Fizik TUNDRA 2

購入価格: ￥7800

『快適でポジションの自由度が高い。』

2012年の6月くらいに購入して、GIANT SEEK R3に取り付けた。
SEEKがMTB系クロスバイク、ストリート系クロスバイクなので、MTB系サドルを選んでみた。

これはYahoo!オークションで手に入れた、新車外しのバルク品だ。
パッケージ品と違って、レールがキウムではなくマンガネーゼになっている。

ARIONEをベースに開発したCX系サドルというだけあって、ARIONEの特徴を受け継いでいる。
サドル全体がしなってくれるので、振動を吸収し路面からの突き上げを緩和してくれる。
キウムとマンガネーゼの違いは分からないが、振動吸収性はベースの形や長さに依存すると感じた。
ARIONEよりも少し短いが、前後にポジションを移動させやすい。

先端は若干太くクッション性が高く、坂などで前乗りポジションを取っても疲れにくい。
先端が若干太いとはいえ、ペダリングで内股が擦れるほど太くはない。
ただ、TUNDRA2のロゴがサドルの中央寄りにあり、擦れて剥がれやすいのは残念。

TUNDRA2は、ARIONEよりもポジション出しがシビアだと思う。
横から見るとARIONEは窪みがあるが、TUNDRA2は窪みがなく板のようになっているので、
ポジションが合わないうちは尻が痛くなるかもしれない。

サドルを水平にして、坐骨と恥骨に均等に体重がかかるように前後位置を調整すれば、
ARIONE同様に吸い付くような一体感が得られ、驚くほど高い快適性が得られる。

表皮に使われているマイクロテックスは質感が高く、汚れがつきにい。
以前のTUNDRAはレールに軋み音が発生したようだが、このモデルには発生しない。

私の感覚ではARIONEの方が好きだが、TUNDRA2もかなりいいサドルだと思う。
私は以前ショップで試乗したので、迷わずにこれを選ぶことができた。
間違って購入しないように、ショップでレンタルか試乗をして購入することをおすすめする。

価格評価→★★★★☆ (バルク品なら安くてに入る)
評　　価→★★★★☆ (ARIONEほどではないがいいサドル)
<オプション>
年　　　式→不明
カタログ重量→不明(キウムレールは155g)







ARIONEとの大きさの比較


後部を住友3Mのスコッチカル(カッティングシート)を貼ってみた。

購入価格: ￥7800
標準価格: 不明

『ARIONEをベースにしているが乗り味は異なる。ARIONEほどしならない分、快適性で劣る』



■ クロスバイクの見た目に合わせて入手
fi’zi:k TUNDRA2は、ロード用の定番サドル”ARIONE”をベースにしたMTB用のモデルだ。尻を前後に動かしやすい形状(フラットロングトップ)とパッドの厚みが特徴だ。私が手に入れたのはマンガネーゼのモデルで、”TUNDRA M5”が後継モデルにあたると思う。

私はTUNDRA2をGIANT SEEK R3というクロスバイクに取り付けており、もう数年使い続けている。もともとSEEKにはARIONEを取り付けていたが、MTBのようなルックスのSEEKにはTUNDRA2の方がマッチすると考えて手に入れた。もちろん、ARIONEのようなこぎやすさと快適性にも期待した。このサドルのレビューは以前も投稿したが、数年間使って感じたことを書いてみたい。


fi’zi:k TUNDRA2を装着したGIANT SEEK R3





■ ポジションの調整がややシビア
ARIONEは座面がフラットだが、サドルの中心はわずかにくぼんでおり、尻の収まりがよくポジションも出しやすい。一方、TUNDRA2はさらにフラットな形状でくぼみが非常に小さく、着座する位置がどこなのかを把握しにくいため、ARIONEよりもポジションの調整がシビアだ。よく見るとサドルの中心がわずかにくぼんでいるのだが、うまくこの位置に尻を当てないと、くぼみの両端が坐骨を圧迫して痛みが出やすい。

どの程度前傾姿勢をとるかによってセッティングは異なると思うが、私はSEEKにアップライトな姿勢で乗るので、サドル先端をわずかに前上りにすることで快適なポジションを出すことができた。これなら尻の荷重をサドル後部の広い面積に分散でき、サドルのしなりによる快適性の恩恵を受けられる。

また、アップライトな姿勢で乗る分には、フラットな形状のこのサドルは尿道のしびれはほとんど出ない。ARIONEと同様に、サドルの前後位置が少々ずれても尻の痛みが出にくい。だが、角度による影響は大きく、アップライトな姿勢でサドルを前下がりにすると坐骨が痛くなる。



写真の赤い部分がわずかに凹んでいる。この部分を感じることが大切





■ スムーズなペダリングを妨げない
TUNDRA2はサドルの先端が細いので、スムーズなペダリングの動きを妨げない。フラットな座面と滑りやすいマイクロテックスのおかげで尻を前後に移動させやすく、加速や登坂などの状況に応じてポジションを自在に変えられる。ここまではARIONEと同じだが、TUNDRA2の方がサドルの後部の両端が硬くてしなりを体感しにくい。つまり、こぎやすさではARIONEにやや劣る。


サドル後部の側面はしなりにくい





■ 快適性はARIONEに及ばない
TUNDRA2はポジションが出れば十分に快適だが、ARIONEにはだいぶ劣る。パッドの厚みはARIONEとほぼ同じ。レールの素材も異なるが、それよりもサドルシェルがARIONEよりも硬めであることが快適性に大きく影響していると感じた。サドル中央部から後部を指で押せばしなりを確認できるが、ARIONEよりはしなりにくく、実際の走行でも体感できるほどしなりは大きくない。

ARIONEと同じように尻の位置を前後させて、尻の一点への圧迫を回避できるので、100kmくらいまでならとりあえず対応できるが、ライドの終盤は尻がサドルに接触する部分に圧迫感が出やすい。長距離・長時間の走行では、積極的なしなりによる快適性が欲しいところだ。


サドル中央部から後部がしなるが、ARIONEほどではない





■ 気に入っているが、今なら他のサドルを選ぶかもしれない
SEEKの見た目にマッチしたという点では、TUNDRA2を選んだのは正解。ただ、ARIONEをベースにしているとはいえ、実際に乗ってみるとARIONEとはだいぶ異なると感じた。TUNDRA2はARIONEよりもしなりが小さく、これが快適性の差になって現れている。これはレールの素材の差というよりも、むしろサドルシェルの硬さが関係しているようだ。

私は今でもTUNDRA2を使っているので、このサドルもよいサドルであることには変わりはないが、今なら他のサドルを選ぶ。おそらく、このサドルの形状やシェルの硬さはオフロードに最適化されたものだ。TUNDRAの上位モデルは違った乗り味になるはずだが、オンロードにはロード用のサドルを選んだ方が無難かもしれない。このサドルも悪くはないが、ロードバイクやクロスバイクには他にもいいサドルがあると思う。



価格評価→★★★★☆ (私が手に入れた価格なら十分にお買い得)
評　　価→★★★★☆ (ARIONEに快適性は及ばないがよいサドル。ポジションが合えば数年は使える)
<オプション>
年　　　式→不明
カタログ重量→不明(キウムレールは155g)