購入価格 ¥8000ぐらい
Speedplayのボディが摩耗して、新しいクリートにしてもうまく固定されなくなったのでこちらを購入。乗り換えの理由だが、Timeは膝に優しいという点や、割とアバウトな固定感というのが気になっていたが、購入の決め手になったのがQ-Factorに遊びがある(ラテラルフロート)という点。Speedplayではそのカッチリした固定感からQ-Factorの違和感に悩まされていたが、その辺が可動になれば解決するだろうと思いTimeを選んだ。
グレードはお試し購入だったので、ほどほど軽く色が合う6を選んだ。樹脂ボディにカーボンプレートなのでチープな雰囲気はない。I-Clicではカーボンプレートが地面にヒットしそうな位置にあり心配していたのだが、Xpressoでは奥まった位置になっている。また、脱落する事例が多かった踏み面のプレートはネジ止めに変更されており、スペアパーツとしても販売されている。
I-Clicを導入しなかった理由は重量だが、もう一つ気にしていたのが横からの見た目。ぼてっとしたボディが好きになれなかったが、Xpressoではすっきりした流れるようなデザインになっており、非常に気に入った。
幅・厚み共にすっきりしているように見える。
このグレードで211gなので、悪くない方ではないだろうか。I-Clicの同グレードに比べてかなり軽くなっている。
Speedplayに比べると、フローティングの感触は曖昧で、カチッと可動域が分かるSpeedplayに比べると、Xpressoはどこまでが設計されたフローティングなのか分かり辛い。セルフセンタリングが効くのが少々心配だったが、思ったよりも効きが弱かったので、少しでも足がずれると真っ直ぐ矯正される、というほど大げさではないように感じた。固定力は比較的高く、非金属ボディとクリートから想像するより遥かにしっかりした感触。広めの面(特に横方向)で接する感触で、摩耗していたせいもあるが、Speedplayに比べると驚くほどの安定感だった。ラテラルフロートは先述の通りフローティングの感触自体が曖昧なので、今どの辺りになっているのかは良く分からないが、ペダリングに合わせて変化しているお蔭か膝の痛みは少なくなった。ただ、ラテラルフロートが設定されている事からクリート側でのQ-Factor調整は外寄りと内寄りの2通りしかできないため、逆に1か所にQ-Factorをセットしたい人には向いていない。
クリートはそれこそSpeedplayからの乗り換えなので、歩いていて滑らないのは非常に楽に感じる。固定に必要な部分は内側の突起なので、歩行である程度摩耗しても影響しないのだが、砂が付くとフローティングが著しく渋くなったので、砂地を不用意に歩くのは避けた方が良い。
ただ、クリップインは噂通り分かり辛い。固定ポイントに上手く足を乗せられれば勝手に嵌るのだが、LookやSPD-SLのように爪先を引っかけてきっかけを作れず、かといってSpeedplayのように両面ビンディングという訳でもないため、裏返して表を向けたもののクリップインに失敗する事が良くある。随分とクリップインし易くなったとは聞くが、それでも他社に比べるとまだまだ難しい方だと思う。リリースは少々アングルが大きいもののスムーズに外れるので初心者でも問題なく使えるだろう。
今までロードのクリートは常に妥協ポイントというか、具合の良いポイントが見つからずにいたが、Timeにしてからはほとんどクリートの位置で悩まされることがなくなった。これは紛れもなくTimeのアバウトさのお蔭である。これまで使ったペダルシステムはSpeedplay、Look、SPD-SLの主要3社だが、「アバウト」というのはこれらには無い特徴だ。クリートセッティングに神経質な私には、却って少し遊びがある方が丁度良く、その結果ひとまずクリートの位置で落ち着く事が出来た。
クリートの位置がどうもしっくりこない場合にもTimeに乗り換えるのは有効かもしれない。私はTimeに乗り換えて良かったと思っている。
価格評価→★★★★☆
評 価→★★★★☆(上位モデルがあるので)