購入価格 ¥35000ぐらい
HopeのMTB用ディスクブレーキ。フリーライドバイクに使用している。真っ黒+チタンボルトのStealth Editionを購入した。
Hopeのブレーキはバリエーションが多く、レバーがTechとRaceの2種類、キャリパーがV4,V2,M4,X2の4種類ある。これはTechレバーとM4キャリパーの組み合わせなのでTech M4となる。一番制動力が高いのがTech V4で、一番軽いのがRace X2とされている。なお各々のレバーに4種類のキャリパーが付くわけではなく、Techにしかない組み合わせやRaceにしかない組み合わせがあるので注意が必要。2013からはTechレバーがVer.3にモデルチェンジしたのでTech 3となっている(レビュー内のレバーがVer.2)他、M4とV4の中間モデルと思われるE4というキャリパーが登場しているため、組み合わせは更に増加している。
Tech M4は調整幅が豊富なTechレバーに、ほどほど軽く制動力も高めなM4キャリパーを組み合わせてあるため、下り寄りのバイクには丁度良いセットとなっている。レバーはツールフリーでコンタクトポイント(効き始め)とリーチ(動き始め)を独立して調整できるようになっており、非常に使い易い。
制動力は標準的なブレーキよりは高い方だと思うが、富士見パノラマのような高速コースではギリギリといったところ。ゲレンデDH専門であれば重いがさらに効くV4キャリパーの方が良いだろう。絶対的な制動力はM820(Saint)やFormula ROには少々劣る印象を受けたのだが、その分驚異的なモジュレーションを持っており、カッチリしたレバータッチからは想像できないほどのコントロール性を持っているように感じた。この辺りに関しては海外のレビューでも軒並み評価されているため、コントローラブルなブレーキであるというのは間違いないだろう。
また、シンプルな構造でメンテナンスは非常に簡単。レバーはシール1個までバラバラにできる為不具合が出ても修理しやすく、エア抜きに関してもシリンジや漏斗は必要なく、手順も1回やれば覚えられるほど少ない。パッドは4ポッド用で横幅が広い物が必要だが、ShimanoのM755と一緒なので入手性は良い。他にもM755互換のブレーキは多く供給量やバリエーションも豊富なので、比較的安価に購入できるというメリットもある。1年間使ったが、シールを交換したりフルードを入れ替えたりしたのみで特に不具合はなし。Ice-Techローターと組み合わせているお蔭か耐熱性に関しても問題は無かった。
タッチ良し、性能良し、見た目良しと非常に魅力的なブレーキだと言える。XTRやFormula ROの滑らかなポリッシュ仕上げや、Avidのカーボンレバーもそれはそれで良いものなのだが、やはり私は削り出しの方が好きだ。ブレーキ性能を軽視してまで見た目を追求するのはMTBではやりたくないが、このブレーキはどちらも高いレベルで達成している。安いブレーキではないが、満足度を求めるなら是非選択肢に入れて欲しい逸品。
価格評価→★★★★☆(Made in UKにしては安い)
評 価→★★★★☆(Tech 3は更に性能が良いらしいので)