*無駄に長いですのでご注意*
【1】
ある日のことである。
仕事が昼頃に終わった俺は、天気も良かったので散歩しながら帰ることにした。
腰を痛めているが動かさないのも良くないらしいので、マイペースでゆっくり歩く。
表参道ヒルズに立ち寄る。
ここにはビアンキのオフィシャルショップのうち、表参道ヒルズ店がある。
明るい店内と鮮やかなロードレーサー達。眺めているだけでも楽しい。
ちょうど2013年モデルが入荷し始めた頃で、どれどれ、どんなもんだろうなー…と冷やかしついでに入ったのだった。
カタログにないイタリアントリコロールカラーの車体があったり、フラッグシップモデルの完成車を間近で眺めたりできるのもオフィシャルショップならでは。
そこで、2012年モデルが何台か特価札をつけて鎮座していた。
そこには俺が発表当時ネットで画像に一目惚れした、B4PグレードのSempreマットブラックがいた。このカラーは2013年モデルからは消えてしまったラインナップだ。
値引きで買いやすい価格になっており、心がぐらつく。
展示品のサイズは53と自分のサイズとしては小さい。真剣に見ていたせいか、店員さんから話しかけられた。
自分の身長から見て、55が適正サイズであることを告げた。
店頭在庫はこの一台限り。
これもまた、一期一会か。
店員は少々お待ちください、とカウンターに向かい電話をかけに行き、やがて戻ってくると「近くの青山店に在庫がありますので、もし良かったら」とショップカードを差し出した。
俺は頭を下げると店をあとにした。もう心は決まっていた。
【2】
ショップカードの地図と、スマートホンのGoogleマップを眺めつつ、散歩再開。
表参道から青山通りに抜け、ビアンキ・コミュニティ青山に到着。
木目調の落ち着いた店内に、ビアンキを中心とした自転車が様々に並ぶ。
店内をぐるり、と回ってみるとSempreがあった。ハンドルには『商談中』の札がクリップでとめられている。
カウンターで、表参道店から連絡していただいた者ですが、と告げると「お待ちしておりました」と笑顔で迎えられる。
店員さんと雑談を交えつつ、実物をためつすがめつ眺める。
「同じサイズの試乗車を準備してありますので、どうぞ」と、店員さんに勧められ、サドル高を調整し、試乗の申込書を記入したらヘルメットを借りて漕ぎ出す。
初のロード、しかもカーボン。早いし、気持ちいい。近くに平坦な道も適度な坂もあるので、30分ほど走り回ってきた。
軽く汗をかいて戻ってくると、同サイズ、別ジオメトリのC2Cグレード、Infinitoの試乗車もスタンバイされていた。
「せっかくですので、よろしければこちらも。乗り比べてみてください」
断る理由はない。
また、走り出した。
戻って、ジオメトリの違いや乗った雰囲気・感触の差や味付けといったあたりの話をする。
正直甲乙つけがたいのだった。それぞれの良さが光るからだ。
しかし、初志貫徹。想いを遂げさせていただいた。
ちなみにこの時、青山の店舗では値引きセールが始まってなかった。
が、後日始まるので、それまでお待ちくださいとのことであった。
了解し、店をあとにした。
【3】
その後、セールの開始の連絡があり、店舗に赴き、無事購入、納車と相成った。
購入後1ヶ月して、ハガキが届いた。
購入後の一ヶ月点検のお知らせだ。200kmほど走ったあとだったので、持ち込んで点検をしてもらう。予約不要とのことだったので、事前連絡もせずに訪れたが笑顔で迎えられた。
走っていて気になったことはないか、と問われたので、すこしハンドル落差を出したい旨を伝えて預ける。
作業の間はソファーで紅茶やコーヒーのサービスを受け、雑誌やカタログを眺めながらまったりと過ごせる。
メカニックスタッフは若いながらも真剣に、丁寧に作業にあたってくれた。
調整作業が終わり、不備がないか試走してチェック。大丈夫だ、問題ない。
礼を言って、俺は店をあとにした。
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というわけで、長々と書きつらねてまいりましたが接客・サービスは非常に良かったです。
店内の在庫は多いものの、ゆったりとしたスペースで狭さを感じません。
ウェアやスモールパーツもそれなりに揃っていて、Bianchiに興味がある人ならそれなりに居心地のいい空間です。
ちょうど点検サービス中にロード初心者らしき若い人が買って行ったのですが、そちらの対応も懇切丁寧で好感が持てました。
試乗体験会などのイベントもそこそこの頻度で行われてるようで、お店の活気はかなりあるほうかと。
価格評価→★★★☆☆(当然ながら基本は定価だが、型落ちセールやアウトレットもあり)
評 価→★★★★☆(Bianchi好きじゃないとまず寄らないという弱点はあるか)