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CATEYE社製の、単三電池をふたつ使用する重量級のリアライトです。同社の、同じく単三電池をふたつ使用するTL-LD1100と比較しながらレビューさせて頂きます。
こちらの製品は一応国内未発売で並行輸入扱いなので、日本語のサイトには掲載されていません。他言語サイトに情報は載っていますが、マニュアルはフランス語と中国語サイトのみでDLできるようです。
写真の通り、外観は白系の透明です。リアライトというと赤のイメージがあるので違和感があります。反射板の機能はないので、別に反射板を用意して併用するか、あるいは昼夜を問わずに点灯しておく必要があります。
★重量★
カタログでは87.3g(電池含む)となっています。実測は本体が44g、電池(アマループ)込みで94gでした。TL-LD1100が本体のみで60g。持ち比べるだけでも明らかに軽いですが、そもそも“軽さ”を求める層にはあまり響かない製品だとは思います。
★明るさ★
LEDは全部で5つ。真ん中のひとつは若干大きめで、残りの4つはすべて同じ大きさです。それぞれの明るさは標準的だと思うのですが、5つが同時に点くことはありません。
真後ろを向いているのは真ん中のひとつだけで、あとは放射状に、斜め〜横を向くように設置されているので横方向にもアピールしてくれます。
点灯モードでは真ん中の1つだけが、点滅モードでは真ん中と両端の3つが、ラピッドモードでやっと5つすべてが使われます。そのため10個のLEDが同時に点灯するTL-LD1100の明るさ(あるいは過剰な眩しさ)には及びません。常識の範疇に収まっています。筐体が大きい分、ちょっとした物足りなさや迫力不足を覚えるかもしれません。
★持続時間★
TL-AU330は点灯200時間、点滅400時間、ラピッド200時間という驚異的なランタイムを謳っています。TL-LD1100のランタイムはカタログ値で点灯50時間、点滅100時間なので、ざっくり言って4倍長持ちするわけです。
満充電のAmazonベーシックの単三形充電式ニッケル水素電池、いわゆるアマループ(最小容量1900mAh)で試したところ、点灯で233時間までは点いているのを確認しています(235時間の時点では消えていました)。半月以上掛かってしまいそうなので、点滅での持続時間は確かめていないのですが、これもカタログ値を越えるのではないかと思われます。
おそらく、途中でバッテリー交換が必要になるのは、本州一周TTなど、ごくごく限られたライドで、昼間も点けておき休憩中も消さずに、という運用をした場合だけなのではないかと。
★オートモード★
TL-LD1100は手動スイッチだけですが、本機には明るさと振動を感知して自動的に点灯/消灯するオートモードがあります。振動が停止したら50秒ほど発光して消えるようです。
この「振動がなかったら消える」というのが曲者でした。舗装がしっかりしていて、まるで滑るように走れる道路(ローカルな例だと、小平霊園脇の青梅街道など)では「振動」がないためか、2つ付けたTL-AU330のうち、1つが点灯しませんでした。わざとマンホールの上を通ったらちゃんと点いたので、故障などではなく「振動」の閾値に個体差があるようです。構造は単純なので調整は可能だと思います。
50秒だとちょっとした信号待ちで経過してしまうので、短いのではないかと。ランタイムが200時間もあるのですから、500秒くらいでも良かったのではないでしょうか。
★その他諸々★
防水性は「ほどほど」といったところだと推測されます。マニュアルには「完全防水ではありません」とあります。
電池の交換はブラケットから本機を外してから、コインなどでネジを外す必要があるのですが、このネジには脱落防止機構がありません。夜間の野外で取り落とすと面倒なことになりそうです。とはいえ、外での電池交換はほぼ考慮する必要がないので大事ではありません。
★個人的感想★
しばらく試していて自覚したのですが、私は「点いているのか点いていないのかがやたらと気になる」性格でした。特に、上記した「走っているのに点いていない」状態を経験してからはもうダメです。信号で停止するたびに確認しないと気が済まない。走っている時も消えてないか気になって仕方がない……要するにオートモードが向いていなかったのです。
ではマニュアル操作で使うか、というと、いまのところ使っていません。200時間(以上)というランタイムは完全に過剰で不要でした。TL-LD1100の点灯50時間で収まる範囲でしか走っていませんし、これから先も走る予定はありません。
そのため、本機には予備として道具箱の中で待機してもらうことになりました。
★まとめ★
オートモードの存在とランタイムの長さから「つけっぱなしでほったらかし」での運用が向いているのではないかと思います。通勤用の自転車に付けて、一ヶ月に一回電池を交換する。あるいはキャンプツーリング車に付けて、トンネルを走る時や、やむを得ず暗くなってから走る時に少しでも安全を確保する。そんな使い方です。
TL-LD1100が、10のうち8を明るさに、2をランタイムに割り振っているとするなら、TL-AU330は完全に逆で、2を明るさに、8をランタイムに割り振っています。同じ単三電池二本、同じCATEYEですが、方向性は真逆であるといえます。そして、方向性が違うだけで、TL-LD1100と同じくらいに極端で、尖った製品です。
私個人の評価は星2つですが、オートモードを使いこなせる人なら+1、200時間のランタイムが必要な人ならさらに+1、といった感じになるのではないでしょうか。
価格評価→★★★★★(圧倒的に安い)
評 価→★★☆☆☆(使いこなせず、必要なかった)