購入価格 ¥50,000弱(工具除く)
【材料】
ハブ:Campagnolo Record (前後とも) 32H
リム:Mavic Open Pro
スポーク:DT Champion 2.0 (294mmx48, 292mmx16)
ニップル:DT真鍮 64個
【組み方】
イタリアン6本組
120kgfを基準(Rの反フリー側は60kgf)
【工具】
Minoura True Pro Combo
PARKTOOL WAG-3 リムセンターゲージ
PARKTOOL TM-1 スポークテンションメーター
PARKTOOL ニップル回し SW-0
Dura-Ace グリス
マイナスドライバー
【参考資料】
SKI JOURNAL社 『ロードバイクの科学』
有限会社サイクルメンテナンス ホイール組みの達人 ver1.0
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恥ずかしながら初めての手組みホイール。自分で組みました。
初めての手組みホイールなので他の組み合わせとの比較はできませんが、たいへんたいへん満足しています。これまで様々な完組ホイールを所有してきましたが、約12万円で購入したカンパのユーラスに比べると大変お得であると言わざるを得ません。材料費は50000円しませんでした(工具は合計で20000円くらいしてしまいましたが)。ユーラスは現在もメインで使用しており好きなホイールですが、では70000円の価格差を正当なものとして受け入れられるかと聞かれると、今となっては「ちょっとどうかな~」と悩みます(我々は業界にボラられているのではないだろうか・・・・)。
とはいえ、完組と手組みとでは傾向が全く違うのでしょう。このレコードハブ+オープンプロの組み合わせは、大変乗り心地が良く、転がりは軽く、加速性も優れていて、40km/hくらいまでは速度が落ちません(一般にオープンプロでは35km/h以上だと速度維持が難しいと聞きますが、今のところそんな感じはしません)。
マイナス点は、手組みの宿命とのことですが、乗車一日目のテストライド(60km)で初期振れが出たこと。はやくなじみを出してしまおうと多少荒っぽい載り方をしましたが、結構出るものですね(組む段階で入念に馴染み出しをしたにも関わらず)。ちなみにカンパの完組だと購入から1年くらいはまったく振れたことがありません。また、フロントホイールから縦振れを取りきれなかったこと。これは、二回分解して新しいニップルを使用して組みなおしをしても、リムの同じ箇所で縦に大きく振れてしまい、どうやっても取り切れませんでした。リアに使用したリムは全く問題なく、縦も横も完璧。結局、フロントのリムは精度の問題であろうと判断して0.7mmくらいの縦振れを取るのをあきらめました。オープンプロのような良いリムでこうした問題が出るのは珍しいようですが、『ロードバイクの科学』には「リムの歪みをスポーク長の調整で無理に取ろうとしない」という記述があり、それに学ぶことにしました。最終的には問題なく乗れています。
レコードハブの回転は本当にスムース。なお、カンパ完組ホイールのフリーは賑やかな音がしますが、単体で購入したハブは非常に静かです。参考まで。
スポークはHOSHIのスターブライトを購入予定でしたが店頭になく、まあ最初のホイールということもありDTで代用。丈夫な14番手にしました。
それにしても、このパーツの組み合わせの良し悪しは別として、はじめて自分で組んだホイールに★★★★★を上げたいと思います。組み上げるのに三日ほどかかりましたし、やり直しもあって順調に作業が進んだわけではないですが、自分で組み上げたホイールに乗る感動は予想と期待をはるかに上回りました。勿論、最初の手組みなので精度はあまり良くないかもしれません。とは言え、ものすごく嬉しい。また、楽しい。最初にこのホイールをつけて外でバイクにまたがった時、一瞬でポテチらないか胸がドキドキし、しばらく乗ってコーナリングでドキドキし、遠出して登坂でドキドキしたりしてましたが、向かい風に向かってスプリントする頃にはもう何の躊躇もなく踏み込んでいました。この感動はどのように伝えればよいのでしょう。とにかくおすすめです。
ユーラスもシャマルもRacing 0 も7850も乗った、他におもしろいホイールはないのか? そんなあなた、もし手組み未経験でしたらおすすめです。なおかつ、自分で組んでみることをおすすめします。私には大変大きな発見がありました。この発見は、ショップへのオーダーでは得られない可能性が大です。
価格評価→★★★★★ 初期投資は少し高いですが、2セット以上組む予定なら工具を入れてもお買い得。
評 価→★★★★★ 完成したホイールの乗り味だけでなく、自分で仕組みを理解して組み立てたものに乗るという経験も含めて、最高評価です