購入価格 ¥2本で7000円くらい (Yオク)
マキシスが以前作ってたヒルクライム専用タイヤ。現在は生産していないようですがあまりのキワモノで定価が1本12,600円というめちゃくちゃな設定だからかあちこちで在庫が余っているらしくタキザワ等で投げ売りされてます。手に入れようと思えば今でも手に入れます。ちなみに私が手に入れたのは2009年です。
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え?軽くないじゃん・・・って思ったあなた。奥さん、これ2本分の重量なんですよ・・・。つまり1本121.5gです。カタログスペックだと1本132gなんですけど大丈夫ですか?
性能は確かに軽いです。上りでは顕著です。そりゃそうです。ホイール外周部の軽量化は最も効果のある軽量化で、その最外周部のタイヤが片方で80g、両方だと160gくらい軽量化されたんですから。よく言われるのがホイール外周部が100g軽いのは1kg全体重量が軽いのと同じ効果があるとか言われてます。これは色々言われてはいますが個人的な体感としてはそれくらいの効果はあります。
ゴムの質感は結構柔らかめで少し粘りのあるようなゴムです。グリップは十分にあります。まだ粘りのせいか小さな砂がタイヤによく張り付きます。すぐ取れますけど。砂が少しあるところを走るとジャリジャリ感が普通のタイヤの3割増です。
転がり抵抗も低いと思います。また20Cなためハンドリングも軽く、シャープな印象。ただヒルクライム専用なので下りで攻めたりしてはダメです。
心配な点としては耐パンク性能。持つとわかりますがペラッペッラです。ケーシングにビードをつけて、ゴム貼り付けただけって感じです。耐パンクベルトも無いようなので鋭利なものを踏むと一発でしょう。ただ今のところレース合わせて100km以上使用しましたが走行中のパンクはありません。ビードが硬いので軽量チューブをはめる際に私の不定際でチューブを傷つけてパンクはありますがそれ以外はありません。私の体重が45kgと軽い、運が良いのもあるかもしれませんがとりあえずそこまで心配しなくても大丈夫では?
ただ、このタイヤすごく剛性がありません。
20Cとペラペラなサイドウォールが影響しているからか、坂でダンシングするとぐにゃっとなり、走る力が逃げる&反応が遅い感じがします。解消法として空気圧を高めにすることがありますが、私は普段の23Cだと7.2~7.4barくらい入れてますがこのタイヤだと9bar以上入れます。ちなみに最大空気圧は10barと書いてあります。45kgの私ですら9barですので重い方は本当に剛性不足に悩むかもしれません。その場合は23Cの方がいいかも。また剛性無さが影響してか軽量チューブと合わせると更にふにゃふにゃになるので相性が悪いです。私はパナのR-airを入れましたがふにゃふにゃな感覚が気に入らず、リアはコンチのノーマルチューブに戻しました。タイヤ自体の耐パンク性と剛性を考えるとノーマルチューブの方が良いかもしれません。剛性不足を解消すれば非常に良く進みます。このタイヤを使ったことで下見で走った時に32分(25Cのコンチネンタル ゲータースキンを使用)だったコースが本番では27分30秒になりました。ただ、この時、運悪くパナのR-airがハズレを引いたらしくバルブからわずかに空気が漏れてて、走行不能にはならないものの登坂途中からフロントタイヤが潰れてきてすごく走りにくかったです。なので本来の性能を発揮すればもっと伸びるかも。
総評
キワモノとしては合格でしょう。現在は売ってないのが悔やまれますが、製品が悪かったというよりセールスの問題だと思います。定価はあり得ません。ちなみにライバル製品としてContinentalのGrand Prix SuperSonic(150g)がありますがこちらは使用したことがないので比較はできません。ただ、国内だと投げ売りされてるときに買えばかなり安いので、
・体重が軽い
・キワモノ好き
・ヒルクライムで速くなりたい
なら買ってもいいんじゃないでしょうか?ただ、やはり剛性不足は懸念されます。私が非常にソリッドな乗り心地を好むライダーというのもありますが、アルミバイク+アルミホイールで剛性不足は解決したので、もしかしたら快適性重視のカーボンバイクとかだと剛性不足は残るかも。万人には薦められませんが、こういったレビューのネタとしては最高のアイテムです。
価格評価→★★★★☆(私の購入価格ならこれ、定価だったら★0どころかマイナスがつくレベル)
評 価→★★★★☆(剛性不足の懸念で★‐1)
<オプション>
年 式→2009
カタログ重量→ 132g(実測重量 121.5g)