購入価格: ¥6,480(税込)
標準価格: ¥6,480(税込)
『基本的にディスクブレーキとの相性は良い。ただ、レバーがフロントフォークに干渉する分、作業性ではRWS OFF ROADに劣る』
■ GIANT RWS ROAD SETとは
GIANT RWS ROAD SETは、フロントが100mm、リアが130mmエンドに対応したスキュワーで、文字どおりロード用の前後セットだ。クイックリリースと交換して使う。締め付けに工具は不要であり、レバーを任意の向きに固定できるのが特徴。DT SWISSとの共同開発品であり、DT SWISSにも色違いのRWSがあるが、回り止め付きのナットはGIANTの方にしかなく、価格もGIANTの方が安い。
GIANT RWS ROAD SET (RWS WHEEL RETENTION)
■ 購入のきっかけ
クイックリリース仕様のGIANT DEFY1 DISCのホイールをしっかりと固定するために購入。RWSの強固な締め付けに私が期待したことは、どちらかといえば、剛性の向上よりもディスクブレーキに関するさまざまな恩恵だ。具体的には、ホイールの取り付けの際のローターの位置の出しやすさや、制動力によるホイールのズレとダンシングなどによるパッドとローターの接触を確実に防ぐことを期待した。
なお、DEFY1 DISCのフレームは135mmエンドなので、RWS OFF ROADを使用。RWS OFF ROADはフロント用がリリースされていないので、RWS ROAD SETを購入してフロントだけ使うことになった。なお、レビューの内容もフロントのみになる。
リアはRWS OFF ROADを使用
■ 使用感
RWSによる締め付け力の高さは期待どおり。リアに装着したRWS OFF ROADは、ホイール周りの剛性の向上によるペダリングの変化が際立っていたが、RWS ROAD SETのフロントは、フロントフォークが横方向に硬くなったような印象。ダンシングでは力を伝えやすく、コーナリングはシャープだ。もちろん、ダンシングやコーナリングでのパッドとローターの接触も一切ない。
ただし、空気圧が以前と同じではホイールが跳ねやすくなるのは、リアのRWS OFF ROADと同様。手のひらへの突き上げが大きくなるだけでなく、タイヤのグリップ力も低下してしまう。だが、これは空気圧を下げることで対応が可能で、以前の乗り心地の良さを確保したまま、RWSの締め付け力の高さによるさまざまな恩恵を受けられる。また、長時間の走行でもRWSによって手の負担が増した感じはしなかった。
詳細に関しては、以前投稿したRWS OFF ROADのレビューとほぼ同じだ。
(参考) RWS OFF ROADのレビュー:
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=14537&forum=27&post_id=25201#forumpost25201フロントは横方向の硬さによるメリットが大きい
■ レバーの形状による作業性の違い
RWS ROAD SETとRWS OFF ROADの最も大きな違いはレバーの形状だ。どちらも締め込みの途中や固定後にレバーを任意の向きに変更できるが、レバーの形状によって使い勝手は大きく異なる。
RWS OFF ROADはレバーの内側が太いフレームやフロントフォークに干渉しにくい形状になっている。ディスクロードのディスクブレーキ台座周辺は補強のために外に張り出しているが、自転車によってはレバーの向きを変えずに最後まで締め込むことも可能だ。
一方、RWS ROAD SETは、空力を意識しているのか、レバーが全体的に内側に曲がった形状になっている。レバーを固定した後はレバーの外への張り出しが少なく、すっきりとした見た目にも貢献する。だが、エンドの接触面とレバー先端のクリアランスが約2mmしかなく、締め込みの途中でレバーの向きを変えなければならない可能性が高い。
ディスクロードのフロントフォークの場合は、ローターをパッドと平行にするためにホイールを立てておく必要があり、締め込む途中でレバーの向きを変える際にホイールが傾かないように注意しなければならない。ローターとパッドを平行にする方法は他にもあるので、慣れればどうということはないが、RWS OFF ROADに比べると少々使いにくい。
ただ、RWSにはほぼ毎回同じ締め付け力が得られるメリットがあり、締め付け力がバラつきやすいクイックリリースレバーよりもローターの位置を出しやすい。うまくいけばクイックリリースレバーの方が早いが、RWS ROAD SETの方がミスが少ないので、安定してスムーズにホイールを取り付けられる。
ホイール(ローター)が傾かないように、レバーの向きを変える必要がある(左)、
レバーとフロントフォークの干渉(中央)、RWS OFF ROADとレバーの形状を比較(右)
■ 総評
GIANT RWS ROAD SETの締め付け力の大きさは期待どおり。フロント用はダンシングやコーナリングのキレが増すだけでなく、パッドとローターが一切接触せず、高い制動力でもホイールの位置がずれない。ただ、レバーがフロントフォークに干渉する分、作業性ではRWS OFF ROADに劣る。ディスクロードのフロントフォークは、ローターの位置を出す際に少々影響を受けやすい。
とはいえ、RWSのさまざまなメリットに比べれば、レバーの形状によるデメリットは非常に小さい。クイックリリース仕様のディスクロードは、RWS ROAD SETのフロントしか使えないが、RWS OFF ROADとともに導入する価値は十分にある。GIANTのラインアップにはロード用のディスクブレーキを搭載したモデルが増えてきているので、今後はRWS OFF ROADのフロントもリリースしてほしいところだ。
RWS ROAD SETは、レバーの外側への張り出しが目立ちにくい(左)
前後でレバーの形状が異なるが意外に違和感はない(右)
価格評価→★★☆☆☆ (ディスクロードの場合はリアが余る)
評 価→★★★★☆ (レバーが干渉しやすい分だけマイナス)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→106g(フロント51g、リア55g)