購入価格 ¥ 約12000
弟が使ってるタキザワの手組み(XR-240 32H+Tiagra=DT Champ1.8)を使わせてもらったらあまりにもよく走るもんだから驚いて、自分も手組みを使ってみようと思い初めて組んだ手組みホイール。
今までは振れ取りをしたり、ママチャリのホイールを遊びで組んだりしてたが、ロード用に作ったことはなかったので初挑戦。
ちょっと軽量で、踏めばしっかり進む安価な練習用ホイールというコンセプトだったので、特別変わったパーツ構成ではなくなりました。
構成はタイトルのとおり
・リム KINLIN XR-19W 32H
・Fハブ SHIMANO HB-4600
・Rハブ SHIMANO FH-4600
・スポーク DT Swiss Champion 1.8mm Silver
です。
組み方も前後イタリアン32Hとド定番。スポークテンションは高めフロント124kgf 、リアDS124kgf、リアNDS72kgfになりました。
しかし、ちょっと硬すぎる気がするので最近少し落とそうと計画中。落としたらまたレビューします。
面白みに欠けてすみません。
・組んでみて
リムの精度は良いと思います。
初めて組んだので他とは比較ができませんが、フロントはすんなり振れ取りもできました。
リアに関しては左右のテンション差もあるので若干苦戦しましたが、最終的に振れは殆ど無くなりました。サンプル数2なので統計的には何も言えないのですが、私の使ったものに限れば精度が悪いというわけじゃなさそうです。
ハブとスポークも問題ありませんでした。
・走ってみて
主な比較対象はそれまで使ってたA CLASS ALX440SL(重量:1555g)です。(所々弟の持ってる手組みホイールとも比較してます)
440SLは安価で軽量なので貧乏クライマーに人気のホイールで、GIANTの完成車に標準装備されてたりします。
まず漕ぎ出しですが大差はありませんでしたが、若干手組みの方がよく進む感じます。
漕ぎ出しはリムが軽いほうが有利と言われてます。
今回使ったXR-19Wが値段の割に結構軽量なリムで2本の平均重量は409.5gでした。
一方、440SLのリムもバラして重量を計測したのですが417gとこちらの方が重くなりました。
ちなみにXR-19Wはリムにハトメがついてますがこれ磁石がくっつきました。鉄っぽいです。もしこのハトメがなかったら相当軽量なリムだと思います。
今回の手組みはハブがTiagraでスポークはプレーン1.8の32×2=64本
440SLはハブはオリジナル、スポークはプレーン2.0のF20+R24=44本
なので重量差(1778-1555=223g)はハブとスポークで出たものと推測できます。
前述の通り、漕ぎ出しはリムの軽いほうが有利と言われてるので、重量差による悪影響はそこで消されてるものだと思います。
ただ、弟の持ってた手組みと比べるとあちらはリムがKINLIN XR-240(460g)なのに大差は無く感じました。
一般的な法則とは逆で驚きましたがなんででしょう?多分あちらは多分組んだ人の腕がいいからだと思います。
同様に、上り坂もリムが軽いほうが有利と言われてるので手組みが440SLに劣る感覚はありませんでした。
と言いますか、スポークが多くトルクの伝達が良いからか手組みホイールの方が激坂区間に強く、脚が売り切れてからも回すのが手組みの方が楽でした。
スポークを減らすと、空気抵抗や重量を削ることができますが、ヒルクライム用のホイールなら重量増でもスポークはある程度多いものを使ったほうが良いと思いました。
一方、平地では完全に差は感じませんでした。比較速度域は30km/h台です。
440SLの方がスポークが少ないので、空気抵抗は少ないはずなのですが手組みとの比較ではその優位性は感じることができませんでした。
440SLはプレーン2.0のスポークを使用してるので、スポーク数の割に空気抵抗は大きいそうです。なので手組みとあまり差を感じることができなかったのかもしれません。
下りでは
速度が乗ってくると手組みは失速しやすく感じます。脚が止めれない感じです。ここは多スポークで空気抵抗が大きくなったからでしょうか?
ただし、手組みホイールの方が横剛性が高いようでカーブでの安定性が違います。手組みの方が思ったラインをしっかりトレースできます。
また、どうやら440SLのリムはシマノのシューと相性が悪いらしく効きが悪かったのですが、このリムはしっかり効くので減速がしやすいです。
ただ、特別よく効くというわけではなく、他の対象としてR500を使用しましたがR500とはブレーキの効きは大差なく感じました。
トータルで考えると手組みの方が楽に下れます。
快適性では
手組みは快適と聞いていたのですが、スポークテンションを高めにしたせいか全くそんな感じはしません。
一回、更にテンションを高くしてタイヤの空気圧も8bar入れて走ったのですがこの世のものとは思えない硬さでした。
ロングライドでも使いましたが、440SLに比べて優位性を見いだせませんでした。
もう少し快適性が欲しいのでここはスポークテンションを調節してみるつもりです。
まとめ
手組みが12000円、440SLが27000~32000円程度で手に入り、性能は大差ないことを考えると手組みの方がコスパに優れるのは明白です。
ただし、手組みである弊害として自分で組むもしくはプロに工賃を払って組んでもらうことになります。
しかし、1本4000円程度の工賃が必要だったとしても、この構成だと2万円程度で作ることができるのでまだ安いです。
リムもハブもスポークも安価に補修ができますし、性能もそこそこあるので練習用には最適だと思います。
また、今回は私自身が組みましたが弟の持ってるタキザワの手組みと比べるとやはり私のものとは精度が違うと感じました。プロの技には及びません。
これを組むまでは、今後は自分で決戦用のカーボンホイールを組もうと考えてその練習のためにもこれを組んだのですが、今回の件でプロとの差を実感したので決戦用のものはちゃんとビルダーさんに組んでもらおうと思います。
なので、プロにお金を払って組んでもらうことは全然無駄になりません。自信がない、機材がないなら組んでもらった方がより良いものが手に入ると思います。むしろ組んでみると、4000円程度の工賃は技術料としてはずいぶん安いと感じるようになりました。
そして組んでみると、なぜホイールのスポークパターンがこうなってるのか一つ一つ確認することになるので非常に勉強になります。完組ホイールを見るときも、このスポークパターンはどうしてこうなってるのか色々考察できるようになります。単にものを手に入れるだけではなく同時に勉強もできるので、余裕がある方はぜひ手組みに挑戦することをオススメします。
価格評価→★★★★★(同価格のホイールよりか良い)
評 価→★★★★★(モノが言いというのもあるが、勉強のために1セット組んでみるべき)
<オプション>
年 式→2021
実測重量 1778g