購入価格: ¥52,500 (税込)
『おしゃれな外観からは想像できないほどキビキビと走るシングルスピードバイク』
●一目惚れでの購入は二度目
GIANT FIXER Rの2012年モデルのマルチカラーが発表されて一目惚れしてしまった。
SEEKマルチカラーのデザインを気に入っていたので、2台目も同じカラーのバイクにした。
SEEKのカスタマイズがひと通り終わった後、即このバイクを入手した。
●トラック由来のフレームはキビキビとした挙動。
“アルミ製トラック用フレームのダイレクトな乗り味はそのまま”とカタログにあるように、
このフレームはダイレクト感が強く、キビキビとした動作が非常に楽しい。
402mmと短めのリアセンターのおかげで、ペダルを踏むと即座にバイクが前に進んでくれる。
いわゆる加速のかかりの良さというやつで、SEEKとは明らかに違いを感じる。
更に75°と立ったシートアングルは、ペダルに脚力を伝えやすい。
短めのホイールベースとストレートフォークが相まって、ハンドリングはクイックだ。
スピードが出てきた時にハンドルを切ると切れが良くて面白い。
ヘッドチューブ長が短く、ハンドルのフラットな部分を握っても低く感じる。
下ハンを握ると、前傾姿勢の低いレーシーな姿勢を味わえる。
固定ギアでコーナリング中にペダルが地面に接触しないように、BB下がりが小さい。
そのため重心が高く、短いホイールベースと相まって、直進安定性は悪い。
ギア比が高い場合には、漕ぎ出しと減速時のバランスは注意が必要かもしれない。
ダイレクトな乗り味を味わえる一方で、ハンドルやサドルに伝わる振動はやや大きい。
とはいえ、ガッチガチに硬いというわけではないので、慣れればどうということはない。
ホリゾンタルフレームと細めのチェーンステー、シートステーで振動を緩和してくれていると思う。
この種のバイクは長距離乗るようなものではないので、これでいいのではないだろうか。
乗り心地を求めるようなフレームではないが、その分、機敏な挙動を味わえる。
フレーム自体のダイレクト感は、フリーギアにしてもしっかりと味わうことが出来る。
GIANTはこのバイクを”LifeStyle(楽しさと便利のため)”というカテゴリーに位置づけているが、
FIXERのフレームにこのような味付けをするのはさすがだなと感じた。
●ローギアード仕様では物足りなさを感じる。
FIXERは、フロントが44T、リアが18T、ギア比約2.4とローギアード仕様で、
加速しやすい上にスピードが低い時にコントロールしやすく、街乗りに向いているといえる。
だが、スピードが出てきた時にケイデンスが上がりすぎてしまうのが明らかだ。
短い距離で脚を鍛えたいということもあり、フロント48T、リア16T(フリー)に替えて納車した。
スピードと扱いやすさを両立するなら、脚力にもよるが、ギア比2.8〜3.2位がいいのではないか。
●交換した方がいいブレーキと、見た目重視で実用性のないハンドル
FIXERには、フリーギアにしかSHIMANOのコンポーネントが使われておらず、
TEKTROのブレーキやLASCOのクランク等を採用してコストダウンを図っている。
TEKTROのブレーキキャリパーは、安全のためにすぐにSHIMANO製に交換したほうがいい。
納車の帰りに30km/hのスピードを出した時に、手が痛くなるほどのブレーキレバーを握ったが、
シューがリムの上を滑るだけでなかなか止まらなかったからだ。
カタログでは判断できないドロップハンドル形状は、正面から見るとハの字になっている。
ランドナーバーに似ているが、リーチが160mmもあり全く実用的ではない。
ステムが105mmもあるので、おそらくハンドルのフラット部分のみを握る前提なのだろう。
ブレーキレバーはTEKTRO R570が使われているが、このレバーは本来補助ブレーキレバーなので、
メインレバーとして使うには少し実力不足だ。
クランクのチェーンリング取付部は、真円が出ておらず、チェーンの張りが不均一だ。
張りの強いところと緩いところの差が大きく調整しにくい。
クランクとBBは明らかに剛性不足で、踏み込むとギシギシと音がする。
SPDペダルになれると、トゥストラップは使いにくい。
私はすぐにSPDペダルに交換してしまった。
チェーンはKMC 710というBMX用のもので、プレートが肉厚で伸びにくい高剛性チェーンだ。
納車時にチェーンリングとコグを交換したため、チェーンはKMC Z410にしてしまった。
今思えばもったいないことをしたと思う。
ホイールは前20H、後24H、リムハイトは32mm(実測)、大きめのフランジでかっこ良い。
1kgを切る軽さのおかげで、漕ぎ出しは意外なほど軽い。
ハブはシールドベアリングが採用されている。シールを外せばグリスアップもできる。
リアホイールを手で持つと少しゴリゴリ感があるが、走行中は全く気にならないレベルだ。
チェーン引きはとても使いやすく、これだけを単品で発売して欲しいくらいだ。
エンドの厚みは7mmに対し、エンドに挿入するチェーン引きの突起も同程度の厚みがあるので、
調整の際に前後左右にずれにくい。
●カスタマイズが大変面白いバイク
“基本性能の高いフレームが評価され、上級者のカスタムベースとしても人気”
とGIANTのカタログにもあるように、カスタマイズがとても面白いバイクだ。
おしゃれな外観にあわせて、カラーパーツやアクセサリを合わせるのも面白いし、
駆動系パーツを換装すれば、乗り味のダイレクト感が更に増して楽しくなる。
購入前にカスタマイズを検討した時の画像
前後カラータイヤ、ホワイトのサドル、エアロブレーキ装着、カッティングシートででロゴの作成
フォーク、ヘッドパーツ、シートクランプ、ホイール以外の全てに手を加えた
●見た目も走りも大いに満足
ファッションバイク、カジュアルバイクとしての外観を持ちながらも、
フレーム自体がしっかりしているので、スポーティーな走行が楽しめる。
多段変速のバイクよりも、メンテナンスは簡単なのも魅力だ。
ダイレクトな乗り味がシングルスピードの醍醐味で、一度乗ると癖になる。
見た目で選んだバイクではあったが、シングルスピードの楽しさを知ることができた。
本当に良いバイクを手に入れた。SEEKと共に長く楽しんでいきたいと思う。
価格評価→★★★★☆ (カスタマイズする余地はSEEKよりも多い)
評 価→★★★★★ (見た目もキビキビとした挙動も気に入った)
<オプション>
年 式→2012年
カタログ重量→9.2kg (ペダル込み)