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10月18日土曜日。
今年で5年目を迎えたJapan Cupクリテリウム。 JR宇都宮駅から西に向かう通称 「 大通り 」に設定された1.55kmの直線周回コース。メインストリートを大胆に封鎖し、ツール最終日か?と見紛うばかりの観客の歓声の中、パレード3周回後の20周回で争われました。
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今年は昨年同様、公道をガールズ競輪の選手たちがスプリント勝負を繰り広げる、というイベントが直前に行われて華を添えました。
そして、な、何とクリテリウム5周年を記念して、過去にジャパンカップで入賞を果たしたロード界のレジェンドたちが集い、2周回で ( ん~3周回だった? ) 戦いを繰り広げました。走った方々は、ラバネロや愛三で活躍した新保光起、同じく愛三の田中光輝、BSアンカーの渋谷淳一、当時世界最強と言われたMAPEIに所属し1997年のジャパンカップを制した阿部良之、1996ツールに出場した今中大介、2年連続全日本チャンピオンでバルセロナ五輪代表の藤野智一、アトランタ五輪代表でマトリックス・パワータグ創設者の安原昌弘、ボスコやシマノで活躍した橋詰一也の各氏、加えて、な、何と、競輪界の現役レジェンド、栃木県出身の神山雄一郎選手と、( 何故か ) 片山右京氏も。
そして神山雄一郎が怒涛のスプリントで制した!さすが現役。
なお、神山選手は作新学院で鍛えていた18歳当時、名だたる精鋭とともに国際サイクルロードレース ( 現ツアーオブジャパン ) 東京大会にエントリーしているんですねぇ!(って気づいたのは競輪の神山として有名になってからデス)。
これはその時の出走サイン。
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で、本選。 20周回の末に、ハンドルを投げてゴールに飛び込んだクリストファー・サットン(TEAM SKY)とスティール・ヴォンホフ(GARMIN-SHARP)の結果が写真判定に持ち込まれた末、クリストファー・サットンが勝利!
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クリテリウム開催5年目の今年も沿道は観客で埋め尽くされました。私の超いい加減な勘定では2万人程度か?と感じましたが、公式発表は4万1千人!大観衆の中、3周のパレード走行を経てスタートが切られると、直後に飛び出したのは競輪界の爆速男、クリテリウム・スペシャルチームの小嶋敬二。しかしあっという間に吸収。 積極的な仕掛けが繰り返されます。全日本チャンピオンジャージの佐野淳哉(日本ナショナルチーム)や新城幸也(TEAM EUROPCAR)、別府史之(TREK FACTORY RACING)らの飛び出しに沿道が沸きます。
5周目のスプリントポイントに向けて別府史之が早めに動きますが、ネイサン・ハース(GARMIN-SHARP)がわずかに別府を抑え先頭通過。その後6周目に4人の逃げが決まります。飛び出したのはマヌエーレ・ボアーロ(TINKOFF-SAXO)、ラクラン・ノリス(DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING)、マルコ・マルカート(TEAM CANNONDALE PRO CYCLING)、ピエールパオロ・デネグリ(VINI FANTINI NIPPO)。
メイン集団とのタイム差は私が観ていたゴールライン後のUターン手前では最大14秒程度まで開き、逃げは終盤まで維持されますが、残り3周辺りでメイン集団がタイム差をスーと詰め始め、あと2周というところで今度はボアーロが諦めずに単独で賭けに出ます。
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ボアーロは大いに観客を沸かせますが残り1周回で吸収。
ここからが見ものでした。地元宇都宮ブリッツェンの阿部嵩之が鈴木真理を牽き、集団先頭に立ちます。しかしブリッツェンのスプリンター、大久保陣の位置取りが不明瞭。
ネイサン・ハースに導かれたヴォンホフとベン・スウィフトに導かれたサットン。スプリントの2人はハンドルを投げてフィニッシュ!僅かな差で、前年ハースのゼッケンを付けて(笑)勝った覇者、ヴォンホフにサットンが競り勝ちました。
サットンとボンホフの競り合いでパカッと開いた中間に宮澤崇史(VINI FANTINI NIPPO )が来ましたが、伸びず8位。トッププロのスプリントに割って入るのは、本当に至難、とお見受けした次第。
また、クリテリウムスペシャルチームの一員として走ったアレサンドロ・ペタッキの結果は7位でした。
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40回も減速Uターンして平均時速が44.8km/hということで、減速加速時を除いた平均速度は50km/h程度でしょうか。プロの走りは何度見ても凄い!と思わせるものがあります。
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・・・というわけでJapan Cup クリテリウム、堪能しました! さあ、翌日の古賀志林道での決戦。 ロングスプリントを炸裂させ、別府を牽きまくり勝たせようとするファビアン・カンチェラーラに屈強なダニエル・マーティンとネイサン・ハースが食らいつくという展開になるのか!と勝手に妄想していましたが、カンチェラーラの欠場が直前に決まって、残念でした!
評 価→★★★★★ 楽しかった!!
年 式→2014
市街地でのクリテリウム。しかもロード世界選手権の街、宇都宮での開催。宇都宮が誇る地元密着チーム「宇都宮ブリッツェン」は、ギョーザとともに宇都宮名物としてすっかり認知されていますが一体この日、ツールドフランス最終日のシャンゼリゼ通りかと見紛うこの街は、どうなったのか・・・!?
~JR宇都宮駅に横断幕が~
ココから既にヌカリはない
~駅近くの交差点で『号外です!』の声が~
見れば、Raphaの広告ペーパーでした。SKYにウエアを供給しているRaphaですが、今年はSKYジャージを着たファンがとても多かった。
~信州の地酒『真澄』のサコッシュが!~
女性の腰に纏わりつくサコッシュには信州の地酒、真澄の文字が。これはイカしてる。諏訪出身らしきこの女性にお願いしてシャシンを撮らせていただき、同行の御友人と共に暫し歓談。
~LOOK KG196出現!~
無造作に駐輪されたKG196は20年以上前のLOOK。当時ONCE(オンセ)のアレックス・ツェーレがこれに乗ってTTを走ったような記憶が。まさかココで拝見出来るとは。コンポは74デュラ。
~益子焼の自転車小物が~
少し脇に入ると、自転車フレームを描いた益子焼の箸置きや醤油小皿、絵葉書など、手作り雑貨を店頭販売していました。今年が初お目見え?なかなかいい雰囲気です。 ココは老舗カフェの『Mihashi Cafe』で、なかなか渋い自転車本を蔵書します。しかしそれは、書棚にタマタマ置いてあるように装い、全く自転車を主張しないところがステキな普通のおいしいカフェ。あまりにも『自転車すぎる』店はワタシ的には遠慮してしまいますが、ここはそういう意味で別格。自転車好きではあるものの、自転車好きを主張する気が無い人向け、です。
あそうそう、隣接して駐輪スペースが用意されていましたが、店番の人が見張ってくれているようで、自走で来た方はココに駐輪すれば安心でしょう。駐輪場にはラバネロも2台、停まっていました。
~アーケード街に人の波が~
宇都宮のアーケード商店街がこんなに賑わうなんて、1年ぶりか!?宇都宮ブリッツェンの垂れ幕が続きます。
~パイオニアのペダリングモニターが登場~
うまく育てればこのパワーアナライザは市場を席巻するんじゃないですかねぇ、と申し上げたら担当者氏の表情にはニヤッと笑みが。しかし、「シマノさんは油断できないです」、という認識のようでした。そもそも看板だった音響部門を整理してしまうという驚愕の行為に出たパイオニア経営陣がこの製品の開発継続にどんな条件を設定しているのか、が気懸りです、と申し上げると、担当者氏には苦笑い風の笑みが・・・
~空撮ヘリ(多分)~
ヘリが行ったり来たり。空撮部隊(多分)もスタンバッていた?
~毎度おなじみになったこの系列のマシンも~
今年もステキなイタ車を多数、拝見することができました。
~宴が終わり、駅に向かう人々 ~
このあと暗くなってきますが、無灯火で走るロードが多数。 灯火類、忘れないようにしましょう!!
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宴のあと、沿道を緩々と歩いていると・・・
レジェンドクリテリウムを走った藤野智一さんが一般観衆に完全に溶け込んでいらっしゃいました。現在、なるしまフレンド神宮店の店長という大役に就かれていますが、この方、強豪揃いのボスコに加入して以来、波乱に満ちた現役選手生活ののちにBS監督をされましたが、その前、1980年中ごろには、なるしまフレンドにいらっしゃいました。ちょうどそのとき、なるしまさんに出入りしていた私は、若き日の藤野さんに色々とパーツの取り寄せをお願いしたり、2,3度、大井ふ頭で一緒に走らせていただいたりしたので、つい懐かしく、声をかけさせていただきました。
あいかわらず控えめな口調の藤野さんでしたが、
「いや~、あのころは自転車に乗るのが楽しかったですよね!!」
「今また自転車の仕事ができて、よかったです」
「自転車、乗ってますか?」
と、笑顔で話されました。
来てよかったジャパンカップ・クリテリウム。
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Japan Cupの市街地クリテリウム。
プロフェッショナルたちの走りを間近に目撃することが出来る充実のイベントでした。年々少しずつ進化する宇都宮市街地でのJapan Cup クリテリウム、全く素晴らしいイベントです。 沸き立つ熱気の中で勝負したい、、、とブリッツェン創設の立役者、廣瀬佳正氏がかつて夢を語っていましたが、その夢に近づいているのかも知れません。