購入価格 ¥3.700×2(Probike kit)
まず最初に断っておくが、私は上記二人のような絶賛は出来ない。
と言うのも、今まで使ってきたタイヤの中で、自分に与えたインパクトの強さだけで評価すれば、ワーストいくつに入る。
まず1つ目の不満。「トレッドゴムが、微妙に歪んでいる。」
走りに支障を及ぼすことはないと思うが、よほどの粗悪タイヤでない限り、タイヤが左右に波打ってる事なんて無い。
ましてやハンドメイドを謳って、タイヤの精度に命を懸けてそうな会社の製品とは思えなかった。
オープンチューブラー、つまりチューブラーと同じ工程で作られたクリンチャーじゃなかったのか?Veloflexよ。
2つ目の不満。「新品らしさが無い。」
走り出した瞬間から、新品タイヤ独特の転がりの良さ、乗り心地の良さが一切無い。
もう既に何百キロも走って来たような、そんなイメージだ。
しかしながらこれは、人によっては慣らし走行をしなくても良いと捕えると思う。
いきなり90%近いスピードで攻めても、怖くはないといった具合だ。
実際、今現在1.000kmを消化した上で書いているが、その新品状態からフィーリングが一定である。
良くも悪くも、美味しい所が長く発揮できるように、カリカリのコンパウンドは使っていないんだろうと推測される。
3つ目の不満。「意外と減りが早い。」
公称寿命2.500km(フロントは5.000km)のこのタイヤは、ショルダーまで溝つきで、
センター部分はCorsa Evo-CXのの様なヤスリ目である。
自分は溝付きタイヤが嫌いで、常にスリックばかり履いてきた。
がしかし、Veloflexにスリックタイヤは無いので、仕方なしに選んでいる。
理由は、溝が減るとあからさまに「減った感」があるため。
心配は的中し1.000km走った状態で、リアのセンターはスリックになってしまっている。
自分は体重も軽ければ出力も低い。その自分が使ってコレなのだ。
決戦用と割り切るには、鬼のようなグリップを発揮するわけでもないし、
VeloflexとしてもBlackはトレーニング用という位置づけである。
では一体、このタイヤの取り得は?存在意義はあるのか?
答えは「Yes」だ。
このタイヤは使っていて非常に安定感がある。
濡れている路面も、乾いた路面も、荒れている路面も、素晴らしい舗装の綺麗な路面も、
全てにおいて不安を感じることなく、同じ場所を走っているような、大袈裟に言えばそんな感じだろうか。
表情が無い、それでいて仕事はする。そんなタイヤがあってもいいんじゃないかと思う。
そして実際に溝が無くなっていても、フィーリングで何かを感じることは皆無だ。
また、一つ前に使っていたCorsa EVO Slickは、荒れた路面を走ればトレッドが傷だらけになってしまった。
しかしVeloflexのこのタイヤは傷一つ付かない。いや、見落としているだけかも知れないが。
スペック的にもVittoriaのCorsaシリーズとほぼ同じで、ケーシングの細かさやベースの素材、
対パンク素材の種類や入れ方もほとんど同じだろう。でないとおかしいから。
なのに使ってみると、こういった細かい点で違いがあるというのは、やはり存在意義があると言い切れるのではないだろうか。
よほどの物好きでなければ、激しくオススメするような物でも無いが、
考え方古い目の、少しクラシックなタイヤが欲しい人には胸を張ってオススメ出来る。
また蛇足ではあるが、R-AIRを入れた際とMichelinのLATEXを入れた際では、全く別のタイヤになる。
この事はラテックスユーザーなら誰でも想像出来ると思うが、その差が顕著過ぎて話にならない。
使う場合はチューブも用意しておいた方が良いだろう。
価格評価→★★★★☆(日本の価格だともっと高いので)
評 価→★★★☆☆(良くも悪くも普通のタイヤです)
<オプション>
年 式→2010(ラインナップが変わって一新した後のBlack)
カタログ重量→ 190g(実測重量 200-200-201g)