購入価格 ¥700(古本)
告白する。私はデブである。一時は112キロまで逝ったこともある。
今でこそ70キロ台前半になり、身長が182センチとそこそこあるので
一般的にはデブとは言われなくなったが、自転車のりとしては
まだデブである。
よって、20年間太った自転車乗りとして頑張ってきた著者の悲哀が
よ~く分かる。
15年位前のことだが、某スーパーのPB自転車(現在は独立して
別企業)を買おうとして、『失礼ですが?お客様は体重はどれ位
おありになりますか?う~む。その重さではウチの自転車は
アルミのリムですので耐えられそうにありません。』と門前払いを
食わされたのが一番親切な対応である。
112キロもあると、一般車で空気圧を上げて走っていても、
歩道の段差に勢い良く乗り上げたりしていれば、リムを曲げないまでも
スポークはボロボロ折れてくるのだが、どうしてですかね~?と
首を傾げながら、何度も何度もフレ取りをしてくれた親切?なおにいさんとか、
半年でスプロケがボロボロ、チェーンがノビノビになったのが、お客がそうだと
思うと申し立てているのに、半年でそんなことはありえませんと取り合ってくれなかった
若い店員さんとか、悲しい体験談は枚挙に暇が無い
著者は勤務医&医学研究者という、カネは多少溜まるかもしれないが、
走る暇は無いという生活を長らく続けられてきたようで、自転車に
のめり込んでおられながら、デブを維持?されてきたようなのだが、
身長168センチなのに体重が105キロを突破し、肥満度の尺度である
BMIが37を越え、『病気』として肥満治療を実施されたようだ。
『体重は35キロ減ったが、筋肉も萎縮し貧血になり‥』と残念そうに
書いておられる。(走って減量できればこんなことをしなくても
良かったのにとか、デブだったときの方が速かったのに~ということらしい)
副題に『メタボ医師の経験的自転車生活』とあるが内容は極めて実践的である
デブ用の自転車として
130-200キロなら -> マウンテンバイク
100-130キロなら、ロードやクロスでも良いが、買っても良い機種の条件は‥
100キロ以下なら‥
と自転車はじめてみたいよと思いながら、自分が太ったことがないので、
デブに配慮がないスポーツ車の販売店のおにいさんに泣かせされている
メタボなお父さんのお悩みのツボを具体的に教授してくれる
また、著者はお医者さんであるから、BROOKSのサドルにカビを発生させて
しまった時のいかにも医者らしい対処法とか、膝の痛みについてとか、普通の
サイクリストにも役に立つまめ知識もちりばめられている。
本サイトのレビュワーをやられるような方ならば、ちょっと腹が出たメタボな
友人から、自転車について相談を受けることもあるだろうから、無責任な
回答をしなくて済むよう、一読しておくと為になると思う
惜しむらくは、著者と一緒に本を作り上げていく編集者がデブで無いらしく、
初めての執筆活動で暗中模索の著者をサポートし、メタボ父さんの琴線に
触れるような、題名、キャッチコピー、章立てが出来ていないことである
普段は自転車雑誌を編集している、自転車競技を引退したガリガリに痩せた
おにいさんではなくて、エイ出版の他の分野(鉄道とか、飛行機とか、カメラとか
結構そういう方面の出版物も出している)のメタボ編集者と同じ著者の
コラボレートを次回は期待したい。
価格評価→★★☆☆☆(定価1200円。1500円にした方がアマゾンが無料配送になるので良かったと思う。この本の想定読者はオヤジ。この価格は却って良心的でありません)
評 価→★★☆☆☆(この内容で出版2ヶ月で普通の本屋の棚に置かれてないのは、出版社と編集者の力不足!編集者にレッドカード!)