購入価格 ¥50,250
今年はホイールを購入する予定を立てていたのだが、本命のホイールが予定に間に合わない事が判明し、急遽更にホイールを増やす事にした。
その際に、今持ってるホイール(こちらのホイール (
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10050&forum=30&post_id=17284#forumpost17284)と性格が被らないように考え、平地向けでブルベなどに使えそうなWOホイールを考えた結果これになりました。
結論から言うと、ちょっと人を選ぶホイールのような気がしてます。
走行距離は1000km程度ですが、私の感覚ではとても万能ホイールとはいえません。
平地、上り、下り、快適性、耐久性、見た目と6項目でレビューしていきます。
装着したタイヤはContinentalの定番GP4000S 23Cです。
比較対象は上の手組ホイール(以下手組)になります。
・平地
手組と比較すると圧倒的に良いです。
実測したわけでは無いのですが、リムはかなり重いようです。しかし、漕ぎ出しは悪くない。
軽快さそのものは手組方が上なのですが、RS81C35の方がスムーズに加速できます。
手組はすっと加速。RS81C35はすーっと加速する感じ?
どちらも20km/hに達するまでに必要な力は同じなのですが特性が違う感じです。(伝わりにくくてごめんなさい)
ただ、思いっきり踏み込んで無理に加速しようとすると重さを感じるので急激な速度変化を避けた加速をすればという条件付きになりそうです。
加速がスムーズに感じるのはハブの回転が良いから、駆動剛性が良いから、リムの剛性が高く精度が良いから等の理由があると思います。
ハブの回転はスムーズですし、駆動剛性も手組と比較して大差なく良く感じます。
またリムですが35mmのアルミカーボンリムなのでリム単体もとても剛性が高く、リアも2:1組がうまく働いてるのか力が逃げるような感じはしません。
またシマノ謹製ということでとても精度が良いようです。
フレも無くそれらすべてが相まって力が逃げたり、変な変形や歪みでロスが発生していない感じです。
フロントなんか思いっきり体重を乗せてもまったく歪む気配がしません。
また、巡航時では少スポークとエアロスポークが良い仕事をしてくれてるようです。
確かに下りなどで速度が上がるとヒュルヒュル音がしてるので多少は空気を乱してるようです。
しかし、32Hの手組と比べると流石に違います。
30km/h以上が圧倒的に楽になります。
このホイールに求めた性能の一つで、これは満足できます。
しかし、ちょっと困ったのは上記の通りエアロ効果を大きく体感できるのが30km/h以上、少なくとも25km/h以上の速度は出していたいように感じます。
それ以下の速度だと、手組と大差が無いですしそのような条件となると市街地やカーブが多くあり速度が低下してる状況が考えられます。
そうなってくると何度も加減速を繰り返して、加速の際にリムの重さを感じ始めてしまうため旨みが一気に薄れます。
むしろ手組のほうが楽かも?なんて感じる可能性があります。
その為、このホイールを履くと私の意思とは無関係に、問答無用で30km/h以上の速度域を維持しようとしてしまいます。
25km/h以下の速度ではこのホイールの性能を活かせず、30km/h以上出した方が効率的には良くなり楽だからです。
しかし、速度を出せばそれだけ必要な出力も上がり、その出力を楽に出せるなら問題ないでしょうが・・・私はそんなに強くないのでダメなんです(泣)
私が履くとどうなるかというと
『履くと死ぬまで踊り続けてしまう呪いのかかった赤い靴の童話のように、履くと脚が死ぬまで踏み続けてしまう呪いのかかったホイール(笑)』
になってしまいます
平坦だけなら大丈夫なんですが、速度がどうしても下がってしまう状況が入ると・・・無理やり速度を維持しようと頑張ってしまい大変です。
しかし、その結果として非常に良い練習ができし、何よりロングライドなどでも平均時速が上がってるので・・・なんか酷評できない困ったホイールです・・・
・上り
これは手組のほうが優れています。
斜度のゆるいダラダラ続くような上りで、ある程度速度が維持できるならRS81C35も十分に活躍できるのですが、本格的な峠や山に入ると厳しいです。
かなり鈍重さを感じます。
駆動や縦横の剛性が高いので多少はその鈍重さを軽減してくれていますが、やっぱり重いです。
軽いギアを用意して回せる限りは、剛性が高いのでまだマシですが失速して回せるギアが無くなり始めると、とにかく上りは苦痛です。
私は上りが得意なのですが、それは出力が大きいからではなく、体重が極端に軽い(43~45kg)から絶対的なパワーが少なくてもパワーウェイトレシオは優れるためです。
上記の通り、絶対的な出力は他の人と比べるととにかく小さくなってます。
当たり前なのですが
45kgの人が20kgの重りを持ち上げる事、60kgの人が20kgの重りを持ち上げる事
45kgの人が200Wを出す事、60kgの人が200Wを出す事
これを同列にどちらも同じ苦労でできるとは思ってはいけません。
後者の比較で見ると、どっちらも同じ200Wですがパワーウェイトレシオは45kgの人は4.44W/kgで60kgの人は3.33W/kgになります。どちらが楽してるかは一目瞭然です。
なので上のindhigo_kirscheさんのレビューとは違い私は上りでの性能にネガティブな印象を持ってしまってます。
大きな出力を楽に維持できる人なら、上りでも私ほどネガティブな印象は受けないのかもしれません。
逆に私のような超軽量級のヒルクライマーなどは注意が必要だと思います。
・下り
ホイールの精度やエアロ効果、剛性の高さがあいまり非常に速度の乗りが良く、安定しているのを感じます。
高速でも変な振動など無く安心できます。
比較対象の手組が非常に残念な腕の私が組んだもので、更には32Hとスポークも多いので良くて当たり前かもしれませんが・・・
ホイール自体は重いので、あまり切り返しの多いグネグネした峠だと少し大変ですがブレーキの効きも良いのでさほど心配しなくて良いと思います。
・快適性
これは手組圧勝というか、私にはこのRS81C35が非常に快適性の低い、不快なホイールに感じてしまっています。
他の人とまた異なってしまうようですが、なぜそうなったのか考えてみます。
一つはGP4000Sと快適性を重視したタイヤでは無いこと、そしてもうひとつはやはり体重が軽いことが影響していると思います。
私の体重が軽すぎるため、このRS81C35では過剛性になってしまっているのだと思います。
一応、空気圧は0.3~0.4barくらい下げて使ってますがそれでも硬く感じます。
特に縦の硬さが酷い。これで荒れた道を走ると跳ねるし、振動は激しいし・・・と散々になります。
体重がある程度あるのならホイール自体のクッション性がうまく働いてくれるのかもしれませんが、私ではそうならないようです。
ブルベでの使用を想定していたのでここは残念な結果になりました。
350kmのライドに1度使いましたが、使って走れなくは無いんですけど・・・基本的によっぽど平坦が多かったりしない限り使いたくはありません。
タイヤを変えたり、フレームを快適性の高いもの(ちなみに私のフレームはこれまた快適性を無視したような硬さのRA6です)にすれば印象は変わるかもしれませんが、機材が無いためそこは評価できていません。
・耐久性
まだ評価は早いかもしれませんが、今のところ触れ等は出ていません。
ハブも2時間程度、雨天走行しましたが浸水は無く、グリスアップもまだですがなめらかに回ってます。シール性能はそこそこありそうです。
リムの硬さや重量から考えると耐久性は高いと思います。
・見た目
これは比較する問題では無いので単体で見ていきます。
私の結論を先に述べさせてもらうと非常にカッコイイと思います。
先代のRS80の時代より好みです。
スポークは少し幅の広めなセミエアロになっています。横の比較対象のスポークは2.0mmのプレーンスポークです。
幅は2.6mmで、CX-RAY(幅2.3mm)などに比べると少し広めです。
なので意外と迫力があります。
手組と比較すると圧倒的な存在感!
そのため視覚的な効果は高く、ブラックスポーク、35mmリムと相まってなかなか存在感があります。
また、単なるブラックスポークでは無くリアのDS側にはグラデーションがかかっています。
NDS側にはOPTBALの文字があり、なかなか拘ってます。
DURAの廉価版ですがこういうところに手を抜かないのは非常に重要だと思います。
ディープですからね・・・見た目で選んじゃう人もいるじゃないですか・・・
そういう人にはこういう所、すごく大事だと思います!
またハブも良い感じです。
フロントハブは完全に均一にスポークの穴がある訳ではなく微妙に偏った配置です(これが性能をのためにこうなったのか、単なるデザインのための意匠なのかはわかりません)
リアも今回から採用されたOptbal組(2;1組)デザインで現代的な完組ホイールらしくなっています。
軽量化を意識してか、フロント・リアともに横から見ると肉抜きされています。
個人的には真っ黒なハブにNDS側だけ、ちらりと研磨されたシルバーの面がちらりと覗いてるところが非常にポイントが高いです。
リムを見てみると、リムの文字は上から貼られたステッカーではありません。
文字はクリア層の下にあり安っぽさは少なく感じます。
デザインも、先代の野暮ったいRS-80 C50 と書かれたデザインより好みです。
変に何処かの文字が赤くなってたりしない、シルバー基調のデザインで自転車のカラーを問わず合わせやすいと思います。
一方でデザインが気に入らない人には剥がすことが出来ないのでマイナス評価かもしれません。
ニップル周辺も現代の完組ホイールらしく、少し盛り上がって強化されています。
貼られているカーボンはUDカーボンのようで、真っ黒ではなく貼られている繊維の方向が見えます。
全体を見てもデザインはかなりいいと思います。
35mmでもなかなか迫力があり、かなり戦闘的な感じになります。
買ってみると、写真で見るより実物はずっとよくかっこ良く見えました。
・まとめ
私の評価では万能系ホイールではなく、ちょっと重い平地向けで剛性の高く、快適性の悪いホイールといった感じです。
しかし、それもこれも私の体重が軽すぎる事が原因な可能性があります。
故に、体重が軽くて絶対的な出力の低い私のようなライダーの人は選ぶときに少し注意されたほうが良いと思います。
そういった方は、RS81-C24の方が良いかもしれません。しかしこのRS81C35の平坦重視の味付けは私の手持ちの中では唯一で、これに履き替えるとロードの特性がガラリと変わるので非常に面白いです。
重さの原因はリムのようなので乗り方、走らせ方を気をつけると多少マシになります。
あまり車体を振らないようにした方が重さを感じにくくていい感じがします。
重さと、乗り心地の悪さが気になりますが平坦と下りでは優れ、上りで劣るとなると2勝1敗でこのホイールの優れてる面が多くなっているので、ロングライドなどで使うと平均時速は上昇しました。
不満はあるのに結果は出るから本当に困ります。
それでもレースや大切なロングライドなどで使用するにはちょっと・・・って感じで普段の使用なら及第点は十分にクリアしています。
私にとっては、非常に良い練習ができるホイールなので手放す気はありません。
このホイールを難なく回せるようになればまた一つ上のレベルへ到達できそうです。
何というか、RS81-C35 CLはゲームで手に入る武器で
『コストパフォーマンスの高い武器。ただし、必要能力値が高めで、能力が足りないとペナルティがつく』
って感じの説明文がついてそうな感じのものです。
ある程度の出力、レベルの人が使うとその性能を発揮できそうです。
ちょっと買う場合は気をつける必要があると思いますが、考慮の末に選ぶなら性格の面白くカッコイイホイールですし、ありだと思います。
価格評価→★★★★★(私は非常に安く変えたので・・・)
評 価→★★★☆☆(私向けではなかったので・・・でもカッコイイし走ってて面白いので気に入ってます)
<オプション>
年 式→2013
カタログ重量→ 1666g
リムテープ込実測重量 F943g R766g
ベロプラグに変更後実測重量 F943g R750g 合計1683g