201X年に日本に新たに誕生したロードバイクのブランドが『Montres(モントレー)』だ。
モントレーとは群馬県にある妙義山・榛名山・赤城山の3つの山の総称である「上毛三山」の愛称ともいえる、フランス語で3つの山を意味する言葉だ。ロゴマークも上毛三山を意識したものになっている(黄=妙義山 青=榛名山 赤=赤城山。群馬の南から見たときに、ちょうどこの順番で山が並んでいる)。そのブランド名からもわかる通り、群馬に拠点を置いて企画、デザイン、開発を行っている。
そんなモントレーの第一弾モデルが、長距離の走りでの快適性を重点においたオールラウンドなモデル「ENDURO(エンデューロ)」である。今回はそのENDUROのプロトタイプのレポートをお届けする。
モントレーのフレームのコンセプトは「極限の性能よりも極限の乗りやすさを追求する」である。
そのコンセプトを実現するために、まず直進安定性と回頭性を両立させて乗りやすさの追求を目指してジオメトリをモントレーが考える理想的なものとし、長距離を走ることを前提にしているためアップライトなポジションが取りやすいようになっている。
ヘッドチューブは最近では一般的になりつつあるテーパードヘッドを採用しているが、剛性が過度にならないように下ワンのサイズが1-1/4インチになっている。BBはプレスフィット式であるが、扱いやすさに優れるBB86が採用される。
シートステーは振動吸収性を高めるとともに、ウィップを生かして推進力が得られるようにかなり細めに作られている。
けれど、ダウンチューブからBB、チェーンステーにかけては高い剛性を確保しているため、踏み込んでもしっかりとパワーを受け止め前へ前へと押し出してくれる。
シートポストは写真のプロトタイプモデルはエアロ形状のISPであるが、市販品はより快適性を高めるために真円形状のノーマルタイプのものに変更される予定だ。
総じて、剛性、快適性、重量、どれを取っても平均点以上の性能を発揮しているが、他メーカーのトップエンドモデルと比べてみると圧倒的な性能を持っているとは少し言い難い。
しかし、乗りやすさはそのコンセプト通り、極められていると感じることが出来た。登りでは920gの重量と適度なウィップのおかげで軽いギアで回してやればスイスイと登っていき、下りではヘッド部を中心に高められた剛性により思い描いたラインを確実にトレースしていくことが出来る。もちろん平地もぬかりないし、150km超の距離を走っても脚への負担が少ない。とにかく乗っていてストレスの少ないバイクであった。
最も性能が発揮できるのはロングライドやグランフォンドなどの長距離を長時間走るようなイベントであるが、レースでも十分に戦えるだけの性能も併せ持っている。長距離をより楽に、より速く走りたいという人にとっての新たな選択肢となりえるフレームだ。値段はオープン価格の予定であるが、恐らく25~30万円の間になると思われる。
このENDUROが発売される数か月後には、エアロ性能と平地での走りやすさをより追求したAERO STORMも発売される予定だ。
こちらはENDUROをベースとしながらも、各チューブをカムテールのエアロ形状とし、全体的に剛性を更に高めて平地で速く走れるようにするとともに、パワーライダーにも対応している。また、ブレーキはトレック・マドンシリーズのようにダイレクトマウントタイプになっており、ブレーキ剛性とエアロ効果も増している。
これからもさらにバリエーションが増えていくであろうモントレー。「極限の乗りやすさ」を追求したジャパニーズブランドの今後の発展に、ますます目が離せない。
価格評価→★★★★☆(コストパフォーマンスは高いはず)
評 価→★★★★★(今度は是非市販バージョンに乗ってみたい。期待。)
<オプション>
年 式→?
カタログ重量→920?g(ENDURO)
※このレビューはあくまでJOKEであり、このようなフレームが発売される予定は一切ありません。悪しからず。