SHIMANO DEORE RD-T610-SGS
購入価格: ¥3,693 (税込)
標準価格: ¥4,127 (税込)
『チェーンの位置によっては音鳴りやチェーンのブレが気になる。仕上げの美しさはDEORE XTと同等』
■評価が変わったので再投稿
私がクロスバイクを10速化するにあたって選んだコンポーネントは、DEORE T610シリーズだ。リアディレイラーのRD-T610がロード用のカセットスプロケットに対応するというのが導入の決め手になった。CS-4600 12-28Tとの組み合わせは、ギアの繋がりが良く、平地の巡航でとても使いやすい。また、トレッキング用に最適化されたスプリング力のおかげで操作感が軽く、ストレスを感じさせない。
このリアディレイラーには概ね満足していたが、10ヶ月後にDEORE XT RD-T780にアップグレードしたところ、今まで気になっていた点がはっきりと分かるようになった。このことで評価が変わったので、再度投稿することにした。
図: RD-T610-SGSのスペック
■音鳴りやチェーンのブレの原因はプーリーのガタ?
使用開始当初から、フロントがアウターギア、かつ、リアがローギアから3枚目か4枚目の時に、チェーンが横にブレてリア側から音鳴りがした。この状態はチェーンが斜めになるので使うとしてもごく短時間だけだが、シャリシャリした音鳴りやチェーンのビビリ音のようなものにストレスを感じることがあった。
音が不快ならミドルギアに落として同じくらいのギア比を得れば良いので、実用上はあまり問題ない。ただ、RD-T780のようにストレスなく幅広いギアが使えないのはちょっと残念だ。これは何度調整しても解消することができず、こういうものだと思って諦めていたのだが、DEORE XT RD-T780に交換したところ、音鳴りやチェーンのブレが激減してとても快適になった。
RD-T780と比べると、RD-T610はガイドプーリー、テンションプーリー共にガタが大きめだ。シマノのガイドプーリーは左右にスライドするようになっているが、RD-T610は上下方向にガタがあって、必要以上に左右に動く印象だ。テンションプーリーは左右方向にもガタがある。一方、RD-T780のガイドプーリーは軸にきっちりはまっていて、左右にスライドする動きが渋め。あくまで推測にしかすぎないが、こうしたガタの有無がチェーンのブレに繋がるような気がした。
写真(左): この状態では音鳴りとチェーンのブレが大きくなる (RD-T780では全く気にならない)
写真(右): RD-T780のプーリー。RD-T610のプーリーはただの金属製のブッシュを用いたもの
■DEORE XTと同等の美しい仕上げ
前回の投稿では、RD-T610の仕上げの美しさを高く評価した。DEORE XT RD-T780と見比べると、仕上げの美しさがほぼ同じことに驚かされた。これはかなりポイントが高い。
シマノの「2014-2015 製品情報」によると、RD-T610もRD-T780も塗装による仕上げだ。RD-T780のようにロゴが立体的ではないものの、ブラックの光沢感や表面の滑らかさなどは全く同じレベルだ。
DEORE T610というコンポーネントはグレードの割に質感が高い。中でも、リアディレイラーRD-T610は特にきれいな仕上がりで、見た目を高める上でもコストパフォーマンスが高いと言える。リアディレイラーは目立つパーツなので、クロスバイクの性能と見た目の両方を高めたい場合に有効だ。
写真: RD-T780に比べても遜色ない美しい仕上げ
■デメリットよりもメリット方がずっと多い
チェーンの位置によってはチェーンのブレや音鳴りが気になったが、それでもDEORE RD-M591やACERA RD-M360よりはずっと気持ちよく使える。軽い操作感、正確な変速、美しい仕上げ、ロード用スプロケへの対応など、RD-T610にするとメリットの方がずっと多い。コストパフォーマンスが高く、手軽にクロスバイクを10速化できるパーツだと思う。
図: RD-T610の良い点と悪い点
価格評価→★★★★☆ (値段の割に良いリアディレイラー。特に仕上げの美しさはグレード以上)
評 価→★★★★☆ (良いリアディレイラーだが、チェーンのスムーズさや滑らかさでちょっと減点)
<オプション>
年 式→2014年
カタログ重量→304g(実測で296g)