【私案】ペダル、シューズ乗り換えに伴うサドル高調整方法
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フォーラムで相談して、ペダル、シューズ乗り換えに伴ってサドル高の調整はやっぱり必須だよね適当にごまかしちゃダメだよね、ということで頭を巡らして、考えた方法がこちら。
[基本的な考え方] 私の浅知恵では、ペダル、シューズ乗り換えに伴い、こんな感じの調整・検討項目があると思います。 ・クリート位置、すなわち足とペダル軸との位置関係を合わせる ・ペダルのスタックハイト、シューズのソールの厚みをなるべく揃える ・それに、ソールの反りとか、それに伴って足首の「自然な角度」も変わるかも ・Qファクタが大きく変わらないようにする
ちなみに4つ目は、シューズ、クリートによる若干の調整はあるものの、ペダルシステムに付随するもので、本気でやろうとしたらペダル軸にスペーサを噛ませたりしないといけないのですが、ここでは議論しないことにします。 ちなみに大きく変わりすぎると、膝の動き、足裏の角度などいろいろなファクターの変化によって、骨盤、正しくは足の左右の振りを安定させる中・小殿筋に思わぬ負荷が掛かり、膝周辺に痛みが出る可能性があります。というか、私の場合出ました。別の部分の変更がらみではありますけれど。
さて、目当てのペダルとサイズのあった対応シューズを用意したとして、以下の考え方で調整することを考えました。
1.クリートのポジション調整で、ペダル軸と足との位置関係をコピーする 2.ペダルー膝関節間の位置関係の変化にあわせてサドル高の変化量を決める
[用意するもの] 固定ローラあるいはスタンド、マスキングテープ、修正液、フェルトペン、巻尺or定規、墨出し器or下げ振り(糸と5円玉で代用可)、あればノギス、メモ用紙と筆記用具。 電卓は不要ですが、あった方が脳みそに余計な負荷がかからずよろしいかと(笑 慎重に事を進める場合、デジタルカメラと三脚。
[作業概要] 1.まず、旧ポジションを正確に記録しておきましょう。イジリストとしてはあせって作業に取りかかりがちですが、変更に伴ってなにか深刻なトラブルが発生した場合、出戻りも考えられます。私の場合、目的にあわせて旧ペダル&旧シューズの組み合わせと取り替えつつ使いたいので、この作業は重要でした。
1-1.旧システムで乗車姿勢をとり、クランクをシートチューブの延長に位置させて自然な足首の角度をとったところで写真を撮っておきます。スケールを膝周辺にいれておくと良し。私の場合、友人にレーザの墨出し器を使わせてもらい、垂線と水平線が入った写真が撮れたのでこれは◎。膝の特定の位置、私の場合脛骨の頂点(膝の外側下、膝裏の腱を下方に探っていくと骨のグリグリがありますよね?そこです)にフェルトペンで印をつけておきました。カメラと自転車のセットはそのままに。 ・・・写真はあるのですが、友人宅のあれやこれやが写り込んでいて、消しようもないので写真はすいません、無しで。
2.次に、クリートポジションをコピーします。 言うのは簡単ですが、シューズ越しに拇指球、小指球の位置を探り当て、クリートとペダル軸との対応関係を見ながらの作業でけっこうデリケートな作業です。シューズの上から拇指球、小指球の位置にマスキングテープを貼りつつ、慎重に検討します。 シューズも変える場合、ソール形状の違いによって踏み込んだときの自然な足首の角度も変化することが考えられます。基本はクリート装着位置付近が水平になると想定し、マスキングテープは拇指球、小指球の位置から垂直に張られるように気をつけた方が良さそうです。変動量はミリ単位ですけれど、ここは慎重に。左右の振りなども含めて、後で微調整が必要なことは言うまでもありませんが、かといってこのプロセスをテキトウに流すと、後の作業に影響があるので、ここは一旦踏ん張ります。
3.クリートの厚み(ソールから設置するブロックの先まで)や、MTBシューズの場合トレッドの厚みを測ります。各ペダルのスタックハイトはソールとペダル間の距離を示している事が多いようです。次の作業とあわせて、ペダル軸と膝関節との距離を正確に測るために重要な作業となります。
4.新旧の靴を履いて、足首をペダリング時の自然な角度にして地面から膝関節までの距離を測ります。墨出し器や下げ振りで垂直をとって慎重に測ります。
4-1.4で測った距離と、3で採取した各種寸法を元に、ペダル軸と膝関節間の距離を計算します。MTBシューズの場合、トレッドの厚みを引いて、ペダルスタックハイトを足せばいい筈。ロードシューズの場合、クリート厚(地面に足をついた場合に出っ張るので)を引いて、ペダルスタックハイトを足せばいい筈。クリート面ーペダル軸がスタックハイトとして示されているなら、その分も足し引きする必要があります。
5.4で算出した新旧のペダル軸ー膝関節距離の差分が、サドル高の変化量になるはず。旧サドルポジションの再現のためにテープや修正液でシートポストに印をつけつつ、サドル高を調整します。
5-1.新システムでも、同じように乗車姿勢をとり、クランクをシートチューブの延長に位置させて自然な足首の角度をとったところで再度写真を撮っておきます。膝関節の高さがサドル高の変化(=新ペダルシステムによる、ペダル軸と足裏との距離の変化)に応じて変わっていること、さらには膝関節の曲がりが新旧で変化してないことを確認して、おしまい。
[やってみて] 私の場合、ペダルスタックハイトが大きく変わらず、新シューズのソールが結構厚いように感じて、あまり変化はないのかと思っていたのですが、意外とサドル高を下げなくてはならなくなりました。手順4に間違いがないか、やり直した方がいいかな?と思ったのですが、とりあえず算出された数字どおりにサドル高を調整してみると、やはりドンピシャリ。前後で撮影した写真の比較でも、計算された変化量に応じて膝関節の高さが変化していること、膝関節の曲がり量にほとんど変わりないことが確認でき、感覚に頼らず初期設定をコピーできる方法を構築し、実行することには一定の意義があると感じました。 このあと、乗り込んでいって身体の声を聞きつつ調整は必要でしょうが、検討のベースラインとしても重要かと。機材やらなにやらを提供して、計測にも付き合ってくれた仲間に感謝です。
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