購入価格: 完成車付属品 ※GIANT SUITTO2
標準価格: 不明
『実はVELO製のGIANT純正サドル。広い座面と低反発素材が快適だが、座りっぱしだと辛い。水を吸いやすいので注意』
■実はVELOのコンフォート系サドル
GIANT COMFORT LITE MEMORY FORMは、GIANTのクロスバイクCROSSやSUITTO2に採用されているサドルだ。CROSS付属のものはカラーがグレーだが、SUITTO付属のものはブラウンとグレーの二色だ。二色の合皮と縫い目がオシャレで、街乗り自転車に合っている。
このサドルは低反発ウレタンフォームを採用したコンフォート系のものだ。ESCAPEのCOMFORT LITEよりパッドが柔らかい。また、シェルの裏側の前方は肉抜きされていて、尿道の痺れを防ぐ効果を狙っている。レールは一般的なクロモリ製だ。
実はこのサドルはVELO製のものだ。GIANTの完成車に付属するサドルや純正パーツのサドルは、VELOのものをGIANTの商品名で販売していることが多い。GIANT SEEK R3、FIXER Rもそうだった。サドルにはVELOのロゴがあるだけでモデル名までは特定できなかった。
GIANT COMFORT LITE MEMORY FORM。VELOのロゴがちらっと見える。
■快適だが長時間座りっぱなしだと辛くなることも
このサドルは低反発素材が尻の形にフィットし、座面の広さと相まって尻の荷重を適度に分散してくれて快適だ。軽快車のようにサドルに自分の体重のほとんどをかけるような感じでも、硬いスポーツサドルにどっかり座るよりはずっと快適だ。FIXER付属のサドルは柔らかいが座面が狭くて尻や尿道が痛かった。このサドルは座面の広さと低反発素材が快適性に有効に働いていると思う。
しかし、快適なのは、数十分の走行や信号のある道路での頻繁な乗り降りがある場合に限られる。いくらコンフォート系サドルとはいえ、川の土手のポタリングのように、サドルから乗り降りせずに延々と走るような状況では尻が痛くなってしまう。
メモリーフォームというと柔らかいサドルカバーに使われている印象だが、このサドルはゲル入りのサドルカバーよりはずっと硬い。長時間、長距離の走行ではサドルカバーを取り付けるか、パッド付きのインナーパンツを着用した方が良いだろう。また、尿道の痺れは生じていないが、サドル先端の肉抜き穴のおかげなのかは良く分からなかった。
スポーツ系の硬いサドルの時と同様、ペダルに加重するようにすれば尻が痛くなりにくいが、このようなコツを使わなくとも尻の傷みはある程度なら軽減してくれる。SUITTOやCROSSの用途には合っているサドルだと感じた。
■低反発素材が水を吸うので注意
このサドルの最大の弱点は、低反発素材が水を吸収してしまうことだ。洗車や雨天で水をたっぷり吸ってしまうと、数日経ってもなかなか乾かない。かなりの日数が経っているのにサドルは乾燥せず、サドルに座るとズボンの尻の部分に水が染みてみっともない。だから、低反発素材を押し出して水を絞り出し、ベランダの直射日光の当たる場所で1週間以上干してやっと乾いた。
■目的・用途によっては使いやすいサドル
このサドルはインナーパッド付きのパンツなしでは尻の傷みを軽減し、インナーパッド付きパンツを着用して快適といえるレベルになると感じた。スポーツ走行に向いているサドルではないが、通勤通学や普段使いには向いていると思う。私はSUITTOではのんびり走る事が多く、サドルに体重のほとんどをかける座り方をすることが多い。このサドルはのんびりしたサイクリングの快適さに貢献してくれる。
VELOのモデル名が特定できず、このサドルが単品で入手可能かどうかは分からない。VELOの同様の低反発素材のサドルなら、同じような使用感や問題点があるかもしれないと思い参考までに投稿した。
価格評価→ - (販売価格が不明。2,500円前後ならコスパが高い)
評 価→★★★★☆ (目的や使い方によっては快適。水を吸収しやすいので注意)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→不明