購入価格 ¥81000 フレーム&フォーク&ヘッドパーツ
まずは仕様を書きます
フレーム&フォーク&ヘッド : RA6 430mm レーシングレッド
ハンドル : EA70 Ergo 380mm
STI : ST-7900
ステム : KCNC 110mm
ブレーキ : BR-7900
シートポスト : HARP SLC-160
FD : FD-7900 34,9
クランク : FC-7950 167.5mm
BB : SM-BB7900
RD : RD-7900 SS
CS : CS-7900 12-23T
チェーン : CN-7901
バーテープ : OGK CBT-1
ホイール : ACLASS ALX440SL 2011
タイヤ : コンチネンタル グランプリ4000S 23C
サドル : fi'zi:k ARIONE versus
ペダル : Time - I-Clic チタンカーボンロードペダル
ボトルケージ: ティーワンANYWAY 超軽量アルミボトルケージ
サイクルコンピュータ :CATEYE CC-TR200DW
以上の仕様で7.6kgとなった。特別な軽量パーツを使用して無いので、工夫を凝らせば6.8kgもいける(ただしお財布もかなり軽くなる)
評価を書く前に、この評価だが、正直うまく書けてる自信がない。いや、完成車として書くならある程度は書けるんだが、今回はあくまでフレーム単体の評価を書きたい。しかし以上の構成のようにDURAで組んだ自転車で(なお完成車ではDURA組みは無い)、試乗を除けば初のDURAの自転車だからDURA補正がある程度かかってしまっている可能性はある。また私自体がかなり特殊で身長が158cmで体重48kg、更には去年トラックと接触事故を起こし背骨を折り背中を痛めてまだリハビリ中の人間である。そのためフレーム単体の評価を書くが、一応DURA組みで乗ってみた、小柄で軽量、更にはけが人が乗った評価だということを断っておく。
前書きが長くてすみません。ようやくレビューです。まず先にまとめを言わせて貰うと
自分の好み(高反応、高剛性、優れた登坂能力)の点から言うと大満足。それ以外の点は良いとはいえないが、合格点以上の実力はある。美味しいところがはっきりとしている個性的で攻撃的なフレームでパーツアセンブルとライダーの適正がマッチすれば上位モデルを喰えるだけの潜在能力の高性能フレーム。ただし決して乗りやすいフレームではなく、非競技思考の初心者向けではない。競技思考なら初心者でもお勧め。
といった感じです。では具体的どこが優れて、どこが悪いのか書いていこうと思います。ちなみに比較対象は↓のDE ROSA TEAM 2007です
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5627&forum=49・高剛性
素晴らしい剛性感です。DE ROSAよりも剛性があると思います。今まで乗った中でも一二を争う程です。非常に良く進むフレームです。あくまで記憶ですが、以前ショップで乗せてもらったCANNONDALEのSYSTEMSIXにMAVICのR-SYSをつけた奴と同じくらい進む印象があります(流石に軽快さは負けますが)
踏み込んだ力が全て駆動力に変わる感じで、坂は駆け上がるように、平地ではスチールやカーボンのようなバネ感を活かした伸びはありませんが丁寧なペダリングを心がけ、少しケイデンスを落として重めのギアを踏むと面白いように伸びます。
ただし、フォークの剛性がイマイチな気がします。変な癖は無く扱いやすいんです。ただ、縦は悪くないんですが横剛性があんまり。下りのカーブでの安定感に欠けます。たぶん比較対象が悪いんですが、比較対象は3T FUNDA PROフォークです。これをDE ROSAにつけたと気はあまりの良さに別物のフレームになったかと勘違いするほどでした。それに比べると、物足りない。もちろん悪いわけではないんですけど(合格点レベルではあります)、正直もっと良いものを知ってしまった身からするとダメ。まぁフレーム&フォークで定価9万だからそこは仕方がないと思います。しかしANCHORはフレームサイズに応じて4種のオフセットのフォークを用意してくれているのでハンドリングは素直です。でもお金が入ったらオフセット変わっちゃうけど3Tのフォークに交換すると思います。
・高反応
反応性の良さは一級品です。これはカーボンもスチールもチタンも真似できないと思います。同じアルミのDE ROSA TEAMよりも良いです。特に登りでの反応は素晴らしい。ダンシングした瞬間、後からハンマーで打ち出されるような鋭い加速が得られます。ただ、この反応性と高剛性も相まって『しなり』とか『たわみ』とかは無縁なので、バネ感を活かしてギューン!ギューン!とリズムを取って加速するような乗り方は出来ません。それをしようとすると、クランクが下死点に来たときにバランスを崩しふらふらしてしまいます。なのでダンシングのみならず、シッティングでも丁寧にペダリングしなければいけません。バネ感を活かすよりも、極力クランクに掛かる力にムラが出来ないよう、常にトルクをかけ続けるようなペダリングをすると反応性と高剛性が相まって平地も上りもモリモリ進みます。そういった意味では決して乗りやすいフレームではなく、むしろ乗りにくいフレームです。ただし、このフレームで走れるようになればペダリングは綺麗になると思いますし、綺麗に踏めれば秘めてるスペックの高さから上位モデルにも引けを取りません。
※ちなみにANCHORが言うにはRA6よりRFX8の方が一般レベルがライダー楽に速く走れるよう剛性バランス調整がしてあり、よほど真面目に乗らない限りはRFX8の方がお勧めらしいです。
・快適性
ここでは『快適性=乗り心地』ではなく意味に分けようと思います(勝手ですが)。ひとつは振動が少ないという意味、いわゆる『振動吸収性』もう一つはいろいろな要素が絡み合いますが楽に走れるかという意味で『快走性』とします。
まずは振動吸収性ですが、「最近のアルミは良くなってまるで道路に布を敷いたように~」なんて事はありません。某サイトでも乗り心地は良いと去れてましたが正直、良くはないです。ただしこれは私が430mmの小さいフレームに乗ってるからかもしれません。(一般的に小さいフレームは剛性が高くなり、快適性が下がる傾向がある)やっぱり走ってると振動はきますが、DE ROSAと変わらない感じです。DE ROSAより剛性が高いと感じているのに振動吸収性は差がないということは、決して悪い訳ではないと思います。実際、乗ってみても耐えれない程ではありません。あと、不異議なのはゆっくり走ると結構振動がきつく感じるのですが、30km/h以上で走ると振動が少なくなり大人しくなります。これはDE ROSAでも同様でした。なぜだろう?とりあえず、それなりの速度で走ってるとそんなに気になりません。私の使用だとスポークテンションを上げたホイールと4000Sに乗ってるので結構硬いはずです。ここら辺は乗り手に合わせて、快適性の高いホイールやタイヤを選べば十分カバーできると思いますし、ロングライドも大丈夫だと思います。ただし、カーボンシートポストはあったほうが良いともいます。
次に快走性ですが、これは正直あんまり良くないと思います。というか上の『30km/h以上で走ると振動が少なくなり大人しくなります』が示すように速く走ったほうが振動が少ないのでついつい飛ばしすぎてしまいます。その結果、後半は足が無くなり、へろへろになって、速度が下がり、更には乗り心地も悪くなり・・・という悪循環になりかねません。しかし裏を返せば「全力を出させてくれる」ということになるのでパーツアセンブルを考えて、きっちりペース管理するスキルがあれば逆に武器にも出来るでしょう。ただそうなると、ますます初心者お断りって感じになりますね。
・非BB30
このフレームを選んだ理由の一つがBB30を採用していないことですBB30が良いことは分かるんですが、シマノクランクが使いたい(しかもクランク長167.5mm)のとBB30はベアリングのシールが弱くメンテに気をつけなければならないという理由があり、当初はCANNONDALEのCAAD10を考えたのですが不採用になりRA6になりました。実際に乗ってみて、BB30は無くともRA6の剛性は素晴らしく、非常に良く進みます。身体の軽い私にはDURAクランクと合わせると剛性過多ではないかと感じるほどです。そのため、アルミより剛性を確保するのが難しいカーボンならBB30などは効果があるかもしれませんが、アルミには不要なんじゃないかな?って思います。後、BB30にすることでQファクターが変化するのも嫌だったので(以前Qファクターを狭くして膝に痛みが出た)不採用にしました。
・価格
正直、これほどの性能のフレームが9万ってのは驚きです。ハイエンドアルミフレームは大体15万位しますが、それにも負けません。DE ROSAなんか17万近くしたのに9万のRA6のほうが上なんて・・・(年式差もありますけど)凄いコストパフォーマンスだと思います。多少乗りにくさはあるものの、パーツアセンブルで乗りやすいものに仕上げるのも可能だと思うので、中途半端なもの買うよりこれと、お気に入りのタイヤとホイールを揃えたほうが長く、楽しく付き合えると思えます。参考までに他社の有名アルミフレームを挙げ比較すると
CANNONDALE CAAD10 149,000円
CERVELO S1 178,500円
ANCHOR RA6 9,0000円
となってるようにかなり格安なのでWH-6700やWH-RS80なら余裕で付けれますし、ちょっと頑張ればDURAのホイールをつけることも可能です。そう考えるとかなりお買い得だと思います。
とまあ、性能面ではこんな感じです。何か玄人向けですね。レーシングエントリーとしては良いと思いますが、ポタリングやフィットネス、非レース系イベント参加目的の方はRFX8かRFA5あたりが良いと思います。しかし、オフセット最適化は評価できるけど・・・つくづくフォークが残念。価格を考えたら仕方がないか。普通に使うなら問題ないけどレースで上位目指すなら交換お勧めです。どちらにせよ性能は十分なので、買って損するフレームではないです。
さて後は性能の部分ですが、ここからはもろめちゃ趣味なんで読まなくても良いです。
まず形状!
とってもセクシーです///もう至る所に異型チューブが使ってあり更にはハイドロフォーミングで美しく造形されてます。
トップチューブはヘッド側は逆三角形で徐々に変形しながらシートチューブ側はT字型になっています。
シートチューブ側にはグラマラスなフィンがあります。それ以外にもダウンチューブはヘッド側は四角形ですが、BB側は丸みを帯びた形状に変化していたりしていますし、ほとんどのパイプが力の掛かるところは太く、掛からないところは細く最適化されてます。とてもじゃないけど9万のフレームに見えない。なんだかこういうパイプ形状の変化はネオコットを思い出させるような感じです。溶接の処理もDE ROSAに比べたら多少粗はありますが、GIANTとかコストパフォーマンス重視の他メーカーに比べたらかなり綺麗に処理してあります。(DE ROSAはレース会場でものコックカーボンと間違われるくらい綺麗に溶接処理してありました)
また塗装も凄く綺麗です。塗装は国内工場で行ってるようでフレームには品質保証書が付いてました。性能だけでなく見た目もかなり良く、カラーオーダーもできるので所有欲もかなり満たしてくれます。万人には勧めないけど、アルミが好き、走るフレームが欲しい、レースに出たい!って人ならかなりお勧めです。
価格評価→★★★★★(定価でもバーゲンプライスな性能)
評 価→★★★★☆(個人的には満点だけど、かなり)
<オプション>
年 式→
カタログ重量→ フレーム単体 1,590g(490mm)
フレームセット 2,050g(490mm)
実測重量 フレームセット 2,000g(430mm)