購入価格: ¥19,500 (税込) ※フルジップシャツ、ハーフタイツともにこの値段。合計¥39,000
『軽い負荷でも運動強度を上げやすく、翌日に疲労が残りにくい画期的トレーニングウェア』
「サイクルトレーナーを使用したロードレーサー専用加圧トレーニング」のパンフレットが、最近、ワイズロードなどのショップに置かれている。私は加圧ベルトを持っているので、この「ロードレーサー専用加圧トレーニング」を試すためにパンフレットをもらってきた。シングルスピードを固定ローラー台に取り付けて早速試してみた。
加圧トレーニングとは、上肢、下肢を特殊なベルトで適度に締め付けて血流を制限して行うトレーニング方法だ。ベルトで血流を制限することで、筋肉ないの酸素供給が少なくなり、大量の疲労物質も溜まってくる。通常、小さな負荷(最大筋力の20〜30%)では遅筋線維が使われるのだが、筋肉がきつい状態になっているため遅筋だけでは軽い重りでも持ち上げることができないので、速筋まで動員して重りを持ち上げて速筋を刺激する。この時に、重いバーベルを挙上した時と同程度の成長ホルモンが発生し、その量は安静時の約300倍と言われている。軽い負荷でも筋肥大が可能な画期的トレーニングが加圧トレーニングだ。
トレーニングは以下の3種類に分けられていた。
①低めの運動強度で、主にコンディショニングやリカバリー、脂肪の燃焼を目的としたトレーニング
②やや高めの運動強度で、有酸素運動、LT値向上を目的としたトレーニング
③高い運動強度で、インターバルトレーニングや最大酸素摂取量向上を目的としたトレーニング
まず、①のトレーニングを行なってみたが、低いギア比でゆっくりと漕いでも脚が適度に張ってくる。自分としてはそんなにきついわけではないのだが、脚はパンパンになる。ちょっと張りがきついと思った時には、除圧してもう一度加圧しても良いと思う。翌日に疲れもほとんどないので、軽い気持ちでトレーニングしやすいと感じた。
②③のトレーニングは非常にきつかった。しばらく加圧ウェアは使っていなかったのだが、加圧ウェアでの筋力トレーニングの痛さと辛さを思い出した感じだ。低いギア比で、ローラー台の負荷を最弱にしても(というか上げられない)、脚はパンパンに張ってきてとても痛い。軽い負荷でも運動強度がとても高く、息はゼエゼエと切れるし、心拍数も上げることができた。正直あまりやりたくないくらいきつい。あまりにきつくて、途中で除圧してしまった。
軽い負荷でも…というと楽なイメージがあるのだが、普通にローラー台でインターバルトレーニングを行った方がずっと楽だと思う。だが、高強度なインターバルトレーニングは、翌日へのダメージも残りやすい。このトレーニングはやってる時はきついが筋肉痛になりにくく、翌日に疲労が残りにくい。疲労が翌日に残らなければ、翌日のトレーニングをリフレッシュした状態で行うことができると思う。
マラソンのエリートランナーはLTラインよりもかなり上で走っているという。つまり、かなり速筋も使っていて、強度的にはちょっときつい感じで走っているらしい。加圧ベルトをで血流を制限すれば、軽い負荷でも運動強度を上げやすくなるので、LT値向上に役立つと思う。軽い負荷のインターバルトレーニングでも、血流を制限しているので運動強度を上げるやすくなり、エネルギー代謝の過程で発生した二酸化炭素は呼吸を刺激して心肺機能の向上にも役に立つということだろう。また、マラソン選手は、筋肉をエネルギーにして走っているという。近年、マラソン選手もスピード向上と筋肉を減らさないようにするために筋力トレーニングを導入しているようだ。この加圧ウェアを使えば、筋量を増やすこともできる。長距離のロードレーサーにも、加圧ウェアでのトレーニングは向いていると思う。
トラックのスプリント種目にもこの加圧ウェアは向いている。競輪の選手は脚がとても太いが、重いペダルを高いケイデンスで回し続けると、血流が阻害されて脚がパンパンになった状態になるからだ。加圧ウェアは、軽い負荷でも脚を太くしやすい。
私はトレーニング①と②をたまに行なって健康維持を目的としている。自転車のトレーニング(というかフィットネス)ではまだ経験が浅いが、他の競技でオフシーズンに加圧トレーニングをずっと導入していた時には、筋肥大の効果が非常に高かった。また、成長ホルモンには脂肪を分解する効果もある。
筋肥大のしやすさ、運動強度の上げやすさ、成長ホルモンの分泌、小さい負荷で翌日に筋疲労が残りにくいという点でおすすめ。自転車だけではなく競技全般、健康志向の人に役に立つウェアだと思う。
※レビューだけでなく加圧トレーニングのメカニズムもあえて説明も入れて、加圧ウェアの効果を分かりやすくしました。
価格評価→★☆☆☆☆ (非常に高価)
評 価→★★★★★ (高いだけあって効果は絶大)
(ワイズロードやスポーツデポにおいてあるパンフレットにトレーニング方法が載っている)
(かなり使い込んだベルト)