総計2万円ちょい
諸般の事情+チューブラー体験してみたい+しょうもないDIY魂のために組むことにしたホイール。
フォーラムで相談させていただき、いろいろトラブルもありつつ組みあがったばかりなので、
スペックや組み立てのレビューと、試験走行で得たファーストインプレッション程度で。
“「手組みホイール」はじめました”スレでお世話になった皆様、どうも有難うございました。
ひとまず完成にこぎつけました。
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○構想
乗って気持ちいい「お散歩ホイール」というコンセプトにした。
トラブルの種は少なく、軽量化や反応性には特に気を払わず、ということである。
上り坂に持ち込んでみて気持ちよければ、それはそれで別の考えが出てきそうだが、とりあえずその考えは置いておく。
・・・といっても経験も知識もあるわけではない。
フォーラムに相談したところ、32Hなら初めはオーソドックスなタンジェント6本組みがいいだろうと。
要は、伝統的なレシピどおりに作って、それを知ってから自分なりの工夫を、と言うことだろう。料理と同じである。
そうするとスポークとニップルをどうするか、と言うことになる。
CBNやフォーラム、ホイール組み経験者のブログなどを読み漁って考えたのは以下。
・エアロスポークを利用すると、空力性能は完組みホイールに肉薄する。やはりリムよりスポーク、なのか?
・バテッドスポーク、エアロスポークは、組み上げに技術が必要。伸びるとかねじれるとか。→初ホイールビルドには向いてなさげ。プレーンスポークで。安いし。何なら後で買い直して組み直せばいいし。
・アルミニップルは軽量化に効果的、それほどデリケートなものでもない。→魅力的。でも今回はパス。ブラスの方が安いし(ry
・テンションは、リアの右側を100~120kgf程度で組んでいる人が多い→自分もそれくらいで考えよう。味付けなんて、作ってみないと分かりませんできません。
・スポーク長計算サイトは有用→自分も利用させていただいたが、若干の注意が必要なよう。これは別レビューで。
まぁ結局安さも手伝って、ブラスニップルが付属してくる星のストレートスポークを採用。サイズのあうパークのニップルレンチが手持ちツールにあるのも○。
シマノ完組みホイールなどに倣って、リアは左右でスポークの番手を変えてみた。右側に2mm(#14)、左側に1.8mm(#15)。ちょっと丈夫さを演出してみた。
スポークの長さは以下
・フロント:287mm(計算・発注の間違いにより、3クロスをラジアルに変更。ラジアルでもほんのちょっと短め)
・リア:イタリアン3クロス、左右とも299mm(または右298mm、左300mm)
○重量
・フロント:リム421.8g スポーク181.9g ニップル34.1g HB-5700;158.3g 計796.1g(クイック58.8g除く)
・リア:リム465.6g 右スポーク114.3g 左スポーク93.5g ニップル左右32.8g(15.8g+17.0g) FH-5700;350.7g 計1056.9g(クイック63.6g除く)
クイック除いて1853g。スポーク数がえらく多いわりに、また軽量化には一切気を遣わなかったわりに、R-500よりは軽いホイールに仕上がった。
これはチューブラーホイールの優位性かもしれない。
○組み立て(1) ~仮組み~
つまようじ、ハブ毛などの最新技術(笑)を盛り込んで組み立てた。リアはイタリアン組み。
ラジアルは本当に簡単、リアはあちこちのインストラクションを総動員して。
編み方は、一本目で理解できてしまえば、あとは左右16回同じことをすればいいので特に問題無し。
仮組みにあたっては、スポークのスレッドにリチウムグリスを少量塗りこんでおいた。
前輪の方は、スポークに切られたスレッドが見えなくなるまでマイナスドライバーでねじ込んでいくだけで、
70kgfとか、それなりのテンションにまでなってしまった。後輪の方はそういうこともなく、仮組み終了の段階ではユルユル。
リムの項にも書いたが、鳩目が鉄製なので、先端が磁化されたドライバがくっついてしまって若干扱いにくかった。
自分でスペックを選んでおいてアレだが、ニップルの番手を取り違えて面倒くさい。2mm(#14)用のニップルが1.8mm(#15)スポークに何となく使えてしまうのである。ニップルを分けて収めたタッパにはきちんと印をしておいてこれである。情けない。
○組み立て(2) ~本組み~
前後とも、まずはパークツールのテンションメータで目標のテンションを目指してニップルを締め込む。
テンションを合わせたところで、当然だがセンターは出ており、2mmほどの横振れ、1mm前後の縦振れを調整していく。
フレームを逆さにしてブレーキシューで見ていったが、横振れに関しては作業効率が落ちるだけではないかと思う。
振れ取り台を使ったことがないから想像だけど。縦触れを見るのは少々面倒。でもできなくはない。
アーレンキーか何かをフォーク、シートステーの適当なところに貼り付けて、インジケータ代わりにすると良いかも。
本格的にテンションをあげる前に、スポークホールにシリコーンオイルを極小量吹いてやったのが功を奏したのか、
なじみ出しをしてもバキバキ言ったり改めてフレが出たりすることはなく、あっけなく組みあがった。
スポーク多くて、特に前輪はゴチャゴチャして見えますね・・・
○タイヤ貼って実走(シマノR-500、WH-6700と比較)
WH-6700の横方向のたわみが気になっていた自分としては、スポークの多いこのホイールがどういう挙動を見せるのかがちょっと気になった。結論から言うと、「気持ちしっかり」という程度。R-500とは同じくらいだと思う。
本気で横剛性を高めるためには、ワイドフランジのハブを選択しないといけない、と言うことか。
踏み出しは神経質でもなくもっさりでもなく、中庸という感じ。ねじれについてはずいぶん剛性が増しているのかもしれない。
踏み込み基調でいっても回していっても、しっかりついてきてくれる感じ。30km/hくらいまで加速していく感じがずいぶん気持ちよかった。
WH-6700が気持ちいいのは、もう少し上の速度域に達して回転基調で巡航している時で、ここは性格の違いを感じる。
登りについては、今乗り手が弱体化しているので評価を定めるのは避けたい。ホイール自体は、結構な重さのわりに進んでくれるような感じがあった。
総じて、もう少しテンションを上げてみたらよく加速するホイールになるかもしれない。
ずいぶん変わったな、と思うのはフロントホイールの剛性。スポーク数がグッと増えたのは伊達ではない。
たぶんタイヤがきちんと仕事をしている製で、嫌な突き上げや振動は抑制されているが、縦横ともにしっかりしたためにコーナリングの時の安心感が増した。峠のダウンヒルでも試してみたいところである。
ブレーキについては、フルブレーキを体験していないので分かりませんが、今のところ問題を感じていません。ブレーキ面を研磨してある現代のリムと比べると多少劣るのかもしれませんが・・・
ゆっくり減速していくと、フロント側のリムの継目が引っかかり、ブレーキ力にムラがあるのに気がつきますが、最終的なコントロール性能には影響してないと思います。
耐久性やスポークテンション調整でどう変わるか、その他気がついたことについては追々、ということで・・・
価格評価→★★★☆☆(1.5万円くらいで収まるとうれしい)
評 価→★★★☆☆(長所を伸ばしきれてないからかな?)