購入価格 ¥7000
ST-6700(+付属ケーブル)、FD-6700、FC-6700、CN-7901から
ST-6700(+付属ケーブル)、FD-9000、FC-9000、CN-7901
という10速11速混成コンポでの使用を試みてみた。
多くの先人が述べている通り混成であること自体が使用上の問題を惹起することはないようだ。もちろん9000/6800統一で組み合わせるのがベストなのだと思うが、そこはいつか比較してみたいところ。
◇取付けについて
・直付けについてはサポートボルト受けのプレートをフレームに貼り付けることとなる。ディレイラーを取り付けてからフレームとの狭い隙間に手を伸ばし貼るか、ディレイラーを取り付ける前におおまかな目星でつけるかの一長一短の二択になるため、意外とジャストな位置に取り付けるのは難しいかもしれない。まあ別に真ん中にあたる必要もないだろうから気にしなければいいだけの話。
・ルーティングコンバーター機能がついており、様々なフレームで適性なルーティングをしやすい、らしい。確かにワイヤーが直線的で無理のないラインを描き無駄に小難しい説明の為されたコンバーターの作業を考慮に入れてもあまり気を使わずに取付けできた。この点は、私のような整備弱者にしか当てはまらないだろうが。
・説明書がついていないが、ネット上で20ページほどある懇切丁寧なマニュアルを読めるので、それに愚直に従えば問題ないかと。
・10速系FDからワイヤーを使いまわす場合は、9000/6800系独特の長いアーム(?上部に伸びてるアレ)の関係で、ワイヤー長が足りない可能性あり(1cmは余分にほしい)。横着せずにワイヤー交換もしましょう。
◇使用感(おそらくチェーンリング剛性も上がっていることについては敢えて触れないことにさせていただく)
・アウター→インナーは明らかな違いを感じれるほどではないとしか言えないが、チェーン落ちなどは今のところはない。だが、これは整備の精密さの話になるであろう。
・インナー→アウター引き始めから引き終わりまでの引きの重さの変動を小さくした印象。6700では引き始めの軽さに対し、チェーンが上がる瞬間にググっと立ち上がってくる重い感触があった。9000は引き始めこそ大差ないが、そこから引っかかりが少なく、レバーを倒す動作と変速感が滑らか(線形)に近く思える(物理的にこれが正しい認識かは別として、気のせいでは片づけられない軽さがあります)。
このせいか、変速に必要なストローク量が減った錯覚さえ受ける。まあ引き量は変わってないはずなんで、それこそ錯覚なのだろう。しかし、自転車は乗り手の感覚が良さだって重要なファクターと信じてやまない私には大変うれしい変化。
・アウターへの変速時のこの変速ふぃーりんぐ?の変化を敢えてネガティブに捉えるなら「変速完了感」が相対的に希薄になったことだろうか。
6700-チェーンを持ち上げる負荷のかかった状態とそれがかからなくなった状態でのレバーから伝わる感触の「落差」が変速が完了したこと(持ち上げたったぜ感)をわかりやすく伝えてくる。
9000-先述の「落差」が希薄で、チェーン音などを参考にふと怠けて力を抜くと実はまだ完全に変速しきっておらず、穏やかにインナーに戻ってしまうミスを特に使用初期は犯してしまった。
しかし、これは使用環境に慣れるにつれてまずなくなることであろうし、実際「確実に押し込んでも」引きはかなり軽くなっているため結局は楽なのである。まず重大なネガにはなりえず、最終的には単なるポジになる点と思う
・インナープレート部分に樹脂パーツがつくようになり(簡単に取り外し可能、おそらく変速性能に影響はないであろう)、仮にチェーンが擦っても精神衛生上良くないゴリゴリ音はしなくなった、気がする。いや、正直そんなゴリゴリ擦るような調整は何かおかしいし、多少の擦れはトリム操作しましょうよって話。黒いのでチェーンの油汚れがつかず使用感が綺麗ってのが一番の利点に思えてしまう程度のマイナーチェンジ。ついてて悪いことはなかろう、程度。
◇総合評価
月並みな感想になるが、噂の専用ワイヤーでもないワイヤーをしかも使いまわしても明らかな変化を感じられる。初見ではぎょっとしたやたら長いアームもとりつけてみると、機械としての機能を追求した結果の美しい肢体に思えてなかなか所有欲を満たしてくれる。
さりげないパーツであるが、価格対効果は高そうなので(ただし6800との性能差はあまりなさそうな予感がする)、デュラ使いたくてムラムラしたら買っちゃえばいいと思います。
よっぽどシビアに戦う人以外は、この洗練された滑らかなワイヤーを引く感覚で満足できるのではないでしょうか。
価格評価→★★★★☆(←どうせならアルテから4000円余分に出して・・・となる絶妙な価格)
評 価→★★★★☆(←電動変速を使ってみないことには・・・。留保)
<オプション>
年 式→2012
カタログ重量→ 66g(実測重量 65g)