購入価格: ¥475 (税込)
『自転車の塗装に使うと思ったよりきれいに仕上がるが、確実に作業したいならコンパウンドの方がおすすめ』
■自転車のフレームにピカール液を試す
日本磨料工業 ピカール液は金属磨きの定番で、以前にステンレス製のエンブレムやブレーキレバーを研磨したことを投稿した。今回はピカール液をコンパウンドの代用として自転車のフレームに試してみたという内容だ。
私はクロスバイクにスコッチカルで作成したロゴを貼り付け、上からナガシマのウレタンクリヤーを塗って保護している。だが、トップチューブのGIANTのロゴだけは剥がしたくなってしまった。クリアーを1500番の耐水ペーパーで磨いて除去しつつ、スコッチカルを剥がすことはできた。その後、2000番で水研ぎし塗面を平滑にはできたが、磨き跡が残って白く曇ってしまった。
自動車のコンパウンドで仕上げようと思ったのだが、倉庫になかったのでピカール液で磨いてみた。すると、耐水ペーパーの磨き跡はきれいに消え、ピカール液で磨いていない部分との差がほとんど出なくなった。更にワックスをかけたら全く分からなくなった。トップチューブ以外の部分で試しても同様だった。
とりあえずある程度ごまかせれば良いくらいにしか考えていなかったし、だめだったらコンパウンドを買おうと思っていたのだが、ピカールとワックスで何とかなった。これはコンパウンドの代用になるかもしれないと考え、その後入手した自動車用のコンパウンドと研磨剤の大きさや使用感を比較してみた。
クリアーを耐水ペーパーで除去し、ピカール液で磨き、ワックスをかけて仕上げた。
■ピカール液の研磨剤の大きさと番手
ピカール液とSOFT99の研磨剤の大きさと番手は以下のようになる。ピカール液はメーカーサイトを参照し、SOFT99は番手が分からないのでメーカーに問い合わせた。
○SOFT99 コンパウンドトライアルセット 細目 → 平均粒子サイズ 10~15ミクロン、2000〜3000番
○SOFT99 コンパウンドトライアルセット 中細 → 平均粒子サイズ 3ミクロン、3000番
◎ピカール液 → 平均粒子サイズ 3ミクロン、4000番
○SOFT99 コンパウンドトライアルセット 極細 → 平均粒子サイズ 1ミクロン、7500番
○SOFT99 液体コンパウンド → 平均粒子サイズ 1ミクロン、9800番
このようにピカール液の研磨剤の大きさは、SOFT99 コンパウンドトライアルセットの中細と極細の間くらいになる。中細は塗装面の磨き後を消すのに用いるもので、極細は補修の仕上げに使うものだ。ピカール液は仕上げに使うには粒子が大きいが、塗装面の磨き後を消すのには使えるといった感じだ。
左: 日本磨料工業 ピカール液 中央: SOFT99 コンパウンドトライアルセット 右: SOFT99 液体コンパウンド
■SOFT99の使用感との比較
実際にSOFT99のコンパウンド中細でクロスバイクのフレームを磨いてみると、磨き跡で曇った感じになってしまう。一方、ピカール液で磨くとあまり曇った感じにはならないが、ワックスがけしてて全くわからなくなるという感じだ。研磨剤の大きさはほとんど同じだが、ピカールの方が番手が大きいというのは使用感からも明らかだ。
その後、極細と液体コンパウンドを試したら更に光沢感は増したが、ピカール液とワックスの仕上げでも不満があるわけではない。ピカール液は研磨剤が大きく磨き跡を消すのに時間はかかるが、その代わり曇りが少なくきれいに仕上げることができると感じた。
■使えるかどうかは塗装の状態にもよる
これは自転車のフレームの塗装の粒子の大きさや光沢感にもよると思う。私のクロスバイクは、工場で仕上げを吹いた後に研磨して仕上げてはいないようだ。特にフロントフォークは、近づくと光の加減で塗装のムラが見える。この程度の表面の仕上げなら、ピカールで磨いても他の部分との光沢の差は出にくいと感じた。
ただし、テカテカにクリアが厚塗りされて光沢感が高い自転車にピカール駅を使ってしまうと、光沢感が鈍くなり曇ってしまうだろう。また、つや消しの塗装では光沢感が出てしまうので使えない。GIRO REVERBのキズついた部分に使ったらテカテカになってしまった。
■研磨剤の大きさの異なる数種類のコンパウンドの方が確実
つまり、ピカール液は自転車の塗装面に使えないことはないということだ。耐水ペーパーの2000番くらいの磨き跡を消し、自転車の塗装の状態によってはピカールの磨き跡もほとんど目立たない。ただし、キズ消しと仕上げがこれ一本で済むかどうかは塗装の状態にもよる。
今回はたまたまコンパウンドの代用品として使ったが、本来ピカール液は金属用だし、研磨剤の大きさの異なる塗装用のコンパウンドを
数種類用意しておいた方が確実に仕上がるはずだ。
ピカール液がどの程度自転車のフレームに使えるのか試せたのは大きな収穫だったが、コンパウンドを手に入れた今となってはフレームに使うことはないだろう。フレームを磨くために入手するなら、素直にコンパウンドをおすすめしたい。
価格評価→★★★★★ (ホームセンターで安く購入できる)
評 価→★★★★☆ (自転車の塗装にも使えないことはないが、研磨剤の異なる数種類のコンパウンドを用意した方が確実)