購入価格 ¥(すみません、借り物です)
少し気分を変えたくて軽いホイールを物色するも、フレームのクリアランスの関係で、所謂太リムが使えないため、途方にくれていたところ、ご好意で今シーズンは旧モデルをを使わせていただくことに、
今迄使っていたどのホイールにも該当しない不思議なホイールです。
■重量
やたら軽いです。フロント590g、リア790gで1380gです。リムサイドはエクザリット加工により、摩耗がほぼ無い状態ですから、出荷時とは重量変わってないと思います。
登坂やゼロ発信は楽です。
■ブレーキ
通常のアルミリム+デュラより若干落ちます。当て効きは悪く無いのですが、フルブレーキの制動力は落ちます。
上で少し触れた様に、リム全体が黒色に電解着色されています。私が借り受けたものは既に2シーズン使ったものなのですが、まだ地金は見えてません。こうした意味で、このコーティング(改質)は耐久性高いと思います。ブレーキシューは素直にスイスストップのエクザリットⅡ用を使っていますが、当て効きさせる場合にはほとんど音はせず、握り込んでフルブレーキをすると、かすかに金属音(金切り声の様な音)がします。シューがリムに食い込んで粘る感じで効く感覚が全くないのはこの表面処理が関係していると思います。
■空力?
よく、R-SYSは空力弱いと指摘されてますが、後輪はキシリウムSLRとまったく仕様が同じなので、踏めば50km/hは僕の脚でも十分出せます。例えばディープにすれば空力の恩恵受けられるのでしょうが、ロープロファイルのホイールの場合、空力面ではどれも似たり寄ったりなのではないでしょうか?。ただし、横風に関しては、C24CLの方が受けづらい印象がありました。ミディアムハイトのリム並みに横風受けます。でも、クリティカルな問題じゃないと思います。もっと楽にスピードに載せられるホイールもあると思うのですが、スプリントした時に何㌔だせるかという話でいえば、このホイール、リニアにスピードに載せて行き易いですね。駆動剛性悪く無いんだと思います。
■巡航性
リムが軽いせいか、常に回してないと失速し易いと思います。私はMavicのホイール久しぶりに使うのですが、所謂ハブの回転やフリーの空転時の抵抗の無さは、シマノやカンパに劣るなと思います。ただ、普段よく走るルートをstravaでチェックしてみると、そんなにアベレージは変わっておらず、トータルの仕事量はやや上になっています。普段は脚をやすめて惰性で走っている様なところでも、回しているのが理由でしょうか?ゼロ発進は悪く無いので、そこいら辺でAveが稼げている気もします。
踏んで一拍遅れてから加速するニュートロン(加減速が楽しい) とも 軽くてスムースなC24とも違う、リニアな感覚です。
■登坂、スプリント
特筆すべきは登坂やスプリントの際の前輪の接地感や剛性です。これ、唯一無二じゃないでしょうか?
自転車にまたがらない状態で、リムを掴み左右に動かすと、シュータッチしそうなくらいリムが左右に動くため、正直「大丈夫かよコレ?」と思っていたのですが、体重をかけた状態では実によく横方向に踏ん張ります。登坂の際には緩勾配のシッティングではホイールの軽さが際立ち、斜度のきついところをダンシングでクリアしようとする時には、こうした「前輪の硬さ」が際立ちます。ギュ、ギュと小気味良く登って行く感じ、今迄経験したことがありませんでした。
平地でサドルから腰をあげて、前荷重で思い切りもがいても、ホイール、一切ヨレずに前に進もうとするところも印象的です。
ただ、こうした局面で、自転車を左右に振った時の「戻り」は他のホイールに比してとても早いので、慣れるまで少し時間を要しそうです。具体的には軽めのギアでひょいひょい登る時は前輪とシンクロさせやすいのですが、平地で重いギアでもがいているときは、リズムが取りづらいです。
登った後は下りですが、ブレーキングや安定性に不満ありません(ものすごく個性的な特徴があるかといえばそんなことも無いですが、、)
■振動吸収性
カーボンスポーク故振動吸収性が高いとのコメント散見するのですが、乗り心地だけならC24の方が良いと思います。レーシング1程縦方向の突き上げはないので、乗り心地が良いか悪いかで言えば、良い方だとは思うのですが、これがスポークの材質によるものなのか?リムハイトによるものなのか?と聴かれれば、私は後者の要因が大きい気がします。
■まとめ
アルミリムでは唯一といっていい軽量ホイールなので、初めは恐る恐る乗り始めました。ある程度走り込んでみて、カーボンスポーク由来の耐久性等はあまり心配しなくて良い、とても良く出来たホイールだと思う様になってきました。
すでにマヴィックはノーマルのR-SYSを廃盤にしてしまっており、今後手に入るのはSLRだけになってしまいました。
しかし、ここまで書いた印象の多くは、独特なスポークの考え方によるもので、ノーマルのR-SYSでも十分感じる事ができるものだと思います。ちょっと惜しいですね。
エクザリット加工はタイヤもスキンサイドにすればホイール全体真っ黒けっけになるので、カッコいいんですが、晴天時のブレーキングではメリット感じません。リムサイドの摩耗が防げるので、長時間初期性能が維持できること や 雨天の効きの良さは評価できると思うのですが、SLRとノーマルの価格差を考えるとノーマルでも十分このホイールの特徴を感じる事ができると思います。
最も印象的だったのは、前輪の剛性です。これは唯一無二のものと感じられますし、特に体重が重いライダーには朗報だと思います。この軽さでこれだけ登るホイールを僕は知りません。後輪に関してはリムの軽さが印象的だったのですが、それ以外の印象、希薄でした。撓ませて進む感じでもなくし、回りが良い感じでも無いので、すこし拍子抜けしました(もっとパワーのある人なら印象違って来るのかもしれません)。ただし、軽さの為に何かを大きく犠牲にしたところが無いのは機材としては良いことなんじゃないかと思います。
私は、例年、春頃よりライドを再開し、夏の終り頃、普段は行かない峠等にチャレンジするのをこの数年の楽しみにしているのですが、アップダウンの激しい長距離のライドにはこのホイール大変良いのでは無いかと思いました。平地や平地での速度域次第では、それぞれより目的に特化したホイールがあると思うのですが、高負荷のかかる登坂の切れが大変良いし、アルミリムであることの安心感もあると思います。フレームのクリアランス上、リアは厳しいのですが、フロントは25C入れられそうなので、今夏、フロントだけ25Cにして峠に行こうと思います。
価格評価→★★☆☆☆(定価じゃ無理ですね。高過ぎます。)
評 価→★★★☆☆(登坂が見事ですが、その他は凡庸だと思います)
<オプション>
年 式→2012
カタログ重量→???g(実測重量1380g)