梅田新道に輝く黄金の逆三角錐。
東京日本橋の日本国道路元標の存在は観光客にもちゃんと認識されている感があるが、大阪市の道路元標は見向きもされていない。通行人もガン無視。単なるオブジェという程度の認識だ。酷い時にはゴミ溜めと化していたり、酔っ払いの寝床になっている時すらある。この場所はシルベストサイクル梅田店とウエムラサイクルパーツ梅田店の間にあるので結構な数のサイクリストが通る場所でもある。しかし、彼らの反応ですらかなり冷ややかだ。というか全く見ていない。
だが、一部のサイクリストにとってここはとても特別な場所なのだ。
東京-大阪キャノンボールではお馴染みの大阪側のゴール&スタート地点。メインルートとなる国道1号線も伊賀上野ルートで登場する国道25号線、国道163号線もここが終点なのだ。関西発の挑戦者が現れたと情報が入れば関西在住のコアなサイクリストがふらりと集まり、挑戦者を鼓舞し、夢を託し、熱い応援と共に送り出す。東京発の挑戦者が大阪に近付いたと情報が入れば差し入れ持参で待機。ゴール時は通行人の目線そっちのけでお出迎え。
そんな熱いイベントが年に何度か自然発生的に開催される。
自転車旅行者にとっても特別な場所だ。
瀬戸内海に沿って北九州市へ向かう国道2号線の起点。大阪湾にそって和歌山へ向かう国道26号線の起点。紀伊半島を横断する165号線の起点。本州を南北に縦断して日本海へ向かう国道176号線の終点。これらの道その全ての端がこの交差点なのだ。国道中心で梅田を目指して走ってきた旅人はほぼ100%ここに辿り着く。実際ネット上に公開されている自転車旅の記録を見るとかなりの頻度で登場する。もしかしたら通天閣や大阪城以上に印象に残っている大阪の象徴なのかもしれない。(実は私もですw)
長距離系サイクリストにとっては熱い要素満載な梅田新道交差点。
その象徴がこの大阪市道路元標なのだ。
この場所に立った時、もし道路上に見えないはずの幻のスタートラインが見えたなら。
本気で行くしかないでしょう。
評 価→★★★★★
<オプション>
年 式
①大正11年、現大阪市役所前に設置
②昭和27年、現在の場所に移設
~お願い~
ゴミを捨てないでください。
ここで寝ないでください。