CBN Bike Product Review

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GARMIN Edge 520J セット


 
MrHinkyaku  2015-11-27 2:04
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GARMIN Edge 520J セット

購入価格 ¥53784

私のレビューを読んでくださってるみなさまは、不審に思われるかもしれない。
確か、つい3週間前に、

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=2557&forum=85&post_id=23733#forumpost23733

こんなこと言ってたのに、どうしてGARMINなんだよ!と
しかも、地図を表示してナビする810や1000じゃなく、如何な最新機種とはいえ、
520J
という、ゆるポタとはおよそ対極の「本格アスリート・トレーニング仕様」のサイコンなんだよと。
しかし、これこそ「デカ盛り系ゆるポタ」にマストアイテムなのだ。
どういう理屈かを教える前に、セッティングについて書いていこう。



本体にハートレート、スピードセンサー、ケイデンスセンサーを付属したモデルだ。
だから同梱物はこんなに盛りだくさんになる。



ユーザー登録を済ませ、本体を充電している間に自転車に設置するための作業を済ませておこう。
ハンドルステム前方に設置することが多いGARMIN、この機種もご多分に漏れず、
「アウトフロントマウント」が付属しているが、この機種に付属しているのは、510とは型番の違う、
「延長アウトフロントマウント」である。



この二つ、見た目はアーム部の長さが微妙に違うだけだが、よく見ると、
ハンドルクランプから、アームが左側から出ているのだ。
つまり、今までの右出しとは逆なので、先にライトなどが干渉しないように確認しておく必要がある。
まぁ、今までGARMIN使っていた方限定だし、初めて使う方はそういうものだと普通に割り切る所だろう。

さて、上の文章をよく読むと、
「スピードセンサー」「ケイデンスセンサー」と分けて書いてある。
ここも今までと変わったところだ。



左がスピードセンサー、右がケイデンスセンサーと取り付け用のパーツだ。
あの、ゴムバンドで巻くだけ設置、マグネットいらずで評判の、Edge1000シリーズに付属されていたセンサーが今回も付属しているのだ。



左がスピードセンサー、右がケイデンスセンサーをそれぞれ取り付けたところだ。
磁石で接点スイッチをカチカチさせるタイプと違って、加速度センサーは設置が容易で、しかも目立たない。
このセンサーだけ別売りにもなっている。勿論ANT+接続なので今までのGARMINのサイコンでも使用可能だ。センサーをすっきりさせたい方にはおすすめである。
ただ、センサーだけで購入すると結構いい金額だったりもするんだけどね。

そしてハートレートセンサーは…いつでもANT+の別メーカーのセンサーを買えるだけのお金は残しておこう。
まぁ、もしかしたら改良されているかもしれないし、しないかもしれない。

さて、充電が終わったら電源を入れて初期設定。年齢や身長、体重などを入れて、GPSを拾わせて、センサーとペアリングさせれば初期設定は完了だ。
パーツが多い割に簡単である。多分ここまでで躓く人はいないはず。
スピードはタイヤ周長を手動で入れる方式と、GPSデータとセンサーで自動で計測する方式がある。
都市部でGPSの拾いが悪い場合などはタイヤ周長を入れておくのが手だ。

使い勝手だが、この機種は「トレーニングに特化」していて、心拍数を元に強度を決める「トレーニングゾーン」を設定できる。
これによって、強度過剰にならずに、適切なトレーニングができるようになる。
つまり、例えば、
遠くのお店にデカ盛りを食べに行く時、強度を上げ過ぎると現地でガッツリ食べられない!
という状況を回避可能なのだ。
そしてよく行くお店はコース登録してしまえば、強度を上げずに到達できる時間が計算できるので、営業時間に間に合わないという危機も回避可能だ。
更に、消化カロリーも計測できる。
食べ終わった後は休息さえしっかりしていれば多少強度を上げても家までたどり着ければいいので、ここで余分目にカロリー消化を確認して、体重の増加も未然に回避できるのだ。
…べ、別に(ry
勿論、コース登録によってトレーニングの成果も見えるので、デカ盛りを食べながらトレーニングまで出来てしまうという、まさに私にうってつけのサイコンだろう。
勿論、ゆるい乗り方の人だけじゃなく、「自転車に乗ること」自体が趣味の方なら、誰でもその人に合った使い方ができる。
体に負担をかけずに少しずつトレーニングしたい人にも、実戦までに効果的なメニューを組みたい人にもおすすめだ。
更にパワー計も揃えれば、ホビーレーサーでも十二分に練習の助けになるだろう。

価格評価→★★★☆☆(安くないよね)
評   価→★★★★★(本気で自転車に取り組む人にはマストアイテムか)
<オプション>
年   式→2015
カタログ重量→ 60g(本体のみの重量)
 
LZPT2IB  2016-5-30 23:44
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GARMIN Edge 520J

購入価格: ¥32,832 (税込)
標準価格: ¥38,880 (税込)

『多機能だが操作性を損なわず快適。簡易ナビ機能とスマートな走行ログの管理が素晴らしい』



■ GARMIN Edge 520Jの導入
私は昨年ロードバイクを手に入れ、走行距離が伸びて行動範囲も広がった。必然的に自分が知らない場所を走る機会も多くなり、GPSによる走行の軌跡の確認や簡易ナビがあれば便利だと思うようになった。また、私がこれまで使用したGIANT AXACT PRO+やNEOS PROは高機能かつ多機能なサイコンだったが、一般的なサイコンと同じUIのまま機能を詰め込んだため、操作が複雑で使いにくかった。

だから、私はGPSの搭載と快適な操作性を重視して、GARMIN Edge 520Jを選んだ。Edge 520Jは主にトレーニングやデータ収集に重点を置いたモデルではあるが、数々の便利な機能が幅広いサイクリングに対応し、新しい楽しみ方を提供してくれることを期待した。また、今回は拡張性やアクセサリーの豊富さも重視。好みのサイコンマウントやVaria J リアビューレーダーの導入も視野に入れた。

レビューの内容は、普段のサイクリングでの使用を前提にしており、トレーニングを目的としたものではない。私がこれまで使ったサイコンに比べて、どれほど使いやすいのかということが話のメインになる。

 
GARMIN Edge 520J (デバイスのみ)





■ 外観とマウント方法
Edge 520Jはボタンを側面に配置し、画面を平面にすることによって、すっきりとした外観を実現している。操作方法は物理ボタンだが、スマホにも通じるデザインだ。どちらかといえば私の好みのデザインだが、色は白ではなく黒を基調にして欲しかった。私の自転車なら白でも合うが、黒の方が自転車やパーツとの一体感を出しやすいからだ。

付属のアウトフロントマウントとハンドル/ステムマウントは、固定力やEdge 520Jの操作方法に問題はない。だが、Edge 520Jの大きさが目立ちやすく、ステムの上部や前方に出っ張った感じになるのが残念だ。見た目を重視するなら、サードパーティー製のマウントの方がいい。

 
画面と同一平面状にボタンのないすっきりとした外観(左)、付属のマウントではEdge 520Jの大きさが目立ちやすい(右)





■ 初回起動時の各種設定
Edge 520Jは初回起動時の各種設定もスムーズに行える。物理ボタンによる入力は少々面倒だが、これは私がこれまで使ったサイコンも同様だった。初回の各種設定において、私が快適だと感じたのは以下の2点。早くもここでEdge 520Jの高性能を体感できた。


●ANT+センサーとのペアリング
スピード/ケイデンスセンサーと心拍計は、GIANT NEOS PROから引き継いだものだ。Edge 520Jならペアリングではすべてのセンサーを一度に検出でき、接続もすぐに終わる。NEOS PROに比べると圧倒的な早さだ。これはEdgeの処理能力の高さが影響していると思う。

 
各種センサーはNEOS PROから引き続き使用(右)、センサーの検出・接続は非常に早い(右)


●タイヤ周長の自動設定
Edge 520Jはタイヤ周長を入力する必要がない。GPSの位置情報とケイデンスからタイヤ周長が算出され、タイヤ周長が確定するとポップアップメッセージが出る。これにはかなり驚かされた。もちろん、手動で設定することも可能だ。





■ スムーズに出発をサポートする機能
Edge 520Jは起動してホーム画面が出るまでに約15秒かかるが、その後はスタート/ストップボタンを押せばすぐに出発できる。起動後にスムーズに出発できるかどうかは、サイコンを快適に使うためにはかなり重要。この点でEdge 520Jは優れている。


●バイクデータの切り替え
私がこれまで使ったサイコンは、2台の自転車で1つのサイコンを使う場合、ボタンを何回か押してバイクデータを切り替える必要があった。バイク1からバイク2に切り替えるといった操作を出発前に行うのは、毎回のことになると面倒だ。

そもそもセンサーごとに登録を行うEdge 520Jには、バイクデータを切り替えるという概念が存在しない。自転車を動かすだけでセンサーが検出されるので、スタート/ストップボタンを押せばすぐに出発できる。なお、Edge 520Jでバイクデータを切り替えない代わりに、自転車ごとの走行ログの管理は、WebサービスのGARMIN CONNECTから行う。


Edgeを操作してセンサーを切り替える必要はない。センサーは名称変更が可能


●ANT+センサーの接続とGPSの捕捉
ANT+センサーは以前のサイコンからの使い回しだが、ペアリングと同様にNEOS PROに比べると接続が段違いに早く、電源を入れればすぐにつながるので快適だ。GPSの電波の捕捉も早い。屋内では電波を捕捉しにくくなるが、玄関から出ればすぐにつながる。Edge 520Jにおいて、GPSの捕捉を待って出発が遅れたことはない。





■ 実走での使用
私がこれまで使ったサイコンは高機能・多機能を売りにしたものだったが、その分操作が複雑になって使いにくかった。Edge 520Jならサイコンとしての基本的な機能をおさえているだけでなく、ユーザーが快適に使えるようにさまざまな工夫がされている。特に印象に残ったのは以下の点。なお、簡易ナビ機能と地図については後述する。


●画面の見やすさ
単純に画面が大きくて見やすい。解像度もまあまあ高めで、画面の映りもくっきりとしている。輝度の調整が地味に便利で、画面が暗いと感じたときには見やすくすることもできる。スマホなら当たり前の機能だが、サイコンで搭載されている機種はまだ少ない。


●表示のカスタム
私がこれまで使ったサイコンは、表示できるデータを一部しか変更できないか、まったく変更できないものだった。そのため、ページを切り替えるために何度もボタン操作をするのがかなり面倒だった。

その点、Edge 520Jならデータ項目やトレーニングページ数を目的に応じて細かくカスタムできるので快適だ。1ページに多くのデータ項目を表示すれば、走行中のボタン操作のストレスが減る。ロングライド等でより多くのデータ項目を表示するために、ページ数を増やすことも可能。このとき、必要ないページは非表示にできるので、ボタン操作の回数は必要最小限で済む。

また、ロングライドとポタリングでは、必要になるデータ項目やページ数も異なる。Edge 520Jなら目的に応じてアクティビティプロフィールを作成することが可能。アクティビティプロフィールには、データ項目とページ数を任意に設定および保存することができ、起動時に目的に応じたアクティビティプロフィールを選べば、いちいちデータ項目の変更やページの表示・非表示をしなおす必要はない。


目的に応じてデータ項目やページ数を増やすことができ、アクティビティプロフィールに保存できる


●各種電波の接続
ANT+センサーは一度も途切れたことがない。屋外ならGPSも途切れたことがないし、ほんの短いトンネル内でも大丈夫だった。ただ、Bluetoothの接続は若干不安定。これがBluetoothの仕様なのか、他の問題なのかはわからない。


●ボタン操作
Edge 520Jのボタンはゴムで覆われているので、クリック感があまり明快ではないが、慣れれば問題なく操作できる。だが、走行中のボタン操作は非常に危険だ。前を見たまま手探りでボタンの位置を探し当て、トレーニングページを切り替える…といった操作でも集中力が散漫になる。走行中に押しても安全なのはラップボタンくらいだ。ちなみに、BACKボタンを長押しするとホーム画面に戻れるという小技がある。


●自動スクロール
自動スクロールを使えば、トレーニングページの切り替えにボタンを押す必要はない。スクロールのスピードは二段階に調整可能だが、早い方でもスクロールのスピードは遅い。結局、見たいページが出てくるまで画面を見続けてしまうため、わずかな時間ではあるが、前方から視線が外れて危ない。ボタン操作とスクロールを快適かつ安全に行うには、Edge remoteを使うのがオススメだ。


●スクリーンショット
ラップボタンを押せば、スクリーンショットを撮影できる。レビューに使っている画像もコレだ。走行の記録を画像として保存できることもEdge 520Jの楽しさだ。ラップボタンも兼ねているので、この機能は無効にできる。


こんなスクショも撮影できる


●トーン
Edge 520Jの起動音や操作音は、トーンを有効にすることで出るようになる。チープなビープ音ではあるが、いかにもデジタルガジェットを使っているといった感じなので、個人的には嫌いではない。なお、Edge remoteを使う際には操作音が出ず、Varia J リアビューレーダのトーンはEdge 520Jとは別に設定できる。


●自動ポーズ
信号待ちなどの停止中に、タイマーの計測をストップする機能。これがないサイコンは停止中でも延々と計測を続けるため、正味の走行時間の把握ができなかった。正確な走行時間を把握できれば、今後のサイクリングにも生かせる。


自転車が停止するとタイマーの計測もストップする


●心拍計関連
心拍ゾーンを表示すれば、現在のトレーニング強度を把握できる。これは走行のペースを把握するのにも便利だと感じた。また、心拍計を装着して走行すれば、リカバリーアドバイザーが利用できる。リカバリーアドバイザーは休憩時間を表示し、次回の走行時にトレーニングが可能な状態かどうかを助言してくれる。ただ、疲労の原因は複雑であり、リカバリーアドバイザーは目安でしかないというのが実感だ。


リカバリーアドバイザー


●表示モードの切り替え
表示モードを自動にしておくと、日の出・日の入り時刻に合わせて、夜間には白と黒が反転して表示される。帰宅が夕方以降になったときに便利な機能だが、地図が少々見づらくなる。


夜間の表示モード ※設定で変更が可能


●スピード/ケイデンスセンサーなしでの走行
Edge 520JはGPSのみでも速度の計測が可能であるため、軽快車やレンタサイクルに装着して走行ログを取ることも可能だ。ただ、漕ぎ出しや急加速での速度の表示が若干遅い。現在、シングルスピードにはスピード/ケイデンスセンサーを装着していないが、いずれスピードセンサーの導入は必要だと感じている。


スピード/ケイデンスセンサーはなくても使うことは可能


●バッテリー
バッテリー持続時間のメーカー公称値は約15時間だが、設定や使用方法に大きく左右される。特に輝度が高いとバッテリーをどんどん消費する。画面を見やすい範囲で輝度を下げれば、94kmの走行でもバッテリー残量が40%で済んだ。高機能なのでバッテリーを消費しやすいが、設定次第では長持ちするという印象。体感的には、ANT+センサーを増やしてもバッテリーにはさほど影響しないが、Bluetooth接続はバッテリーを消費しやすい気がする。


94km走行後のバッテリー残量





■ 簡易ナビ(コーストレーニング)
Edge 520Jの最大のメリットは、簡易ナビ機能にあると思う。簡易ナビ機能はコーストレーニングといって、本来は過去の履歴や作成したコースと同じ道をたどり、バーチャルパートナーと競争しながらトレーニングを行うためものだ。個人的には簡易ナビというよりも立派なナビだ。おかげで、方向音痴の私でも初めて行く遠くの場所に迷わず到着することができた。


●コースの作成と転送
Edge 520Jには、目的地を入力してルートを案内する機能はない。だから、出発前に時間に余裕を持ってコースを作成しておく必要がある。WebサービスのGARMIN CONNECTを使えば、直感的かつかんたんにコースの作成が可能。ルートラボ等を使うのも便利だ。

コースは往復でも作成可能だが、往路と復路でそれぞれ別のコースを作った方が便利。そうすれば、目的に到着してから辺りを散策し、帰宅するときに復路のコースを使うといったことも可能になる。行きと帰りで別々の道を走ることもできる。

コンピューターからの転送は、USBケーブルを経由してGARMIN EXPRESSで行う。GARMIN CONNECT MOBILEを用いて、Bluetooth経由で行うことも可能だ。出発前ならGARMIN CONNECT MOBILEの方が楽だ。


●ルートの案内
コーストレーニングを開始すると、設定したスタート地点までEdge 520Jが案内し、スタート地点に到着するとルートの案内を開始する。簡易ナビ機能のすごさは、転換点案内にある。例えば、交差点を曲がる前には、音とポップアップメッセージで知らせてくれるので、曲がる場所を間違えることも大幅に減る。

GPSの精度も高いので、ルートの案内もほぼ正確だ。ただし、ごく短い距離で連続で曲がるような場合には、GPSの誤差の範囲内になり、転換点案内が思い通りに表示されなかったり、コースから外れたりすることがある。


転換点の表示によって、目的まで迷わず走行できる


●オフコース
道を間違えてコースから外れても、「オフコース」というポップアップメッセージと音が表示されるので、間違った道を突き進む心配はない。必ずしもオフコースした地点に戻る必要はなく、いったん別の道を走ってから本来のルートに合流しても、ちゃんとルートの案内は再開される。本来のルートの一部を走らない場合も同様だ。


コースから外れてもEdge 520Jが教えてくれる


●バーチャルパートナーの設定
バーチャルパートナーよりも先に到着すると、ファンファーレとともに勝利のポップアップメセージが表示される。バーチャルパートナーが先に到着すると、負けのメッセージと暗い音楽でテンションが一気に下がる。自分かバーチャルパートナーのどちらかが先に到着すればコーストレーニングは終了するが、バーチャルパートナーが先に到着してもルート案内は継続して行われる。

バーチャルパートナーの速度は、これまでの走行履歴から決定される。バーチャルパートナーのページから速度を変更することもできる。なお、バーチャルパートナーのページを無効にしても、コーストレーニングでバーチャルトレーナーを消すことはできないようだ。


バーチャルパートナーに勝った場合


●地図ページ
簡易ナビとしてコーストレーニングを使用する際には、地図ページを頻繁に見ることになる。地図ページでは走行ルートの表示や走行した軌跡、案内メッセージ、方位の確認等ができる。地図はとは呼べないほどの簡易的なものだが、走行ルートや走行の軌跡の確認には十分に役にたつ。こんな地図でもあるのとないのでは大きな違いだ。


シンプルな地図だがあると便利


●その他
Edge 520Jには中継地点に名称を付け、中継地点までの距離・推定到着時間・推定到着時刻を表示させる機能がある。ただ、中継地点の編集は、GARMIN CONNECTのコース作成では使えない。Bike Route ToasterというWebサービスでコースを作成すれば可能らしいが、私は最初の段階からつまずいてうまくいってない。

なお、ゴール地点までの距離・推定到着時間・推定到着時刻なら表示は可能。これらは現在の走行速度からEdge 520Jが到着時間と時刻を算出してくれる便利な機能で、ロングライドでは特に役に立つ。これらの情報がわかれば気持ちにも余裕ができるし、体力や気力の配分もしやすい。なお、これらのデータは走行のペースによって変化し、おおむね正しく表示される。


特に目的にまでの時間と到着時刻がわかるのが便利





■ 走行ログの取得・管理
走行ログは、WebサービズのGARMIN CONNECTやスマホアプリのGARMIN CONNECT MOBILEにアップロードできる。アップロードはUSB経由でも可能だが、GARMIN CONNECT MOBILEなら走行終了後に自動的にBluetoothでアップロードしてくれるのでかなり楽だ。

GARMIN CONNECTで見られる走行の記録は豊富であり、同じデータでもさまざまな視点でチェックできる。自分の走り方や走行の軌跡を見ることで新たな発見があるし、次回のサイクリングにも生かせる。自己ベストの表示は気分を高めてくれるし、サイクリングの頻度や走行距離を把握することでモチベーションも格段に上がる。

正直、自分の走りをGARMIN CONNECTで振り返るのがこんなにも楽しいものだとは思わなかった。サイクリングをしたらそれで終わりではなく、帰宅後もさらに走ることとは別の楽しさが待っており、記録することで思い出はずっと残る。高機能なサイコンでも、走行ログが取得できなければ魅力も半減。走行ログの取得・管理をかんたんかつ快適に行えるのが、Edge 520JとGARMIN CONNECTのよさといえる。





■ 拡張性の高さ
Edge 520Jは拡張性の高さが魅力。高機能かつメジャーであるEdge 520Jを使うメリットは以下のような点にもある。


●対応デバイスが豊富
ANT+各種センサーへの対応はもちろんのこと、GARMIN独自のデバイスも数多く用意されている。私が手に入れたのは、Edge RemoteとVaria J リアビューレーダー。Edge remoteはEdge 520Jを手元で操作することが可能になり、Varia J リアビューレーダーは後続の車両を画面に表示して安全性を高める。こうしたデバイスを追加できるのもEdge 520Jの楽しさだ。


GARMIN Edge remoteとVaria J リアビューレーダー


●サードパーティー製のアクセサリーも豊富
サードパーティー製のアクセサリーが豊富にそろっているのも魅力のひとつ。私がこれまで使ったサイコンはマイナーな機種だったため、メーカー純正以外のアクセサリーは選べないし、手に入れるのも時間がかかった。GARMINにかぎった話ではないが、アクセサリーの豊富さと入手性の高さでは、メジャーなメーカーのサイコンの方が有利だ。


サイコンマウントはBAR FLY 4 ROAD MINIとMTBを使用。液晶保護パネルはミヤビックス製


●ソフトフェアアップデート
また、GARMIN EXPRESSを経由して、ソフトウェアアップデートが可能。不具合対策や新機能の追加、新発売のデバイスへの対応等、今後もさらに便利になることが期待できる。


●CONNECT IQアプリ
先日アップデートされたver 6.00では、CONNECT IQアプリが使えるようになった。CONNECT IQとはサードパーティーが開発したアプリのことであり、アプリはGARMIN EXPRESSを経由してインストールができる。このことによって、好きなアプリをトレーニングページに表示可能。一度に使用できるのは4つまでだが、1つで複数の項目を表示できるアプリもある。新しいアプリを次々と試したくなるのは、まるでスマホのようだ。CONNECT IQアプリには今後も期待したい。


Charts、My EDGE、Dashboardは全画面タイプのアプリ


●地図
Edge 520JはOPEN STREET MAPに対応しており、デフォルトの地図ファイルと置き換えることで、カーナビの地図のような表示が可能。このことによって簡易ナビ機能と地図が格段にパワーアップする。元のファイルをバックアップしておけば、元に戻すこともできる。





■ 総評
Edge 520Jが多機能でもストレスなく使えるのは、カスタムの自由度が高いからだ。多くのデータ項目を表示可能なサイコンでも、操作が複雑だと使いにくい。その点、Edge 520Jならデータ項目の表示・非表示、機能の有効・無効がしやすいので、目的に応じた必要な操作をするだけで済む。また、大きな画面は多くのデータ項目の表示を可能にし、ページ数も少なくしてボタンを押す回数を減らすことにも貢献している。

サイコンとしての基本性能も極めて高く、接続に関するトラブルもほぼ皆無。電源を入れればすぐに出発できるし、サイクリングが終われればGARMIN CONNECT MOBILEが自動的に走行ログをアップロードしてくれる。最初から最後まで実に快適だ。また、タイヤ周長の自動設定や自動ポーズ、夜間の表示モードの切り替え等、細かい部分も気が利いており、ユーザーが快適に使えるように作り込まれている。

私のサイクリングの楽しみ方を大きく変えたのが、簡易ナビ機能と走行ログの管理だ。正確にルートを案内してくれるEdge 520Jは、方向音痴の私の強い味方。これなら道に迷って気力や体力を消耗することもない。走行ログのチェックは私にとって新しい楽しみ方で、自分の走り方や走行の軌跡などさまざまな発見があり、モチベーションのアップにも貢献した。走行ログを管理するGARMIN CONNECTも使いやすい。

ほぼ同様のことはEdge 25Jでも実現できると思うが、Edge 520Jの方が幅広い用途に対応でき、大画面と拡張性の点でも有利だと感じている。機能を絞ってシンプルに使えば、基本性能の高いサイコンとしても活躍するので、サイクリングのレベルによらずにオススメできる。Edge 520Jは走行データを見てそれで終わりのサイコンではなく、サイクリングの楽しみ方を広げてくれるデバイスだ。自分のサイクリングの何かを変えたいと思うなら、Edge 520Jの導入はよい選択だと思う。すべての機能を使い切ってはいないが、個人的には大満足だ。



価格評価→★★★☆☆ (高価だが買うに値する)
評  価→★★★★★ (これまでのサイコンとは一線を画す素晴らしいデバイス)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→約60g(本体のみ)
 
LZPT2IB  2017-5-24 0:21
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GARMIN Edge 520J

購入価格: ¥32,832 (税込)
標準価格: ¥38,880 (税込)

『OSMをインストールしているなら、地図表示を3Dモードにするとコースが直感的にわかりやすい』



■ 地図表示の3Dモード
GARMIN Edge 520Jは、ソフトウェアのアップデートによって、さまざまな機能が追加されるのが魅力だ。さて、Edge 520Jの地図表示には、ノースアップとトラックアップの他に「3Dモード」がいつの間にか追加された。

地図の3Dモードは、設定→システム→地図→地図表示の順に辿っていけば設定できる。ただ、走行中にトレーニングページの地図から地図表示を変更することはできない。あるショップのブログで3Dモードの存在は把握していたにもかかわらず、設定からしか地図表示を変更できないことに私は気づかなかったため、3Dモードを試すまでに時間がかかってしまった。

OSM(オープンストリートマップ)をEdge 520Jにインストールし、なおかつ、事前にGARMIN CONNECTで作成したコース(ルート)で目的地に向かうなら、3Dモードは便利だ。目的地に向かって自分が進んでいるかのように表示されるので、コースが直感的にわかりやすいからだ。単に地図を見るだけなら、トラックアップの方がわかりやすい。地図表示の選択肢が増えたのは素直にうれしいが、目的や気分に合わせてトレーニングページの地図から地図表示を変更できたらもっと便利だと思う。

また、Edge800Jと同様に事故検出機能も使えるようになった。ソフトウェアアップデートによって機能が充実するという点でも、Edge 520Jはオススメできる。

  
OSMを使うなら3Dモードが便利(左、中央)、3Dモードは設定から変更する必要がある(右)


価格評価→★★★☆☆ (高価だが買うに値する)
評  価→★★★★★ (ソフトウェアアップデートで機能が充実)
<オプション>
年    式→2015年
カタログ重量→約60g(本体のみ)
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