購入価格 ¥12,000位(うち送料約3,000円)
PHILIPSのドイツ市場向けの自転車ライトである。
本体全体がアルミ製。発売当初のものはヘアライン加工だったそうだが、
現在のモデルはザラザラした表面加工となっている。
LEDはLuxenon Rebel(品番等詳細は未発表)を2個使用している。
電池はNi-MHを4個使用する。電池室はネジ留めであり、充電の度に取り出すのではなく、
本体後部のミニUSBポートから充電できるようになっている。
大きさはLEDを横並びに配置していることや電池を水平に4つ並べるため
横方向がかなり大きい。
先日レビュー投稿したLS950との大きさ比較
また最初に書いたようにオールアルミボディのため約300gと標準的な4AAライトより100gぐらい重い。
ハイパワーLEDを2個も使用する熱対策でボディ全体をヒートシンク代わりにしているのであろう。
操作については、本体上部のボタン長押しで弱モードで点灯する。
もう一度ボタンを押すと強、再度押すと弱と切替わる。つまりモードは弱と強の2つである。
最初に書いたようにドイツ市場向けでStVZO準拠ライトなので点滅モードはない。
ボタン長押しでOFFとなる。ボタンには明確なクリック感があるので走行中のモード切替も容易。
ランタイムはメーカー公称では2450mAのNi-MH4本で2時間/8時間。
ランタイムと電池容量から計算すると弱モードで1.47W、強モードで5.88Wとかなりの大食らいである。
電池残量については、スイッチの後ろに3つの青LEDが付いており、残量に応じて点灯するランプが減っていく。
ハイパワーLEDを2個使用しているだけあって相当な明るさがある。
スピードを出さない限り弱で十分で、強モードは自転車用としてこれ以上を求めるのは過剰とさえ思えるぐらいのレベルである。
メーカー発表は強で270ルーメンであるが、ドイツのライトマニアの計測では291ルーメンもあったそうだ。
以下は弱モード、強モードでの実際の照射写真である。
露出は海外の海外自転車サイトのライト投稿写真の基準に倣ってEV2で、広さ、遠さの目安として、
手前から5m先、10m先、20m先、左右のはそれぞれ中央から2.5m間隔にペットボトルを並べてある。
ちなみに正面の木、小屋までの距離は約40mである。
見ておわかりのようにライトのすぐ傍から大きく左右を均一に明るく照らす。色も自然で非常に見やすい。
2、3m先の左右に蝙蝠が羽を広げたようなダークスポットがあるが実走行ではその部分はほとんど気にならない。
Dosun D1も所有しているが、明るさ、広さともに270ルーメン対500ルーメンから想像するほどの遜色はなく、
配光の均一性、全体のスムーズさではPHLIPLSに軍配があがる。
遠くを照らす能力もメーカーが60m先まで照らすというだけあって(実際にはそこまで遠距離になると照らすというレベルではないが)、
40m先の小屋の壁の下側が明るく照らされていて、手前の草の緑もはっきりとわかる。
カタログ上は強が80ルクス(カンデラ換算で8000カンデラ)であるが、上記ルーメン計測を行ったのと同じライトマニアによれば、
強では95ルクス、弱でも28ルクスあったそうだ。自分でも計測してみたところ強で105ルクス、弱でも30ルクスあった。
メーカーは明るさに関してルーメン、ルクスともにかなり控えめな数値を公表しているようだ。
ちなみに上で引き合いに出したD1はメーカー発表は45ルクスで、自分の測定ではレギュラーモードのMaxで47ルクス、
ブライトモードでのMaxは63ルクスであった。
注目してほしい点として、これだけ距離を照らしながらも壁の上の方は照らしていないということは、
対向車には眩しくないということである。
ドイツ向けなのでStVZOという法律で定めてある基準に従わないといけないのである。
LED懐中電灯にも同等あるいはこれ以上の遠くを照らせるものもあるが、同じレベルで40m先、50m先を照らすようにすると
対向車には眩しさを与えてしまい危険である。
また、フロントのライトレンズのふちがぐるっと光っているのがわかる。
人によっては目障りという方がいるようだが、後ろからの写真でわかるということは、
横や斜め後ろからの被視認性を上げるためにはとても効果がある。
前を照らすだけではなくそういう安全性にも配慮しているメーカーの設計思想がうかがえる。
付属品は充電器(ただし日本での使用にはコンセントプラグ形状の変換アダプタが必要)、
ブラケット(付属のゴムの調整で21~32mmまで対応)、Ni-MH電池4本、電池室のフタのネジ用のアーレンキー。
ブラケットは手でネジを締めるタイプでライトが重いためライトがお辞儀する可能性があるが、
ブラケットの造り自体は悪くないのでしっかり締め付ければ問題ないだろう。
明るさの点での性能は4AAライトの中ではピカ一。
短距離(1時間以内くらい)だけど真っ暗な所を走行する人には非常にオススメ。
通常は弱でたまに強という使い方で十分実用になるのでそれ以外の方にもぜひ。
価格評価→★★★☆☆
評 価→★★★★☆(明るさはすごいがランタイムの短さと重さでマイナス★)
<オプション>
年 式→ 2011
カタログ重量→ g(実測重量299g)