの選択肢が少ない。ホイールのアップグレードの際には、いい機会なのでローターの取り付けタイプをセンターロックにしたほうがいいだろう。


反応性に優れるFULCRUM RACING5 DB。ローターの取り付けタイプはセンターロック


○D-FUSE シートポスト
付属のD-FUSE シートポストは、シートクランプの上下の溝を合わせて角度を調整するタイプなので微調整ができない。上位グレードのD-FUSE シートポストなら角度を無段階に微調整できるが高価。サドルの角度は快適性に大きく関わる部分なので、できれば無段階で角度を調整できるシートポストを標準で搭載して欲しかった。


上位グレードのD-FUSEシートポストなら、サドルの角度の微調整が可能


○その他のパーツ
ショートリーチのハンドルは使いやすい形状なのでそのまま使っている。サドルはクッションが多くて快適だが、見た目がややチープだ。付属のフラットペダルはこれといった特徴はなく、早めにビンディングペダルに交換したほうがいいだろう。タイヤの転がり抵抗やグリップはまあまあだが、耐パンク性が高いのでそんなに悪くない。




■ CONTEND SL1 DISCについて
CONTEND SL1 DISCの仕様を見ると、DEFY1 DISCがラインアップから外れた理由もなんとなく理解できる。CONTENDはGIANTの独自の油圧式ディスクブレーキを採用し、ケーブルはすべて内装式。チェーンステーにサイコンのセンサーユニットを埋め込むことも可能であり、チューブレスレディのホイールも付属する。DEFY1 DISCと同じ価格のまま、大幅にコストパフォーマンスを向上させている。

試乗したところ、DEFY1 DISCよりも反応性に優れており、快適性と直進性安定性も十分満足できるレベルにあるという印象だった。独自の油圧式ディスクブレーキはケーブル式とのハイブリッドタイプだが、ケーブルの部分が短いので使用感は油圧式そのもの。制動力やコントロール性にも優れている。全体的に完成車としての価値を高めており、反応性と快適性のバランスとしては理想的。DEFY1 DISCよりもCONTENDの方が、短い距離でのキレのある走りから疲労を抑えたロングライドまで、初心者が幅広く楽しめそうだと感じた。


DEFY1 DISCには、チェーンステーにセンターを埋め込める"RIDESENSE READY"が採用されていない




■ 総評
GIANT DEFY1 DISCは快適性と直進安定性を重視した、走行中の疲労軽減に特化したロードバイクだ。加速性や反応性に優れたタイプではないが、これは快適性と直進安定性とのトレードオフの結果だ。振動吸収設計のフレームとD-FUSEシートポスト、アップライトな乗車姿勢によって、ロングライドの疲労の蓄積を抑えることができる。走行中のふらつきにあまり気を使う必要がないので心身ともに疲れにくく、ライドの最後まで集中力を持続しやすい。また、フレームの横剛性が高いので、ペダリングでもっさり感が出ないように配慮されている。

DEFY1 DISCは過渡期のディスクロードだが、フレームとフロントフォークの完成度は高い。ディスクブレーキの高い制動力をしっかり受け止め、ディスクブレーキの補強によって左右差が出たり、乗り心地が悪くなることはない。ただ、クイックリリース式はホイールの装着に少々手間がかかる。また、機械式のTRP SPYRE-Cはレバーの引きが重くなりがちで、ロングライドでの疲労の原因になる可能性がある。楽にブレーキ操作するためには油圧式ディスクブレーキが必須であり、このことはディスクロードの評価を左右する重要な点だと感じた。

GIANTとしてもDEFY1 DISCは過渡期のディスクロードだが、この時点でも上位グレードを踏襲した基本性能の高さはさすが。圧倒的に乗り心地がよかったからこそ、DEFY1 DISCを手に入れてよかったと思える。その後のカスタムでは、自分好みの乗り味と最適なポジションを手に入れ、油圧式ディスクブレーキに換装。タイヤの交換で路面を選ばずに走り回れるようにもなった。DEFY1 DISCを自分だけの1台に仕上げることができたので大変満足だ。


のんびりとした走りで、DEFY1 DISCの乗り心地と菜の花の美しさを満喫



価格評価→★★★★☆ (コストパフォーマンスに優れる)
評  価→★★★★☆ (フレームとフロントフォークは星5つ。パーツはブレーキの引きの重さで星4つ。総合評価は星4.5)
<オプション>
年    式→2016年モデル
カタログ重量→9.5kg(Mサイズ、500mm)、カスタム後は9.3kg
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