購入価格 ¥10,000
数年前からフィジークが展開している、
シートポスト・ハンドル・ステムからなるパーツ群の一角。
ずっと気にはなっていたのですが、ようやく購入するに至りました。
いわゆる水平ステムです。
他社の水平ステムでは 17度の製品が多いところ、20度というのは珍しいかもしれません。
○交換前のステム
DixnaのVシェイプステムを かれこれ4年は使っていました。
これはこれで、価格の割に剛性も高いので 不満はありませんでした。
フィジークのステムに変えたのは、なんとなく そういう気分だったからです。
ハンドルバーはすでにフィジークを使っているので、統一感が出るという理由もあります。
以降、このレビュー内では
基本的にVシェイプステムとの比較で進めます。
なお、どちらも長さは80mmです。
○外観
胴部分は四角い断面形状をしています。
スタックハイトは約39.5mmで、
これは Vシェイプステムより 5mm弱 低い数値です。
なので、コラムスペーサーを増やす必要がありました。
また、ハンドル側のクランプボルトは 平行にはなっておらず、
ボルトの頭側が上下に広がるような配置になっています。
Ritcheyのステムのクランプボルトとは逆のハの字です。
意図は不明ですが、カーボンハンドルに加わるダメージが少なくなるのかもしれません。
この角度から見ると 伝わりやすいでしょうか。
ボルトの向きが 「く」の字に広がっています。
また、ヘッド角72.5度に対しての下向き20度なので、2.5度の前下がり状態ですね。
パッと見は水平に見えます。
○重量
超軽量!という程ではないものの、十分に軽い範疇です。
個人的な雑感では、80~90mmのステムの場合
重量が100g台前半になると 剛性が足りなくなる気がするので、
これくらいの軽さが むしろ丁度良いです。
Vシェイプステムですが、4,000円ちょっとという価格の割には 案外軽く、
いい意味で驚きました。
チタンやアルミでない スチールボルトであることを考えると、かなり頑張っています。
それでいて剛性もしっかり出してあるので、大したものです。
○ボルトの違い
スチールボルトと トルクスT25のチタンボルト、という以上に
形状が全く異なります。
左がフィジーク、右がDixnaです。
まず、5山分くらい ねじを切っていないゾーンがあるのもそうですし、
よく見ると 首下のワッシャーはテーパー形状となっており、
ステム側の受け皿形状とピッタリ合うように出来ています。
ありもののチタンボルトを持ってきたのではなく、
ワッシャーとセットで ちゃんと作られたチタンボルトという事ですね。素晴らしいです。
さらによく観察すると、ねじの端っこは切りっぱなしではなく、
丁寧に末端処理がされています。
ステムのねじ山を傷めにくいですし、
万が一 コラム側のボルトが ステムからはみ出した場合、
立ち漕ぎで膝を擦って ケガをするリスクが抑えられます。
○剛性
しっかりしています。
軽量ステムにありがちな頼りなさとは無縁です。
四角い形状が効いているのかもしれません。
ステムの剛性は けっこう軽視されがちですが、
やわらかいステムは ロードバイク全体の乗り味を台無しにします。
代償に乗り心地が良くなる、とか そんな生易しいものでもなく、
ただただモッサリして進まないバイクになるだけです。
実名を出してしまうと、Ritcheyの軽量ステムなどは そんな感じです。
登りで立ち漕ぎした時の走らなさには 悪い意味で驚かされました。
上位グレードは そうではないと信じたいですが。
基本的に、軽すぎるステムは 剛性が不足する傾向にあるように思います。
フィジークもVシェイプも、断面形状の工夫によって
軽量ながら高剛性に仕上げてきているので、
こういうステムは好きです。
○まとめ
外観、軽さ、硬さ、細部の作りこみ、
全てにおいて文句のない一品です。最高。
価格評価→★★★★★(←この出来なら納得できる)
評 価→★★★★★
<オプション>
カタログ重量→128g/110mm