購入価格 ¥5897
LEZYNEの携帯ポンプ。全長が283mmで、見た目が少々大き目。追加購入です。
これは手押し側のピストン管の中にホースが入っていて、そいつを取り出して先端につなげて空気を送ります。もう一つ隠れた特徴は、押し込むときだけ塞がるワンウェイバルブの構造です。お持ちの方は一度、ピストンを引き抜いて先端をご覧ください。へぇ~と思われるかも知れませんよ。
(上が平常時、下が稼働時の姿)
使っていないときの外見がカッコいいし、ブラケットへの固定がスッキリしている割には全く微動だにしない固定力に牽かれて2本目を買っちゃんたんですが、フレキシブルなチューブをバルブにつなげて腰をかがめて空気を入れるなんて、ぎっくり腰常習の私にはかなり過酷なので、実際に使う場合には、何かの上に乗せて、真っ直ぐ立ったまま入れます・・・というかこのポンプ、出先での出番もなく、自宅で時々使うだけ。結局のところ、ロードには装備しておらず、空気圧をさほど上げる必要がない28Cクリンチャ―タイヤのフラットバー自転車と、さらに空気圧が必要ないMTB用として装備しています。
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このポンプ、全長が283mmですから少々大き目で、吐出空気量も大きいように見えますが・・・
〇 シリンダ内径・・・17.0 mm
〇 ピストンストローク・・・232 mm
〇 1行程での大気圧時吐出体積・・・52.7 cm^3
構造が単段式故、この吐出体積は実はそれほど大きな値ではありません。ちなみにZefalの2段式小型ポンプ
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9342&forum=92#forumpost16039LEZYNEよりずいぶんコンパクトに見えるコレの吐出体積が49.5 cm^3ですから、LEZYNEが見た目のイメージとは違って、吐出体積はそれほどではないことがわかります。
さて、例えば私の場合ですが、23Cチューブラが出先でパンクしたとすると、6気圧(≒6kgf/cm^2)を目安に空気を入れます。23Cチューブラならば6気圧もあれば、私の場合は特に大きな不満もなく普通に走ることが可能です。で、LEZYNEのシリンダ内径は17mmなので、6気圧をシリンダ内で発生させるためには、ピストンに13.6Kgfの力を加える必要があります。
フレンチバルブのバルブ傘のタイヤ側とポンプ側の作用面積に差があることと、バルブが内圧に馴染んで壁面と貼り付いていることから、バルブを押し開ける「瞬間」の力は、2割ほど大きい数値が必要と仮定すれば、空気が入りはじめる瞬間に必要な力は、16.3kgfとなります。先ほどのZefalの小型ポンプは、内径が17.9mmでLEZYNEより僅かに太いんですよねぇ。見た目はLEZYNEよりコンパクトなんですが。というわけで必要な力は同じく2割増しと考えれば18.1 kgfです。いずれにしても精々、20 kgf以下程度の力でグイッとピストンを押し込めば6気圧の空気は入るわけです。
現在の私の腕力では、LEZYNEの実用範囲は8気圧までです。しかも、押し側のグリップのエンドがこんな具合に穴になっているので、ヘタすると手のひらが痛い。
製造元は160PSI(≒11気圧)まで可能としていますが、長嶋一茂氏クラスの腕力が無いと厳しいでしょう。20kgf近い力を出すのはさほど大変ではないのですが、6気圧から8気圧に持っていくのが大変なわけで。そう考えると、6気圧が精いっぱい、と言う人もいるはずで、シリンダ内径17mmとか17.9mmというのは、その辺りを狙って設定しているのではないかと思います。ただし、昔のフレームポンプのように長いポンプは別です。例えばZefalのHPX-3とか。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7598&forum=92#forumpost12910コレも実はシリンダ内径は17.9mmですが、ピストンストロークが31.6cmもあり、とにかく手で押す動作が楽です。吐出体積はぶっちぎりの79.5 cm^3。必要な力は他のZefal小型ポンプと同じですが、空気の入れやすさには明らかな差があります。(我が家の3種類のZefalは大きさにかかわらず何故かすべて内径17.9mm)
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それにしても、熱い!!
ポンピングの仕事は高圧空気を流し込むことに加えて、空気の内部エネルギー上昇にも寄与してしまい、空気の温度が猛烈に上がるのですが、断熱が緩いポンプ壁からこの熱が手に伝わってきます。先端がプラスチックになっている、よくありがちな小型ポンプなら、プラスチックで断熱されるのでここまで酷くはないのですが、LEZYNEのコレで8気圧とか入れるともう、シャレにならない位、熱いです。11気圧とか入れたらバルブに連結したゴムホースが溶け・・・(それは無いとは思いけど) アルミCNC加工というのはカッコいいのですが、そのアルミの熱伝導の良さが仇になっています。痛し痒しなポンプではありますが、フィールドで使う頻度は極めて低いし、カッコいいので我慢します。(お飾りかよ!)
で、空気がどの程度の温度まで昇温するのかちょっと考えてみようと思ったら、ちゃんと過去レビューに書いてありました。完全忘却!
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5360&forum=92&post_id=16956#forumpost16956ところで、タイヤ空気圧が6気圧と言ったら、大気圧との差圧が6気圧なので、結局、タイヤの空気は大気圧(1気圧)から7気圧まで上がるわけですが、その場合、LEZYNEの吐出体積は大気圧時の24.9%まで圧縮されてタイヤにスーと入っていきます。つまり6気圧(というか絶対圧で7気圧)では一回押し込むと6気圧の空気がようやく13cc ほど、タイヤの中に入っていくわけです。ハー、ヤレヤレ(計算過程は省略します)。この際、高圧時には、入っていく空気が非常に熱いので、6気圧まで入れると、タイヤの中の空気も相応の温度まで上がっています。放置してこれが常温まで下がると、当然のことながら空気圧も下がるわけです。例えば気合でものすごいスピードで空気を入れたとして、それが断熱圧縮だったとすると、タイヤの6気圧は、室温放置でどこまで下がるのでしょうか?
(私はそんなことは気にしませんのでここから先は書かないことに・・・)
価格評価→★★★★☆
評 価→★★★★☆(特に空気が入りやすいわけではないが、見た目がカッコいいので)
年 式→2015