熱中症の話
購入価格:一泊二日の入院費
自転車初心者(4ヶ月目)のおバカなエピソードです。
炎天下の7月中旬、気温は36度。付けたばかりのサイコンを試したくて、荒川CRへ向かう。今日はいくらでも汗をかけるようにと、ユニクロのクールドライの上下に、ユニクロのアイプロテクト、LASのヘルメットだ。自宅を出た10:30の段階では正午過ぎに帰宅するつもりだった。
荒川CRに到着した時に「しろくまのきもち」を首に巻きつけるのを忘れていたことに気づくが(失敗1)、そのまま27km/h巡航で10kmほど走り、橋の日陰で休憩。今日の給水は息子が朝つくった麦茶500ml(失敗2)。さらに10km走り、途中39km/hの最高速をマークしたことにニヤニヤしながら(失敗3)橋の影で休憩。ここで麦茶を飲みきったので、近くの自販機にあるスポドリが頭をよぎるが、次の10kmが終われば帰路に就くからと、再び自転車にまたがる(失敗4)。
荒川CRを離れ、帰路に就く。自宅までわずか5kmの道のり。途中コンビニをいくつも通り過ぎたにもかかわらず、スポドリは買わずじまい(失敗5)。自宅に到着する直前の坂道の下。平地にもかかわらず足に力が入らず15km/hにペースダウン。あれあれ?と思っているうちに、日陰の歩道を自転車を押して歩き始めた自分がいた(いま考えれば、この時点で意識が朦朧としていたようだ)。
右手にコンビニが見えたが炎天下の道を渡る気力なし。左手に見えた勤労福祉会館玄関の階段にへなへなと座り込み、メットを脱いだ。少し休憩すれば回復すると思っているうちに、胃のあたりに痺れを感じ始めた。訳が分からないなと思いながら、会館の中にスポドリを買える自販機があるだろうと財布を捜すも、その手も痺れてきていて、さらに立ち上がることができないことに愕然とする!会館から出てきたおばさんに「スポドリを買ってください」とお金を渡そうとしながら、そのままそこに横になってしまった。(ドラマじゃないんだから、恥ずかしいよ~)
頭の中では「なんてこった!」と思いつつも、カラダの方は全身が痺れ、両足が痙攣し始めているじゃないか?!しかも腿と脹脛の筋肉が硬直して猛烈に痛い。痛みを訴える口元まで痺れ、呂律が回らない状況。周りに集まったおばさんたちが口々に「救急車を呼んで!」「やかんに水入れてきて!」「足がつっているからマッサージしてあげて!」「ストローの方が飲みやすいんじゃない?」と言っているのがうっすら聞こえたが、こちらは痛みが軽減される姿勢を探すのに必死だ。やがてやってきた救急車に移される際に、介抱してくれたおばさんたちに「ありがとうございます」と声を振り絞ったが、聞こえただろうか。
病院で救命救急センターに通されると、あっと言う間に身包みはがされ、オシメ姿で点滴、直腸検温、血圧測定、採血、CTスキャンなどなど。何度も「ここはどこですか?」と聞かれたのはこちらの意識を確認していたのだろうが、人が代わるたびに「名前を教えてください」「家の電話番号は?」と聞かれたのにはまいった。一回で覚えてくれよ~。しかしこの間、半分寝ていたようだ。眼が覚めると、妻子がマスクをして周囲に立っていた。
私が体験した熱痙攣というのは、熱中症の中でも軽い症状らしいが、痙攣を起こした際に筋肉の組織が壊れ血中に流れ出すのだそうだ。たしかに下半身は筋肉痛が残っているし、学生時代の部活で一度血尿を出したことがあったな。結果的には、入院から5時間くらいで食事が出来、一人でトイレに行けるほどに回復したが、翌朝の採血でも血中の壊れた組織の量は依然多く、一旦退院後に検査通院することとなった。やれやれ。
バカに出来ない教訓 1:給水はスポドリにし、こまめに、かつ十分に補給すること。 2:できれば「しろくまのきもち」で首元を冷ますこと。 3:サイコンをつけても興奮せずに、無理をしないこと。
※初心者の方は勿論のこと、先達のみなさまも、これからの季節、お気をつけください。
追記:一泊二日の入院費について(保険適用)
さきほど病院から入院費を知らせる電話があり、約85,000円とのこと!
桁を聞き間違えたかと思い、内訳を尋ねると(すべて概算)
・救命救急センターに2日間入院:53,000円 ・包括処置費:28,000円(熱中症の場合) ・初診料:4,000円
緊急時はやむを得ないこととは言え、このご時勢に高級ホテル並みの宿泊費を請求される救命救急センターには、極力お世話にならないようにしましょう。こまめなスポドリ補給と「しろくまのきもち」は足しても1,000円程度なので。
価格評価→★★★☆☆(これも勉強料ということで) 評 価→★☆☆☆☆(もう経験したくない) <オプション> 実測重量2000g(点滴)⇒事実、わずか一泊の入院で2kg太ってました。
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