購入価格: ¥140〜 (税込)
『江戸川CRのすぐ近くにある帝釈天参道。その中でも特に食べ歩きにおすすめのお店。まずはどら焼きから食べてみてほしい』
■ 帝釈天参道の店でも特におすすめのお店
柴又公園は江戸川サイクリングロードを走るサイクリストにとって数少ない休憩場所だ。柴又は映画「男はつらいよ」の舞台になった町で、柴又公園には寅さん記念館や山田洋次ミュージアムがある。帝釈天は柴又公園のすぐそばにあり、江戸川サイクリングロードを降りて300mくらい走れば到着する。週末には京成柴又駅まで続く帝釈天参道が観光客で賑わい、ロードバイクやクロスバイクを押しながら食べ歩きを楽しんでいる人も多く見かける。帝釈天参道は距離が短く、自転車を押し歩きしながら観光しやすい場所だと言える。
さて、今回は帝釈天参道の中でも「い志い」という店を取り上げてみたい。い志いは前回の投稿でも軽く触れているが、それでもまた投稿するのはい志いのお菓子が素晴らしく美味しいからだ。最初はどら焼き目当てで通っていたが、他のお菓子もかなりレベルが高い。
写真: 帝釈天参道に店を構える”い志い”
■ 創業は文久二年
い志いは文久二年に帝釈天参道に呉服店として創業した店で、常連客に出していた茶菓子や漬物が評判になって、戦後は茶店として営業するようになった。い志いの木造建築は築200年。見るからに歴史を感じる佇まいだ。だが、い志いは歴史を守るばかりではなく、積極的に新しいお菓子も作り出している。お店の人の話によると、ここの若い職人さんは京都の老舗和菓子店で修行したとのことだ。
男がつらいよが終わって以降、帝釈天を訪れる観光客は減少傾向にあると聞く。いろいろなお店が観光客を呼び込むために新しい価値を生み出しているが、このい志いも創意工夫で寅さんを知らない世代の心も掴みつつある。
写真: い志いはお菓子とお漬物の店だ
■ 庶民的なお菓子なのに上品さを感じる味。しかもお手頃価格
い志いのお菓子はさらっとした甘さで上品な味わいだ。餡には大納言を使い、砂糖には和三盆も使っている。餡も二日がかりで手間がかかっている。老舗和菓子店の伝統的な技法と厳選された素材でどら焼きなどの庶民的なお菓子を作るのだから、これは美味しいのも納得できる。また、ここでは米粉や和三盆を使った洋菓子も買うことができる。これらも高級感のある深い味わいだ。私が今までに食べた具体的なお菓子は以下の通り。どのお菓子もこの値段では食べられないような味ばかりだ。
①どら焼き 1¥90〜210 ※食べ歩きにおすすめ
どら焼きはい志いの代表的なお菓子だ。餡は前述の通り手間がかかったもの。ふっくら丁寧に焼き上げた皮は香ばしく、ほんのりした甘さが皮との一体感を増す。スタンダードな構成だが、味はかなり洗練されたもの。庶民的なお菓子らしくしっかり食べ応えはあるのだが、後口がさらりとしていて、水を飲まなくても口の中がベタベタしない。
この完成度の高いどら焼きの中に、生クリームを入れた”酪どら”は絶品だ。餡に生クリームを合わせただけのお菓子は他にもありそうだが、これは別物。生クリームも餡と同じようにサラッとして見事に調和する。餡と生クリームを混ぜた”塩どら”も上手い。また、秋には栗入りのどら焼きがあるし、餡に桜の塩漬けを入れた桜どら焼きも美味い。い志いのお菓子はまずどら焼きがおすすめだ。
写真: 寅に濁点を付けてどらやきと読む。食べ歩きはまずこれがおすすめ。持ち帰りには保冷剤を付けてくれる
②最中 ¥190
パリッとした皮には、美味しい餡がたっぷり。”太っ腹最中”という商品名の通り食べ応えがあり、1個でも十分に満足できる。このお店はお菓子によって餡の甘さなどを変えており、この最中の餡はしっかりした濃い味付けだ。しかも、ここの最中は皮がふやけないように注文してから餡を詰めてくれる。その日のうちなら持ち帰っても美味しいが、皮のパリパリ感を味わいたいなら、やはり食べ歩きがいい。
写真: 太っ腹最中。大手老舗和菓子店の最中よりもはるかに美味い
③ロールケーキ ¥1,200
い志いのロールケーキは後述するお米のロッシェと共に三越にも出品している。米米ロールの名からも分かるように、米粉を使ったロールケーキだ。だが、このロールケーキの驚きは生クリームにある。この生クリームは牛乳の風味を強く残していてフレッシュ感があり、脂肪分のきつさが全くなく、口の中でさらりと溶ける。おそらくどら焼きも同じ生クリームのはずだ。また、上に乗った焦がした和三盆の香ばしさもアクセントになっている。洗練度、上品さ共にい志いのお菓子を象徴する味。こちらはお土産におすすめしたい。
写真: 米米ロールはお土産におすすめ。地方の友人に発送したら大変喜ばれた
④パイエクレア ¥190
パイエクレアはサクッと軽いパイ生地に、カスタードとマスカルポーネチーズを混ぜたクリームを挟んだものだ。生地の上にはやはり和三盆の粒。黒ゴマと共に香ばしさを添える。和三盆や黒ゴマを使って、和スイーツであるということを強調しているが、食べてみるとこれはれっきとした洋菓子。同じくらいの値段で買える洋菓子の味とは比べ物にならない。これも食べ歩きしやすいお菓子だ。
写真: 洋菓子の方が好きならこのパイエクレアもあり
⑤豆大福 ¥160
豆大福は最近レギュラー入りした商品のようだ。豆大福はどら焼き同様に簡単に買える庶民のお菓子であることから、他の店との味の差がはっきりと分かりやすい。私は雑味や甘さがダイレクトに舌に広がるこしあんはあまり好きではないのだが、この豆大福のこしあんは別。甘さが控えめで、美味しさだけが口の中に広がる。
この豆大福の驚きは皮のうまさ。あまりに美味しいので店員さんに聞いてみたところ、この皮はその日のお米を精米してからついたものとのこと。舌触り、柔らかさ、のどごしの全てが完璧で、この豆大福は私が今まで食べたものの中で一番美味い。同じ餡と皮を使ったぶどう入りの大福も美味かったが、これは期間限定で一度しか食べられなかった。
写真: 豆大福は最近のお気に入り。皮がうまいのが最大のポイント
⑥茶饅頭 ¥140
ここでは”申饅頭”という商品名で売られている。素朴な味わいだが、他のい志いのお菓子を食べれば、他のお菓子に共通する良さがわかるはずだ。他のお菓子よりも小ぶりなサイズなので、江戸川の土手を走る際のエネルギー補給のために持っていっても良さそうだ。
写真: 申饅頭。手頃な大きさでエネルギー補給にも良さそう
⑦ロッシェ ¥400、鹿の子羊羹 ¥1,200
お米のロッシェは米粉を混ぜたメレンゲを焼いたもの。軽くて口どけがよく、紅茶と一緒に食べたくなる味だ。3つある味の中で私が一番好きなのはくるみ味だ。ここの鹿の子羊羹は、私が食べたお菓子の中では一番甘みが強く、二切れくらい食べれば十分に満足できる。い志いの職人さんの腕をしっかりと感じられる逸品だ。
写真: お米のロッシェと鹿の子羊羹。どちらも茶菓子に最適だ
⑧その他
い志いは週末限定、期間限定のお菓子が多く存在する。写真は撮っていないが、水羊羹やぼたもち、栗の蒸し羊羹など、どれも上品な味で満足感が高かった。訪れるたびに新しいお菓子に出会えるのもい志いの魅力だと思う。
■ 柴又公園で休憩する際にぜひ寄って欲しいお店
平日はお菓子を食べず、週末に自転車でい志いにお菓子を買いに行くのが私の楽しみになっている。今までたまに食べたくなるお菓子はあっても、こんなに頻繁に買いに行くようなお菓子はなかった。それだけここのお菓子は美味しいのである。
何度も通って感じたのは、お店の方の人柄の良さだったり、下町らしい人情味だったり、お菓子に対する思いだ。通うきっかけはお菓子の美味しさだったけど、最近では美味しさを超えた何かを楽しめるようになってきた。もちろん、自転車で来たことが柴又の面白さを引き上げてくれたことはいうまでもない。
柴又は江戸川サイクリングロードを代表する名所だが、特にい志いはおすすめのお店。柴又公園で休憩する際には是非寄って欲しい。江戸川サイクリングロードの良い思い出になるはずだ。
写真: 帝釈天参道のお店は17:00くらいまでには閉店するので注意
価格評価→★★★★★ (リーズナブルなのに品のある味)
評 価→★★★★★ (どのお菓子もハズレなし。自転車を押しながらの食べ歩きにもおすすめ)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー