VP R73
購入価格 ¥3780(タキザワにて購入) (今回から常体にします)
安いくせして結構頑張ってくれる優れもの。恐らく買った人もいると思うので、呼び水として投稿。
噂では何処のメーカーの製品のOEMを生産していると言われているVPコンポーネント。その生産力を活かして作られたオリジナルパーツの1つが、このR73。上位機種に、ボディをHIPACカーボンという聞き慣れないカーボンに置き換えた、R73Hも存在する。こちらは2000円プラス程度で購入可能。ただし、重量だけで見れば105クラスなため、カーボン採用でもKEO2MAXに負けている。あまり軽量化に拘らないメーカーなのかも。
箱は厚紙を綺麗に整形したもので、白と赤で整えられている。蓋に大きく、"VP R73"と書かれている。開けるとまず、説明書が出てくる。クリートやペダルの取り付け方、トルクが書いてある。何ヶ国くらい書いてあったかは覚えてないが、たしか5ヶ国くらいは書いてたような…。 商品は箱の中で上と下に分かれている。上にはペダル本体、下にはクリートと固定用のビス、ビスとクリートの間に挟む金属プレートがそれぞれ6つずつくらい入ってる。どちらも何個か余ったから、6以上は入ってたかな。記憶が曖昧で申し訳ないです。
ペダル本体。 横幅の膨らみよう、クリート先端を保持する三角形の部分など、見た目のシルエットはシマノSPD-SLに似ている。質感は、値段に対しての安っぽさを微塵も感じさせない仕上がり。ボディカラーは、アルテグラのアイスグレーをを少し明るくしたような感じ。 テンション調整用のビスも付いているが、シマノやLOOKのような、テンションを示すインジゲーターのようなものが付いてるわけではない。ではどうやってテンションを調整すればいいのかということだが、ビスをねじ込んでいく部分の周りに、目盛りがプリントされている。目盛りを見ながら、スプリングテンションを左右揃えられるわけだ。当方は常にスプリングテンションはMAXにするので、締め込めるギリギリまで調整して終わりだった。 内容としては、これが実売4000円…?と疑ってしまう程の出来。素晴らしい!箱出しでは、左右のペダル回転性に差があるが、使い込むうちにグルングルン回るようになった。悪いベアリングではなく、グリスがちょっと硬くなってたのかも。
クリートはLOOK KEOシリーズ互換。実際にKEOのクリートをつけたことはまだ無いので、本当に互換性があるのかは追々検証したい。このクリート最大のメリットは、クリートが分割するところだろう。クリート交換時、片方を固定したまま残してもう片方を新品に交換することができるので、調整に手間取らない。既にセッティングが出ている人なら、最高に良いクリートになるはず。ただし、クリートカバーは無いためそのまま歩くとすぐボロボロになってしまう。
レビューへ移ろう。比較対象はシマノのSPDペダル、M520。 ステップインはもう慣れたが、購入初期は股間をサドルに打ちまくった…。ほろ苦い思い出である(泣)。パチン!という高い音は、住宅街では反響して結構響く。でも嵌め方次第ではたまに音が鳴らず、脚にゴリッとした感覚が伝わってくる。これも嵌ったのサインだが、数回思いっきり引き足してみないと不安になる。M520は、パン!という金属同士の衝撃音だったので、響きはしないものの音が小さかった。表裏がない分、嵌めやすさはM520の勝ち。今はどっちもどっちである。 ステップアウトは、当たり前だがテンションMAXだとM520より硬く感じる。でも少々足首の捻り方を考えてやれば、パチィン!と常に良い音を出して外れる。この音聞きたいがために、進めたはずの信号でわざと止まることもあるw外す瞬間が大好きだ。
肝心の剛性だが、いろいろ試してみた。平地スプリント、下ハン握ってのスプリントクライムなどなど。当方はまだまだ鍛える余地のある貧脚ライダーだが、特別ここではヤワだと感じることはなく、剛性十分である。M520では引き足時にすっこ抜けそうな感覚があったが、これに変えてからは皆無だ。シューズをカーボンソールのものに変えたのもあるからなのか、以前までより駆動ロスも減った。今までどうあがいても50キロに乗らなかったのが、スプリントで55キロを越したのもこのペダルに変えてからなので、駆動ロスが減ってるのは確実。ペダル1つでかなり楽になった。 あとは、クリートとペダルの耐久性ですな。
正直、ペダルはこのクリートのためだけに買ったようなものだ。元々スピプレにするかKEO2MAX、はたまたXPRESSOにするかで迷っていた。王道のKEO、プロ愛用のスピプレ、膝にやさしいXPRESSO。だがどれも高く、お財布が購入を許してはくれなかった。そんな時に見つけたのがR73。値段と分割クリートの魅力に取り憑かれて購入したが、上々である。 このペダルの利点は、何と言っても対費用効果が高いことに尽きる。同重量のシマノPD-5700と比べても遥かに安く、R73Hも5700Cより安く買える。ヘルメットがシマノレーシングカラーのレジモスで、ウエアもシマノ、コンポもホイールもシマノだからペダルもシマノに拘るって人(いるのか…?)は別として、とりあえず純ロード用のビンディングに変えたいって人にはおすすめ。VPは日本じゃマイナーメーカー扱いされているが、クロスや一部ロードのヘッドセットは結構VPが使われている。安物買いの銭失いにはならない、数少ないメーカーだろう。R73の次はR73Hを使ってみたい。
価格評価→★★★★★(他にも安く買えるところはあるが、タキザワでも十分) 評 価→★★★★☆(耐久性だけ分からんので) <オプション> 年 式→不明… カタログ重量→ 326g(実測重量325g)
そういえば、ホームページを見たら新しいペダルが出ていたみたい。 VP R76てペダル。白いね。最近のペダルらしい強化プラスチック採用の軽量モデルだそうだが、MAXテンションがR73やR73Hの半分、90kgf-cmしかない。ボディが持たないんだろうか…?
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