購入価格 $19 (@ Excel Sports、送料別)
以前Garmin SharpやRadioShack NissanでフィジオロジストをしていたAllen Lim博士が選手用に作ったエナジードリンクの市販版。彼はこのドリンクの為に会社立ち上げて販売に乗り出したり、アスリート向けに栄養バランスを考慮したレシピ本を出版していたりもして結構商売熱心だったんですが、ランス個人とつながりが強かった為か例のスキャンダルでも名前がチラチラ出て、以来ほとんど姿を見なくなってしまいました。何か追放処分を受けたとかいうような話は聞いていませんが、チームの間ではケチがつきそうな人物はとりあえず距離を置いとけ、というような雰囲気にでもなっているんでしょうかね。このドリンク自体はスキャンダルが出てくる前から販売が始まっていて今も継続されていますから、別にイケナイ物質が入っていたりはしないはず。
それはそれとして、ドリンクパウダーそのもののレビューに入ります。
まず売り文句ですが、総天然由来の素材でカロリー・塩分を抑えつつ必要な電解質とミネラルを効率的に吸収できて、ツールで選手たちが一日中飲み続けても飽きないものを目指した、とのこと。実際にGarmin Sharpの選手たちはグランツール中これを飲み続けたんだとか。大きく分けると使用目的別に配合が異なる2種類のパウダーが販売されているのですが…
・まず一つは日常生活を含む軽い運動中の電解質と水分補給を目的とするElectrolyte Mix(以下EM)。
・もう一つはさらに高強度の運動中に発汗で失われる水分と電解質補給を目的としたExercise Hydration Mix(以下EHM)。
前者と後者では、指示通りの濃度で希釈した場合炭水化物やナトリウムの含有量そしてカロリーに倍近い開きが出ます。EMは炭水化物11g・ナトリウム100mgで45kcal。EHMは炭水化物24gナトリウム360mgで80kcal。どちらも指定量(EM13g・EHM24g)を500mlの水で希釈した場合。さらに複数種のフレーバーが用意されています。で、私が購入・使用したことがあるのはEHMの方、レモン+ライムとオレンジフレーバー。EHMは他にもラズベリー・パイナップル・アップル+シナモンの合計5種類があって、微妙に栄養価や内容物も異なるようですので、細かな事は公式HPでご確認下さい。EMは飲んだことがありません。フレーバーの種類はちょっと減るようです。
http://www.skratchlabs.com/collections/drinks/products/exercise-hydration-mix販売単位は1lb(=454g)のパック入りと一回使いきりの小分けパウチ入りの2種。購入したのは大入りパックのほうですが、レギュラーサイズのボトル(16oz≒500ml)に対し24g本パウダーを入れるので約20杯作れる計算。送料を無視すれば1杯当たり¥100前後ですね。手元には1杯12g計れる専用メジャースプーンがあるんですが、これがパウチについてきたのか同時購入した保存用キャニスターについてきたのか記憶が定かではありません。キャニスターのほうだったかショップのサービスだったか…まあ無きゃ無いでコーヒー用のメジャースプーンなどに盛った状態で重さを計算してみてください。指示通り作ると、市販のスポーツドリンクなどより大分薄い味付けになります。カロリーなども考慮するとポカリスエットやアクエリアスなど市販スポーツドリンクの半分近いカロリー。味付け的にも半分以下のイメージで、HPやパックの裏書にも記述は無いようですが定石通り浸透圧の高いハイポトニック濃度になっているものと思われます。
栄養学的な事は素人ですので分かりかねますが、飲用中・前後含め身体に不都合を感じたこともありませんし、熱中症や脱水症状に陥ったこともありません。機能的には十分なのではないでしょうか。1回のライドで飲む量ですが、盛夏時だと希釈済みボトル2本分+パウダー1~2杯分を小さなジップロックに入れポケットにしのばせて出発します。100km以上走る場合はこれでも全然足りませんが、不足分は自販機やコンビニなどでスポーツドリンクや炭酸飲料などを補給する使い方。冬季は100km以内なら1本だけ作ってあとは他所で補充します。個人的にドリンクに求めるのは酷暑・高強度運動時の使用を基準にして単体でそれなりにミネラル類とナトリウムが摂取でき、リットル単位で飲み続けても胃腸がつらくならないことが絶対に譲りたくないポイントで、その次が味。カロリー摂取までドリンク単体で完結させようとすると不自然に甘い(しかも大抵不味い)ものになるし、気分的なリフレッシュを兼ねて固形物の甘いもので調整したほうが気分的にもいいので高カロリーであること特に求めない、というような優先順位です。レースで使うなら高カロリーの方が好都合なのでしょうけれど、普通にストップしてコンビニで好きなように甘いものは購入できますから。それらを踏まえて、今のところこのEHMが味も含め一番気に入っているドリンクです。カロリー補給については強度や気温に依存しますが、夏の間や長時間ハイペースで走る時だとこれだけではまるで足りないので、適宜補ってやる必要が出てきます。冬の間LSDペースで走る場合は、ローカロリーなEMへ切り替えておくとお菓子補給などに振り分けられる分が増えるのでいいかもしれません。
多分、ホビーサイクリストにとって一番の関心事は味とお腹への影響でしょう。これについては不味いと評する人は圧倒的少数なのではないかと想像します。通常の飲料として考えても、十分美味い部類。いろはすとかVolvicのフレーバー付のような香りつきミネラルウォーターに近いイメージで、口に入れた瞬間ほんのりかすかに、でもわざとらしくない果実の香りと甘さがしてすぐに消えていきます。普通にガブガブ飲んでも飽きないような控えめな味と香りで、あと口がずっと残ったりべとべとするような感じは一切ないし、お腹が張るようなことも経験したことがありません。フレーバーは主観的な好みですが、オレンジが僅かに甘さが強くて飽きやすいようなので、キリッとした苦味と甘酸っぱさがあるレモン+ライムの方が飲みやすくて好きです。パイナップル・ラズベリーは何となく甘さも香りも強くなりそうなイメージがあるので試したことが無く、つい飲みやすいレモン+ライムばかりを買ってしまいます。去年だったか季節限定で出てきたアップル+シナモンは温めて飲むのが推奨だとかでとても興味あったのですが、買いそびれていました。その後定番化したようですので、今年の冬は買って試してみようと思っています。
ネックはやはり送料。私は他のものと抱き合わせで輸入することで負担を下げるようにしていますが、これだけを輸入すると500ml当たりの単価は¥200を超えてしまうので、どこかが輸入して安定的に供給してくれるようになると助かるんですが…専用として販売していたアルミ缶キャニスターは気密性がやけに低いものに当たってしまい、湿気て固まってしまったことがありました。以来自分で買って来た調味料用のものに入れ替えて使っています。全部が全部そうなのかはわかりませんが、ロゴが入っているだけで特に便利な機能があるわけでもなかったので、別途使いやすいものを用意したほうがいいかもしれません。
<チラ裏>
興味本位で彼のレシピ本も購入してみましたが、割と手軽に美味しそうな物を作る為のヒントが満載な感じです…といってもパラパラめくって旨そうだな…とつぶやいてみるだけでしたが。私は料理からっきしなので、どなたか腕っこきの方はチャレンジなさってみてください。
価格評価→★★★☆☆ (ドリンク単体なら★x5でもいいと思いますが、送料が足枷に)
評 価→★★★★★ (リットル単位前提だとこれ一択。他のドリンクはもう飲みたくありません)
カタログ重量→ 1lb (内容量 452g、約20杯分)