トム・アンブローズ、50の名車とアイテムで知る図説自転車の歴史、甲斐理恵子訳、原書房、2014年9月20日第一刷、本体2,800円+税
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以下、本書裏表紙から引用。
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発明からわずか200年のあいだに、単純な構造の自転車が世界を変えてきた。
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自転車の歴史はまた、デザインの進化の歴史でもある。
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本書は、豊富な写真やイラストとともに、歴史を彩る代表的な50の自転車を紹介する。木製の二輪車からカーボンファイバーのスーパーバイクまで、はなばなしい偉業や技術革新、世界記録をおりまぜて見ていく。
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題名に偽りなし。ハードカバー224頁に画像、エピソードが満載で、毎日何気なく楽しんでいる自転車が、多くの人々の様々な工夫の積み重ねで出来上がったということがよくわかる。個人的には巻末に参考文献(邦訳されているのは1冊だけだが)、索引、図版出典が明記されているのもポイント高い。
セリフェール(1791)、ドライジーネ(1817)といった初期の二輪車が改良されて前輪操舵・後輪駆動のスターレーの安全型自転車(1876)となる過程…その当初、女性は自転車に乗るものではないとされ、自転車に乗るめずらしい女性を見物することが男性の間で人気になったという。
近代から現代の名車として紹介されるのはビアンキ(1952)、モールトン(1960)、プジョー(1967)、ウーゴ・デローザ(1974)、ロータス108(1992)、コルナゴ(1994)、スコット・アディクトRC(2000)、トレック・マドン(2005)、サーヴェロS5(2008)、スペシャライズド・ターマックSL3(2010)、ピナレロ・ドグマ(2011)…
現在では当然の装備となっているグッドイヤーの空気タイヤ(1880年代末)、スターメーアーチャーの内装ギア(1902)、サンプレックスの変速機(1938)…
ツール・ド・フランスの誕生(1903)、過酷すぎて現在はすたれてしまった6日間レース(疲労のために[一日18時間走らされる選手の]意識が混濁することもあり…)。数々のレースで活躍した選手たち、ファウスト・コッピ、シンプソン、メルクス、クリス・ボードマン、ランス・アームストロング、ブラッドリー・ウィギンス…
もちろん紹介されるのはロードバイクだけではない。初期のマウンテンバイクブリーザー(1977)、BMXハロー(1982)のほか、ヴェリブなどの都市型レンタル自転車や積載量の大きなカーゴバイク、電動自転車が社会に与える影響の大きさと未来への道。
読了後、初期前輪駆動の自転車と近未来デザインのバイクに乗ってみたくなった。
価格評価→-借用なので評価なし
評 価→★★★★★